リチウムイオン電池の電気化学測定の
基礎と測定・解析事例
著者
(株)豊田中央研究所 リサーチアドバイザー 工学博士 右京 良雄 氏
発刊・体裁・価格
発刊 2014年2月14日 定価 7,500円 + 税
体裁 A4判変 61ページ オールカラー
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ISBN 978-4-86502-051-9(書籍)
ISBN 978-4-86502-052-6(PDF版)
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著者の声
最近、リチウムイオン電池が至る所で非常に多く用いられている。リチウムイオン電池に限らず、電池の中で起こっている現象を知ることは、高性能電池の開発にとっては必須のことである。
近年の中性子、放射光や電子線などを用いた解析技術の進歩は目を見張るものがあり、それによって多くの新しい知見が得られている。
また、多くの若い研究者の関心もそのような方向に向かっている印象を受ける。しかし、これらの多くの解析は局所場の解析に重点が置かれているようにも感じられる。
人間の病気の場合でもそうであるが、医者には一般医(病気の人をみてどこが問題なのかを見極める医者)がいて専門医(問題個所に対応する医者)がいるように、電池の場合でも電池全体を見て問題点を洗い出し、洗い出された問題点を集中的に解析する、調べることが重要である。この、問題点を洗い出す手法として電気化学的な計測は極めて重要である。
このためにも、電池に関する電気化学的な計測手法を基礎的な側面から理解しておくことは電池開発にとって重要であり、研究開発を正しい方向に導く方向性を示すものと考えられる。
ここでは、その入り口を示したのみであるが、電気化学的手法への取り組みの一助となれば幸いである。
ポイント
○電気化学測定に関わるリLi電池の基礎・原理・構造
・電気化学ポテンシャル・電子とイオンの流れ・電荷移動反応
・充放電反応
・電気の流れを早めるには?
○極式セルの基本的な電極配置・留意点
○交流インピーダンス/電位走査/クロノポテンシオメトリー(定電流充放電、GITT)法
の特徴・留意点・使用用途・リチウム電池関連測定への適用
○実際に行った交流インピーダンス法の解析事例
○測定データ・グラフの見方と解釈・解析
・イオン導電性物質のインピーダンススペクトルの例(複素インピーダンスプロット)
・充放電曲線例
・レート特性の見方
・等価回路を用いた解析
○固体電池への適用・電気化学測定
・固体電解質の概要と要求される6つの特性
・固体電解質の電気化学的測定
○インピーダンスの円弧が2個に見える例
目次
→掲載見本
はじめに
1.リチウム電池の原理・構造
2.リチウムイオン電池の電気化学反応と電極構造
2-1 電気化学反応
2-2 電極構造
3.リチウムイオン電池の抵抗
4.電気化学測定
4-1 電気化学測定とは
4-2 電気化学測定
4-2-1 電位走査法
4-2-2 電気化学(交流)インピーダンス法
4-2-3 クロノポテンシオメトリー法((定電流充放電、GITTなど)
4-2-4 電極電位と電池電圧
5.電気化学測定の応用
5-1 電極(活物質)特性の測定
5-1-1 充放電曲線(容量、開回路電圧)
5-2 抵抗の分離
5-3 拡散係数の測定
5-4 電解液の輸率の測定
5-5 電解質(電解液)の安定性
6. 電気化学測定の電池解析例
6-1 3極式電池による解析
6-2 充放電サイクル劣化挙動とその解析例
1) 置換による劣化抑制効果
2) サイクル劣化と保存劣化の違い
7.固体電解質(固体電池)への適用
7-1 固体電解質
7-2 固体電解質の電気化学的測定
まとめ