月刊化学物質管理 コラム『私の含有化学物質管理』第1回 

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『私の含有化学物質管理』
第10回 中国RoHSとの出会い


河田 研(2018.10.16)

富士フイルム株式会社にて機器製品開発および環境対策推進に従事なされ、ご退職後は海外化学物質規制に関する講師を勤めていらっしゃいます。
この度は、国内・海外で実際に経験された化学物質管理リスクへの取り組みの歴史を紹介いただきます。


 2006 年、中国RoHS「電子情報製品汚染抑制管理弁法」の施行の1 年前、起案者の黄建忠氏が来日して説明会を開く、というので聞きに行った。黄建忠氏は60 歳近い好々爺の風貌の方で、同時通訳がついて説明してくれた。
 概要は、

 @ 規制する化学物質は「鉛、カドミウム、水銀、六価クロム、特定臭素系難燃剤2 種」。
 A 対象は電子情報製品。規制物質の含有を禁止する製品は「国家重点管理目録」で示す。
 B 規制化学物質を含有しない製品はe マーク、含有する製品は環境保護期限を示すマークを
  付けるとともに含有物質名称、含有箇所を明記した表を作成する。
 C 包材は安全なものを使用し、包材に材質マークを付ける。



 最後に「私たちはEUと同じ法律は作りません。この法律には適用除外は一切設けません」と自慢するように言った。確かに環境保護期限の明示義務や包材材質の記載義務など、EUのRoHS 指令とは違ったものになっているが、「適用除外」がないと現実にモノ作りができない。例えば高濃度鉛半田が使えないとIC が作れない、鉄やアルミに鉛添加しないと綺麗な切削加工ができない、セラミック部品に鉛添加が認められないとピエゾ素子などが作れない、など製品作りに不可欠のものがあり、EU RoHS では「適用除外」としている。
 「本当に適用除外を一切設けないのか?」と確認の質問を投げ掛けてみた。通訳が悪いのか、それとも質問の意図が理解できなかったのか、戻ってきたのは「私たちの法律には適用除外は一切ありません」と、説明時と同じ言葉。この時、この法律では「国家重点管理目録」に記載できる製品は出てこない、と直感した。同時にこの法律の意図は何か、理念はいったいどこにあるのか、疑問を持った。
 「環境保護期限マークと含有物質名称・含有箇所を明記した表作成の義務」は、多分日本版RoHS と呼ばれる「J-MOSS」(家電製品に6 物質の含有情報公開を義務付けた法)に対抗したもの。「包材は安全なものを使用し、包材に材質マークを付ける」は、欧州の包材重金属指令と日本の資源有効利用促進法を参考にして作ったもの、と思える。
 公示されると、その内容はびっくりするものだった。対象が電子情報製品という話だったが、素材、部品から、その製品の製造機、金型までが管理対象になっている。当然のことながら「国家重点管理目録」は空っぽ。
 2007 年に法律が施行されると、色々なトラブル情報が入ってきた。一番多いのが、「包材マークがついていない」と言われて通関でとめられること、次に環境保護期限マークがついているかはっきりしない、として開梱されること。海外からの荷物の通関での開梱トラブルは非常に多いようで、私自身も北京の友人に送った小包みを二度も開梱され、いずれも梱包がボロボロになった状態で届いている。


 中国の通関については、私自身は良い印象を持っていない。広州近くの街に生産委託のために何度も訪れたが、その多くは香港からジェットフェリーを利用した。3 時間ほど珠江を遡って到着したローカルな港で通関手続きを受ける。コンクリート作りの通関建屋では濃緑の制服を着た係官が4 〜 5 人立っているが、その誰もが笑顔ひとつなく、その上言葉ひとつない。荷物検査をする際も一言も発することなく、アゴで「こっちへ来い」、「荷物を開けろ」、「行ってよし」と指図する。やましいことはないのに、異常な雰囲気にひどく緊張させられたことを思い出す。


 通関で梱包を解かれる問題をどうしようか… 輸出梱包を担当する部署と相談し、「包材の材質マークが外箱で見えれば、包材マークの確認のために開梱されることはないだろう。じゃあ外箱で全包材のマークを見えるようにしよう。全包材のマークを1 枚にまとめて、外箱の3 面に貼り、どのように積まれても見えるようにしよう」という結論を出し、図のような包材マークを作った。

図表16 中国向け梱包に貼った包材マーク

図表16 中国向け梱包に貼った包材マーク


 ちょっと乱暴だとは思ったが、記載した包材を使っている/ いない、にかかわらず、全てを網羅したラベルにした。このラベルを外箱に貼って半年間、「開梱された」との報告が入ってこなかったので、何とかうまくいったように思っている。


 2012 年の改定で、規制製品をCCC認証(中国の安全環境規格認証で、中国の認証機関の審査を受ける)の対象にしようとしたが、ここでも適用除外が設定されなかったために対象製品を決めることができず、「国家重点管理目録」は空っぽのままで、その後この「電子情報製品汚染抑制管理弁法」はボツになっている。
 2016 年になって改定された。さすがに素材や金型まで含めた電子情報製品では無理があると理解したのか、「電器電子製品有害物質使用制限管理弁法」という名称に変わり、対象も家電・IT 製品を含めた内容に変わっている。2016 年7 月から施行されたのだが、ここでも適用除外項目が明示されておらず、規制物質禁止となる具体的な製品リスト「有害物質使用制限管理目録」は空っぽのまま。
 最初の中国RoHS 法から10 年経った2017 年6 月、やっと対象製品リスト案が提示された。今度は「適用除外項目を設ける」との記載があった。
 中国RoHS の法律化の目的は何だったのだろう…。中国の環境汚染の実態を考えると、EU RoHS をそのまま持ってくるのが一番だったと思うのだが…。中国の通訳から以前に聞いた「メンツを失うことが一番怖い」という言葉を思い出した。


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