セミナー：脳科学活用マーケティング（ニューロマーケティング）

講師

博士（医学） 　辻本 悟史 先生

講師紹介

■ご略歴：
　北海道大学文学部卒業後、同大学院医学研究科、および米国国立衛生研究所（NIH）にて、脳の仕組みや発達に関する基礎研究に従事。その後、神戸大学准教授、京都大学准教授として教育・研究を続けたのち、米調査会社ニールセンで、日本を含むアジア太平洋地域を中心に、コンシューマーニューロサイエンスの事業展開に幅広く寄与。2020年8月からフリーランスに。

■ご専門および得意な分野・研究：
　脳科学/認知心理学/コンシューマーニューロサイエンス/ニューロマーケティング

■本テーマ関連のご活動：
　著書：辻本 悟史 著（2015）『大人の直観vs子どもの論理』（岩波科学ライブラリー）岩波書店
　翻訳書：Moran Cerf, Manuel Garcia-Garcia（編集）, 福島誠、大須理英子、辻本悟史（翻訳）（2019）『コンシューマーニューロサイエンス: 神経科学に基づく消費者理解とマーケティングリサーチ』 共立出版
　Webメディアでの連載：https://agenda-note.com/serialization/?contents_type=226
　講演等：Jin K and Tsujimoto S (2019) Lift creative ROI with neuroscience: Tackling the future of socially-charged advertising. Spikes Asia (Singapore)
　　　　　Vythilingam R and Tsujimoto S (2018) How the brains of Thai shoppers respond to promotions. Neuromarketing World Forum (Singapore)
　　　　　Tsujimoto S (2017) Lift creative ROI and win consumers with neuroscience in the age of distraction. MRMW Asia-Pacific (Singapore)

日時・会場・受講料

●日時　2021年5月20日（木）　10:30-16:30
●会場　会場では行いません
●受講料
　【オンライン(ライブ配信)（見逃し視聴なし）】：1名47,300円(税込（消費税10％）、資料付)
　　＊1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円

　【オンライン(ライブ配信)（見逃し視聴あり）】：1名52,800円(税込（消費税10％）、資料付)
　　＊1社2名以上同時申込の場合、1名につき41,800円

　　＊学校法人割引；学生、教員のご参加は受講料50％割引。
　　　→「セミナー申込要領・手順」を確認下さい。

　●録音・撮影行為は固くお断り致します。

■ セミナーお申込手順からセミナー当日の主な流れ　→

配布資料・講師への質問等について

●配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
　（開催1週前〜前日までには送付致します）。
＊準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
（土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。）

●当日、可能な範囲で質疑応答も対応致します。
（全ての質問にお答えできない可能性もございますので、予めご容赦ください。）
●本講座で使用する資料や配信動画は著作物であり
　無断での録音・録画・複写・転載・配布・上映・販売等を禁止致します。
●受講に際しご質問・要望などございましたら、下記メールにてお問い合わせ下さい。 req@johokiko.co.jp

セミナーポイント

　消費者（人間）の意思決定や行動は、意識化・言語化できない要因にしばしば左右されます。そのため自社の商品・サービスや、それに関わる広告コミュニケーションを、しっかりと消費者に届け処理してもらうことは、とても重要かつ難しいタスクといえます。
　このタスクに対処するため、近年、商品開発やブランディング、広告コミュニケーションなどのマーケティングの諸分野で、脳の仕組みや行動原理を理解し活用しようとする動きが広まっています。しかし、現状では、誤った理解や科学的な根拠の薄い手法・解析・解釈、似非科学のような事例も多くみられ、日々の実務に脳科学を効果的に応用することは容易ではありません。
　本講座の講師は、脳波計測や視線追跡などを組み合わせて、これまでに世界 40ヶ国以上で１万件以上の調査プロジェクトを遂行し、脳科学を応用したマーケティングリサーチを幅広く展開してきました。
　本講座では、 その取り組みの背景と方法を解説し、さらに豊富な実践事例を通して、そこから明らかになってきた消費者の購買意思決定・行動過程について理解を深めることを目的とします。

○受講対象：
　・メーカーなどで、マーケティング、広告コミュニケーション、製品開発に携わっている方
　・人間の心理や行動に興味のある方
　・脳科学の応用に興味のある方

○受講後、習得できること：
　・人間の認知・意思決定・行動の概要
　・脳活動計測法の基礎知識
　・ニューロマーケティングの現状と課題、および調査のすすめ方

セミナー内容

1. はじめに
　(1) 講師の紹介
　(2) 本講座の狙いと構成

2. 消費者・顧客の認知と行動の実態
　(1) 感覚と知覚
　　�@ 知覚された世界は物理世界とは異なる：脳による解釈
　　�A 脳による世界の解釈は非常に速くかつ強固
　(2) 認知や意思決定における無意識のバイアス
　　�@ 意思決定の多くは経済学的に不合理
　　�A 直観、経験則、情動・感情の役割
　　�B 選択盲
　　�C 選択の理由はしばしば後付けで作られる
　(3) 意思決定における認知バイアスが起こるメカニズム
　　�@ 脳損傷による意思決定の変化
　　�A ソマティックマーカー仮説
　　�B 脳の構造と進化の概要

3. 脳活動およびその他の生理指標の計測・評価方法
　(1) 脳活動の計測方法
　　�@ さまざまな計測方法の概要
　　�A 機能的核磁気共鳴画像法（fMRI）
　　�B 脳波（EEG）
　　�C 近赤外線分光法（fNIRS）
　(2) その他の生理指標の計測
　　�@ バイオメトリクス
　　�A 顔面動作符号化システム（FACS）
　　�B 反応時間にもとづく方法
　(3) 各種データの評価
　　�@ データの意味やその見方
　　�A 個人差の捉え方
　　�B ノイズの見分け方
　(4) どの方法をどう組み合わせるか
　　�@ できることとできないことが目的に合致するか
　　�A 信頼性と妥当性
　　�B 何を指標（KPI）とするか

4. 応用事例の紹介
　(1) 広告・コミュニケーション
　　�@ テレビ広告の評価と改善
　　�A 店頭ディスプレイのレイアウトと表記
　(2) 製品開発
　　�@ 製品コンセプト
　　�A 製品使用体験
　　�B パッケージデザインの評価と改善
　(3) ブランディング
　　�@ ブランドポジショニング
　　�A 広告によるブランド伝達

5. ベストプラクティス
　(1) 広告コミュニケーションや店頭ディスプレイにおける習慣の活用
　(2) 処理容量の限られた脳に対する効果的な広告コミュニケーション
　(3) 記憶とブランディング
　(4) プロダクトデザインとアフォーダンス

6. 最後に
　(1) 課題と今後の展望
　(2) 結語

　　＜質疑応答＞