月刊化学物質管理 コラム『私の含有化学物質管理』第1回 

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『私の含有化学物質管理』
第1回 EUの含有化学物質規制「WEEE/RoHS」との出会い


河田 研(2018.1.12)

富士フイルム株式会社にて機器製品開発および環境対策推進に従事なされ、ご退職後は海外化学物質規制に関する講師を勤めていらっしゃいます。
この度は、国内・海外で実際に経験された化学物質管理リスクへの取り組みの歴史を紹介いただきます。


はじめに

 今やRoHS, REACH といった規制に対応した含有化学物質管理は、電気電子製品の製造、輸出を行っている企業にとって避けられないものになっている。EUのRoHS 指令については発効して11 年経ったがまだまだ対応に課題が多く、「部品調達先から部品に含有される化学物質情報が入ってこない」、「非含有保証書をもらったが禁止化学物質を含有した部品が納入される」など、悩まされる企業は少なくないようで、今も色々な方から相談を受ける。
 私自身、機器製品の開発を担当していた時に多くの違反事例に遭遇、その原因調査から思ってもみなかったところにリスクがあることを知った。部品調達のためにマレーシア、中国の各地をめぐった際には、思ってもみない日本との商習慣の違いを経験した。
 マレーシアでは「禁止物質非含有保証書」を要求すると直ちに出てくるが、その多くが保証の根拠データを持たずに書かれていた。「問題があればすぐに代わりの部品を作り直して納品する」、というレベルで保証書が扱われていることを知った。中国の製造委託先では、納入された部品の品質保証を受け入れ側が持つ、といった驚きの光景を目にした。日本では常識となっている納品の品質保証責任、製造工程の上流品質担保の考え方が現地では通用しない。またプラスチック部品の成形工場やメッキ工場を見て回った際にも、日本とのモノ作りの違いにびっくりさせられることがあり、「現地でのモノ作りの実態」を知って対応をしていかないと含有化学物質規制違反を犯してしまうリスクがあることを知った。これらの経験したことについて順次紹介していきたい。


1. EUの含有化学物質規制「WEEE/RoHS」との出会い

 私が初めて含有化学物質規制と出会ったのは2000 年の欧州の環境施策に関する記事を目にした時であった。当時機器製品の開発グループで環境設計の推進を担当していた私は、いかに製品廃棄時のリサイクル率を上げるか、そのために廃棄される時に解体・リサイクルしやすいように締結ネジの本数を減らす、プラスチック素材はリサイクルしやすい数種に絞る、プラスチック部品に材質名を刻印する、といったことばかりに頭が行き、製品に含有される化学物質を管理する必要が出てこようなどとは一切浮かばなかった。
 そのような時、環境情報誌に「EU 環境委員会が2006 年施行を目標に、鉛、カドミウム、水銀、六価クロム、特定臭素系難燃剤を含有する電気電子製品の、EU内での販売を禁止する法令(WEEE/RoHS 指令)の制定を進めている」との記事を目にした。その後、法制化を推進しているのがスウェーデンの環境大臣を経験したMargot 女史で、環境への理念が非常に高い人だと知った。
 欧州では古い焼却炉が多く残っていて、ダイオキシンの発生を恐れて埋め立てに回される廃棄電気電子部品が多い。また焼却されても灰に重金属が残り、それらから溶け出した重金属類が河川汚染や海洋汚染を起こし、バルト海では鉛、カドミウムが高い濃度を示している。その廃電気電子製品が年率3 〜 5%のレベルで増加していた。

 この年、埋立処分場を実見する機会を得る。丘に囲まれた窪地に100 m ほどの穴が掘られ、ダンプカーがひっきりなしに電気・電子機器類を含む廃棄物を運んでくる。筐体の破片や電子部品が残ったままの基板などが廃棄されると、すぐ後をブルドーザーが押しつぶしていく。近隣の方から「大雨が降った後には黒い水が滲みだしてくる」との話を聞いた。
 また少し後、中国南部のジャンクマーケットでコンロの上に置いた廃棄電子基板から半田が溶けるのを待ってIC やコンデンサーなどの電子部品を外している光景を目にした。作業者は1 日中鉛の蒸気を吸い続け、やがて鉛中毒におかされる…、少し重い気分になった。また鉛蒸気はやがて落ちてきて河川や地下水の汚染を起こす。飲料水の鉛汚染は子供の知能指数IQ に大きく影響する、との米国の研究報告が思い出された。欧州の廃電気電子製品の多くがアフリカに持ち込まれ、作業者への安全対策がとられることなく分解処理されている。Margot 女史もきっと私と同様の光景を見て同じ思いを抱いたことだろう。

図表1 埋立処分場

図表1 埋立処分場


 WEEE/RoHS 指令の持つ理念の重さを理解することはできた。しかし、当時は電気電子部品を基板につける半田は鉛と錫の合金に代わるものがなく、またネジ、ボルト、ナット類の防錆メッキでは六価クロム系のクロメート処理に代わる技術が確立しておらず、これらが使えないと電気電子製品作りができない。理念は理解できるが技術が追い付いていないので、施行はまだまだ先にならざるをえないだろうと予測していたが、翌年末に起きた事件が私の甘い予測を崩してしまった。


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