月刊化学物質管理 コラム『私の含有化学物質管理』第1回 

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『私の含有化学物質管理』
第2回 EUカドミウム指令違反事件


河田 研(2018.2.15)

富士フイルム株式会社にて機器製品開発および環境対策推進に従事なされ、ご退職後は海外化学物質規制に関する講師を勤めていらっしゃいます。
この度は、国内・海外で実際に経験された化学物質管理リスクへの取り組みの歴史を紹介いただきます。


 2002年の初め、環境部門から「日本の大手電気メーカーのゲーム機がオランダ税関で通関を差し止められた。カドミウムを基準値以上含有したらしい。こちらの製品に同じ問題はないか?」との連絡が入った。  抵触した法令は1976年に施行した「危険な物質の調剤と上市を制限する指令 76/769/EEC」で、1991年の修正により樹脂、塗料にカドミウム100ppm以上の含有を禁止する内容となり「カドミウム指令」と呼ばれるようになった。この事件はニュースにも取り上げられ、新聞に掲載された情報では、2001年のクリスマス商戦に合わせ100万台のゲーム機をEUに輸出しようとしたが、オランダ税関でゲーム機のケーブルにEUの規制値を大きく超えるカドミウムが検出され通関が認められなかった、代替のケーブルを製作して入れ替えたが対応に日数がかかりクリスマス商機をのがした、結果100億円の売り上げ機会損失をこうむった、ことなどが記載されていた。

 カドミウム指令が、なぜ施行後10年も経ってから適用されたのか…? しばらくしてその理由が明らかになった。オランダ税関が米国Nitton社から蛍光エックス線分析装置を購入し、入関してくる製品をのきなみにチェックしている。装置の資料を取り寄せてみると、ピストルを少し大きくしたようなハンディなもので、分析したい箇所に先端を当ててレバーを引くと30秒から1分で金属を含む元素類の含有率の一覧がppmオーダーで表示される。元々は鉱物探査のために開発された装置。それまでの蛍光エックス線分析装置は大型で、分析するサンプルは1cmほどの大きさにカットする必要=破壊試験 があった。製品を破壊せずに分析できることで、これまで実施できていなかった分析検査が遠慮なく行えることになったことが原因だった。その後も光学製品のケーブルを束ねるビニタイに基準を超えるカドミウムが検出されたとして、オランダ税関で製品の通関が差し止められる事件が発生している。この情報には私自身大きなショックを受けた。「製品自体でないものにも化学物質規制が適用される」。


図表2 Nitton社製蛍光エックス線分析装置

図表2 Nitton社製蛍光エックス線分析装置



図表3 ビニタイ

図表3 ビニタイ


 EUの含有化学物質法規制を調べてみると、1983年には「包材重金属指令」が発効しており、包材にも「鉛、カドミウム、水銀、六価クロムの合計で100ppm以下」が規制されていた。ビニタイやPPバンド、結束バンド、接着テープなどの「副資材、包材」は製品の性能に影響しないため、通常は設計が関与して図面化することはない。組み立て現場や梱包現場で調達されているものを適当に使用している。
 試みに、いくつかの組み立て工場で使われているビニタイを10種ほど集めて分析をかけてみた。結果、半数のビニタイから高濃度の鉛が検出された。カドミウム規制で引っかかっていなくても「包材重金属指令」で指摘されていたかもしれない。
 「製品だけでなく副資材、包材までも化学物質管理が必要」なことを痛感させられた。

 私たちのグループでもNittonの蛍光エックス線分析装置を1台購入し部品の検査を開始したが、数万種の部品の検査を終えるまでには1年以上掛かる。部品メーカーへの協力依頼が必須と考え、包材重金属指令、RoHS指令への対応まで含めたガイドラインを作ることになったが、化学物質管理など初めての経験のためにどのような所にリスクがあるのかさっぱり分からない。手分けして調査をしてみた結果、身近に使っている多くの包材、部品に規制物質が含まれていることが分かった。


図表4 包材のリスク

図表4 包材のリスク



図表5 製品のリスク

図表5 製品のリスク


 調査結果を基に部品をハイリスク、ローリスク、ノーリスクに分け、ノーリスク以外は @素材メーカーの化学物質情報、A分析データ、のいずれかをベースとする「規制化学物質非含有保証書」の提出を要請するガイドラインを策定した。協力企業対し、EUの化学物質規制内容、管理方針を説明し、ガイドラインの順守を要請した。


コラムへのご意見、ご感想等がありましたらこちらまでお願いします→ chemmate@johokiko.co.jp




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