月刊化学物質管理 コラム『私の含有化学物質管理』第1回 

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『私の含有化学物質管理』
第8回 EU RoHS指令あれこれ−1


河田 研(2018.8.17)

富士フイルム株式会社にて機器製品開発および環境対策推進に従事なされ、ご退職後は海外化学物質規制に関する講師を勤めていらっしゃいます。
この度は、国内・海外で実際に経験された化学物質管理リスクへの取り組みの歴史を紹介いただきます。


 RoHS指令への対応のためにどれほどの負荷をかけたことか… いま振り返って思い出している。指令施行の1年前には、1万点からの対応未確認部品があり、四苦八苦していた。 全ての部品はエクセルシートに載せ、調達先/材料名/型番/表面処理内容/リスクレベル/分析データ/保証書有無、など十数項目すべてを埋めていく。不明項目が一つでも残ると量産許可は出ない。部品調達先からは「材料メーカーに問い合わせをかけているが、RoHS規制化学物質の含有有無回答が出てこない」と言ってくる。開発メンバーで手分けして材料メーカーに電話を掛けまくり、何日もかけて問い合わせたが、最終的に確認がとれないものが1割近く残った。最後は確認がとれなかった部品を大きな倉庫に集めて、Nitton社の蛍光エックス線分析装置で分析にかけた。
 日本のいくつかの企業と技術交流させていただいたが、各企業とも必死になってRoHS指令対応を進めていた。オランダ税関での「ゲーム機のカドミウム指令違反摘発事件」が大きく影響していたと思われるが、同時にEU環境委員長の理念がこれほど世界を大きく動かすものか、と感動したのを覚えている。

 RoHS指令が施行になって1年ほど経つ頃、欧州の環境担当者とディスカッションを持った。私たちがRoHS対応のために実行したことを紹介した後、EUではどのような対応状況かを質問してみた。 「英国某メーカーの製品はRoHS指令に抵触の部品が見つかったが、対応のないまま売り続いている。英国政府系の調査では、99%の製品が99%の確率でRoHS指令対応がとられているが100%達成の製品はまだ見つからない」 この話を聞いて、日本企業との差に唖然としてしまった。日本の企業は万に1つも違反を許さない姿勢で対応を進めている。もしやRoHS指令は関税障壁では… と思ったが、これまで何万トンというオーダーで電気電子製品に入って市場に出されていた鉛だけでも計算上は1千トンレベルに減ったことになる。もしかしたら、欧州は日本よりも成熟した社会理念で動いているのかもしれない。

 量産がスタートしてみると、やはり色々な問題が出てきた。鉛フリー半田に切り替えたはずなのに、半田付けした部品から高濃度の鉛が検出された。部品を作っている工程を確認したが、確かに鉛フリー半田しか置いていない。謎のような事件だったが、作業者の話から以前使っていた半田ゴテを清掃して持ってきたが、コテ先に微量に付着していた鉛半田が鉛フリー半田に拡散したことが判明した。鉛半田の鉛濃度は50万ppmなので、微量の拡散でも数千ppmオーダーの汚染になってしまった。
 ワイヤーハーネス(ケーブルを何本かまとめて端子コネクターをつけたもの)のケーブルから鉛が検出された。製作を委託している台湾のメーカーの社長が来日する、というので管理方法を確認した。 「注文に応じ電気規格と色を確認しながらケーブルの束を選んで送り出し装置にセットし、何本かまとめて引き出しながら所定長さでカット、ケーブルの端末加工をしコネクターをつけて完成となる。RoHS対策として鉛フリーなものを選んでいる。確認方法はケーブルに鉛フリーを示すLead FreeのLFの文字だ」


図表14 ハーネス

図表14 ハーネス


図表15 ケーブルの鉛フリーマーク「LF」

図表15 ケーブルの鉛フリーマーク「LF」


 RoHS保証を示すLFの文字は小さくルーペを使わないと見えないほどのサイズで、作業者がミスをしてしまっても無理はない。コストアップになったが、図面を変更して国内のケーブルメーカー品(RoHS対応品)に限定し、その後安定した。

   メッキのクロメート処理については、六価クロム系と三価クロム系で色が異なるので、色サンプルを生産委託先の組み立て工場のあちらこちらに貼っておいてもらった。これは大きな効果をあげ、いくつもの六価クロメート処理品の混入を阻止することができた。

 「黄銅インサート(プラスチック部品に熱挿入するネジ部品)にカドミウムが含有しているとの情報がはいった。どうしたらいい?」生産委託先から緊急電話が入った。インサートメーカーから、「黄銅には不純物としてカドミウムを含有する。日本のある企業がそのことに気づき、カドミウム非含有黄銅に切り替えた。うちはどうする?」と言ってきたとのこと。
 黄銅は銅と亜鉛の合金、亜鉛は採掘時から不純物としてカドミウムを含有する。RoHS指令では不純物について一切言及していないので、カドミウムが100ppmを超えると法令違反になってしまう。
 既に数十台の組立てが完了しており、取り換えるとなると、機器分解→部品からインサートの取外し→新インサートの組み込み→機器組み立て→再検査、と大変な作業になる。インサートの初ロットと最終ロットのカドミウム濃度を測って判断することにし、精度の高い原子吸光分析に掛けた。幸いなことにいずれも80ppmレベルで、既組立品OKの判断を出した。 後日欧州の環境担当者に黄銅製品の扱いについて問い合わせたが、「欧州では気にしている企業はない」との回答だった。


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