月刊化学物質管理 コラム『私の含有化学物質管理』第1回 

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『私の含有化学物質管理』
第7回 中国のモノ作り事情−3


河田 研(2018.7.18)

富士フイルム株式会社にて機器製品開発および環境対策推進に従事なされ、ご退職後は海外化学物質規制に関する講師を勤めていらっしゃいます。
この度は、国内・海外で実際に経験された化学物質管理リスクへの取り組みの歴史を紹介いただきます。


 中国の生産委託先への技術移転が進み仕事が順調に流れ始めると、少し自由な時間が出来てきた。そんな時には工場団地を抜けだして周辺を散策する。数軒の蛇専門のレストランがあり、入り口付近には大きなケージに何匹もの黒い蛇が入っている。コブラらしいが生で見るのは初めてで、2m近い大きさには近づくのが怖いような迫力がある。安くないそうだが、工場の人たちは冬場には毎週1回は通うという。「毒蛇が逃げ出したら大変だろう」と言ったら、「高価なごちそうだぞ、皆で追いかけまわすさ」と一笑されてしまった。

 地方都市の住宅事情はまだまだ悪そうで、100年も経つかと思える古いレンガ作りの住居ばかりが目立つ。覗いてみると裸電球一つがぶら下がっているだけの部屋が多い。流しもかまども年期が入ったものが使われている。工場団地近くの社宅も古い建物がそのまま使われていて、割れた瓦、さび付いた窓格子、汚れた壁など、メンテナンスされた様子が全くうかがえない。会社は従業員の社宅を準備する義務があるらしいのだが、どうやら投資を儲かるものに回していて社宅保守には回そうとしない、住んでいる従業員も条件の良いところがあれば明日にでも移る気でいるので住居には手を入れない、というのが実情のようだ。


図表12 古いままの姿が残る住宅裏通り

図表12 古いままの姿が残る住宅裏通り


図表13 工場団地のそばにある社宅

図表13 工場団地のそばにある社宅



 このメンテナンスに配慮しない姿勢が色々な所に波及している。工場の中を回っていた時に加工機械のギヤーが油切れして磨滅仕掛かっているのに気が付いた。この機械を操作している作業者はとっくに気が付いているはずだが、終業のベルが鳴ると切り屑もかたづけないままタイムレコーダの所へ走って行ってしまった。加工設備は会社のもので、メンテナンスの責任は経営者にある、メンテナンスが必要なら専任の人を雇うしかないらしい。

 中国と日本との行ったり来たりが3か月ほど経ったころ不思議な光景に出会った。部品が納入されてきたのだが、マネージャーが事務所の女性までかり集めている。何をしているのかついて行ってみると、戸棚のカギを開けノギスを取り出して手渡している。ノギスを受け取った女性たちは窓際の長いテーブルの前に一列になって座り、箱に入った部品を図面を見ながら測定し始めた。測定が終わった部品は空いた箱に入れていくが、2〜3個横に分けられている。
 「何をしているの?」日本語で聞いたのだが、マネージャーが気が付いて通訳に説明してくれた。 「部品の受け入れ検査をしている。入ってきた部品の2割以上に不良が見つかればそのロットの全部品を返し、納品側は作り直しをして持ってくる。2割以下だと不良の部品だけ作り直してくる」とのこと。 「納入品に検査表はついていないの?」との私の質問に、「検査表とは何…?」と驚くような返事が返ってきた。納品元では部品の出荷検査もしていないようなのだ。マネージャーに「もしこちらで検査しなかったらどうなるの?」と再度質問をなげかけると、「受け入れ伝票にサインしてしまうと、後に不良品が見つかっても作り直してもらえない。ここでしっかりチェックをしないと大変なことになる」 当然といった顔で返事を返されてしまった。
 日本では納品元が出荷検査を行い、そのデータを検査表に記載して納品の際に一緒に付けてくるのが普通になっており、当然中国でも同じことが行われているものとばかり思い込んでいた。日本では同じ工場の中でも「上流品質管理」は当然になっていて、下流の工程に流す際はしっかりしたチェックを行っている。ここでは受入れ側が管理責任を持っている。商習慣の違いとは言いながら、とてつもなく大きな違いがあることを思い知らされた。
「市場で生きたものしか買わない…」、日々の習慣と一貫するものを感じた。

 1年ほどの技術移管の後、生産管理グループにバトンタッチして中国の仕事を離れることになった。ここでの体験は私に多くの勉強をさせてくれた。特に国により商習慣に大きな違いがあることを知ったことは、大変な収穫だと思っている。日本にいた時に当然と考えていたことが、国によっては通用しないことを何度も経験した。

 今回の中国での生産委託はEU RoHS発効前で、しかも中国国内でのみ販売する製品だったため、EUの化学物質規制を全く気にすることなく済ませられた。もしここでRoHS対応が必要な製品を委託していたら… 今振り返って考えてみたが、どんな風に管理しなければならなかっただろう、なかなか答えが出てこない。多くの企業が中国に進出しているが、それぞれにきっと商習慣の違いの克服に大変な努力をされたことだろう。一度詳しく話を聞いてみたいと思っている。


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