月刊化学物質管理 コラム『私の含有化学物質管理』第1回 

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『私の含有化学物質管理』
第5回 中国のモノ作り事情−1


河田 研(2018.5.16)

富士フイルム株式会社にて機器製品開発および環境対策推進に従事なされ、ご退職後は海外化学物質規制に関する講師を勤めていらっしゃいます。
この度は、国内・海外で実際に経験された化学物質管理リスクへの取り組みの歴史を紹介いただきます。


 2000年頃のこと、私たちが開発した製品を中国に輸出していたが、日本からのハイテク製品とみなされて40%からの関税をかけられていた。輸送経費などを含めると国内の2倍近い価格になり、当時メイドイン・ジャパン製品は高い人気を得ていたが、現地製のものの3倍以上の価格にもなると中国での販売に厳しい状況を呈していた。そこでキーパーツを日本から輸出し、残りの部品を中国で製造して組み立てることでコストダウンを図ろうということになり、委託できる企業さがしに出かけた。中国販売担当のエキスパートメンバーが探してくれた候補先を、1週間ほど掛けて訪問調査した。

 上海では私たちと類似製品を製造販売している企業を訪れた。繁華街を少し外れた一等地にあり、30代の若い経営者が私たちを迎えてくれた。工場を案内してもらっていて、製品が私たちのデザインと似ているのに気が付くと、「展示会で私たちの製品を見て真似た」と、悪びれることなく話してくれる。内部の構造も展示会で見た記憶とカタログをもとに設計した、とのこと。困っていることを尋ねてみると、「特殊材料の入手が難しい。高い耐腐食性能が要求されるため、クロム含有率の高い特殊ステンレスを入手しなければならないが、中国では作っていない。市場に出てくるのは、大手企業が大量に輸入した折に残り物として出る端尺材で、市場に出てくるのを注視しながら待っている」 日本ではこのステンレスは商社に依頼すれば普通に入手できるが、ここでは材料調達にまだまだ難しい課題を残している。
 帰り際に「私たちの製品のマニュアル類をくれないか」とびっくりする言葉を聞かされた。翌年再びこの企業を訪問しようとしたが、更地になっていて移転先も見つからなかった。

 上海の郊外へタクシーで30分も出ると、一気に田舎の風景に変わった。畑が広がり、水をためたクリークにはアヒルの群れが泳いでいる。のんびりしたドライブに聞こえるかもしれないが、いつ事故に遭うかとビクビクしながら乗っていた。道路の一番端をリヤカー、その内側を自転車、その内側をオートバイ、そのオートバイを追い抜くためタクシーはほとんどセンターラインを跨ぎっぱなしで、100キロ近い速度で走っていく。対向車線も同じ状況なのだが、こちらのタクシーは決して譲ろうとはしない。何度もギリギリのタイミングでかわす。時には相手側車線にかわすことまであり、命がけの運転に必死でつっぱっていた足がつりかけてしまうほどだった。
 「決して譲ろうとしない」気質は、この後の中国での交渉で何度も感じたこと。何がこの気質を作ったのだろう、私たち日本人の気質が譲りすぎるのか…

 上海郊外の企業はペガサスという洒落た名前が付いていて、若い経営者が運営している。私たちと類似の製品を製造しており、よく売れていると見えて多くの製品がラインで仕掛かっている。内部の構造はしっかり作られているが、使われている材質に耐久懸念のあるものが見つかった。日本では新規素材の耐久性確認に数年かけることもあり、技術蓄積のベースがあるが、ベンチャーで始めたばかりの企業にとっては難しい課題なのだろう。 「2年ほどで耐久限界がくる材質だから変えた方がいいよ」とアドバイスをしたら、「2年ももてば十分」と回答が返ってきた。
 中国の客たちは安いペガサスの製品を買って商売を行い、2年経ったら儲かったお金で日本製に買い替えるのだという。ちょっと乱暴な考え方だと思ったが、いまの中国に新しいベンチャーが驚くほど次々に出来てきている事情が少し分かったような気がした。技術が完成してから起業しようというのでは間に合わないほどの社会情勢の変化がここにはあった。
 この経営者からも、私たちの製品マニュアルを要望された。日本では競合するかもしれない相手にこのような要求をすることはないが、彼らは目的のためには一切躊躇することがない。今の中国の若い人たちに、とてつもない向上意欲を感じさせられた。

 広州に近い街で訪問した企業は、地方都市政府が資金を出して作った従業員100人ほどの規模で、中小の工場をあつめた工場団地の一角に位置を占めている。作っているのは私たちと類似の製品で、彼ら独自の設計による製品である。価格が私たちの製品の4分の1と安価なことで多くの注文があり、トレーニングルームを兼ねた工場倉庫に十数台の完成品が並べられていた。

図表9 広州近くの工場

図表9 広州近くの工場 中の光景は日本の工場と大差ないが、違和感を覚えたのは、
工具を入れる引き出し全てに頑丈な錠前が掛けられていること


 こちらでの取引は私たちから見ると独特で、顧客は購入を決めた機器で数日間運転操作をして性能確認すると、自分でレンタルしたトラックに性能確認した機器を乗せて、自分で運転して帰るという。他人が途中に介在することを全く信用していないように思える。


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