月刊化学物質管理 コラム『私の含有化学物質管理』第1回 

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『私の含有化学物質管理』
第6回 中国のモノ作り事情−2


河田 研(2018.6.18)

富士フイルム株式会社にて機器製品開発および環境対策推進に従事なされ、ご退職後は海外化学物質規制に関する講師を勤めていらっしゃいます。
この度は、国内・海外で実際に経験された化学物質管理リスクへの取り組みの歴史を紹介いただきます。


 中国での生産委託先が広州近くの企業に決まり、必要な技術移管のため出向くことになった。これから1年間、日本と中国を行ったり来たりの生活になる。この企業がある街は典型的な地方都市で、スーパーマーケットがたった1軒しかない。しかもカップラーメンやスナック菓子など乾物しか扱っていない。生鮮食品は皆、昔ながらの市場に買いに行く。

図表10 広州近くの地方都市の通り風

図表10 広州近くの地方都市の通り風景
図表11 市場風景 テーブル上のカゴは蛇、二重カゴには毒蛇、ポリ容器は巨大スッポン

図表11 市場風景 テーブル上のカゴは蛇、二重カゴには毒蛇、
ポリ容器は巨大スッポン



 市場はまるで動物園。生きたままのカエル、蛇、鴨、ハクビシンなどが売られている。ポリ容器には50cm近い巨大なスッポンが入っていて、蓋もしていない。みんな頭を突っ込むように覗き込んでいて「喰いつかれないだろうか」と心配してしまう。魚も全て水槽で生きたまま売られていて、指をさして「これ」と言うと、網ですくってビニール袋に入れ重さを計ってくれる。人々は決して死んだ魚や肉を買わない。 「いつ死んだかわからない、腐っていない保証がない」と言う。

 工場の事務所で技術移管の打合せが始まった。図面と黒板を使ってポイントの説明をしていくのだが、通訳が入るために倍の時間がかかってしまう。しばらくしてお互いに要領が分りはじめると、「この模具(金型)で作った塑(成形品)を組み立てて…」などと黒板に書いて、日本語で話しても理解できることが増えてきた。漢字の有難さを感じる。
10日間ほどの技術やり取りを終えると、次回の打合せ日程とそれまでにお互いがやっておく事項を確認し合い、中国語と英語にして相互の書類に責任者サインを行う。相互の確認事項としては、こちらは中国で入手できる材料について日本で強度や耐久性評価を行う、相手側は指定された材料を調達していくつかのパーツを試作しておく、など全体のスケジュールに従って決める。相手側責任者は工場長で、この会社のたった二人しかいない共産党員の一人。もう一人は董事長(社長)で会社運営と営業を担当している。希望すれば誰でも党員になれるものとばかり思っていたが、ここでは技術や経営のトップしか入れない超エリートの集団のようで、工場長からは何度か自慢話を聞かされた。当時は商談のために香港に行けるのも二人だけだった。
日本に戻るとこちらの役割の手配に入る。日本で開発の業務も持っていたので、戻ってくると仕事の処理に追われてしまう。中国行きの日程が近づいてくると、役割の達成内容を確認して英語のレポートに仕上げる。

 2回目の技術移転の打合せで早速「中国でモノ作りを進めることの難しさ」を経験する。こちらの報告を済ませ、彼らの試作品を見せてもらう段になって担当者が出てこない。工場長が担当者を呼びに行かせたがなかなか戻ってこない。1時間ほどして担当者がやってきたが手ぶらで、「試作品を作らせているところに取りに行ったが、出来ていなかった」と言う。  突然工場長が担当者を怒鳴り始めた。大きな声で延々と叱り続けている。30分ほどしてやっと担当者を開放したが、管理責任者としての謝罪の言葉は一度も耳にすることはなかった。
 こちらで業務を進めるには「任せる」では済まないことを悟った。私たちが日本に戻っている間こちらでの進度管理を行ってくれるスタッフを現地で雇うことになり、中国の総販売代理店の協力で、2週間ほどで採用に至った。これ以降少しずつスムーズに進むようになったが、まだまだ大変なことを経験する。

 通関事情: 日本から送ったパーツ類が予定した日に届いていない。確認してもらうと通関で止まっていた。申告したパーツの関税率が低い、というのが止められた理由だった。ハイテク品とローテク品で税率が異なるが、関税率はどうやら税関吏の胸算用ひとつらしい。困っていたら、董事長が「交渉に行ってくる」と言って出かけ、2時間ほどして「もらってきた」といって戻ってきた。コネもここでは必要なひとつになっている。

 春節事情: 2月中旬から中国の春節(旧正月)が始まる。故郷に里帰りする人たちは皆ウキウキで、数日前から仕事にならない。 事務所を覗くと工場長が赤い袋を皆に渡している。お年玉で、中にお金が入っている。いくらくらい渡すのか、通訳の女性にこちらの習慣を聞いてみた。管理職クラスには100元(約1500円)、一般従業員には30元ほどを渡しているらしい。全従業員に渡すので、工場長の3か月分の月給がお年玉で消えることになる。大変なことだけれども、「お年玉を配らないと面子(メンツ)を失うことになる。これが一番怖い」と教えてくれた。中国で面子が持つ大きさを知った。春節は仕事にならないので私たちも日本に帰ることにした。
春節明けに工場を訪問すると、キー技術を伝えた何人かの姿が見当たらない。聞くと、春節が終わるたびに2割ほどの従業員が戻ってこないとのこと。習得した技術で条件のいい先に移ることが普通に行われている。「また技術指導のやり直しだ…」



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