セミナーポイント
■講座のポイント
晶析プロセスシミュレーション(数値計算)は,一般的な晶析ソフトウェアの普及により,入力(温度プロファイルや種晶分布等)を与えれば出力(濃度トレンドや粒径分布等)を容易に得ることができます.しかし,ソフトウェアをブラックボックス的に取り扱うだけでは,晶析計算結果の解釈に限界があります.本講座では,保存則(ポピュレーションバランス,マスバランス)から冷却晶析の基礎式を導出し,さらに実測データからの個数密度や初期条件の変換方法について解説します.これから晶析プロセスシミュレーションを導入予定や計算結果の解釈をより深めたいエンジニア・研究者の一助となることを目指します.
■受講後、習得できること
・ポピュレーションバランス式,マスバランス式の理解
・冷却晶析のモデリング
・晶析実験から晶析シミュレーションへの移行
■参考書籍
晶析工学 久保田徳昭(編著)/平沢 泉(著)/小針昌則(著)東京電機大学出版局,A5判 256頁 3,000円+税 ISBN 978-4-501-63010-2 C3058

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■講演中のキーワード
晶析プロセスモデル,晶析シミュレーション,晶析計算,ポピュレーションバランス式(PBE),個数密度,粒径分布予測
セミナー内容
■講演プログラム
1.本講義の目標
2.晶析プロセスとは
・晶析の疑問点とその難しさ
・晶析プロセスモデルのコンセプト
3.冷却晶析プロセスと数式モデル
・晶析槽における保存則と速度式
・ポピュレーションバランス式(PBE)の導出
・マスバランス式(MBE)の導出
・MaCabeのΔL則
4.微分方程式
・1階常微分方程式と2階常微分方程式
・連立1階常微分方程式
・双曲型方程式(PBE)
5.モーメント法
・モーメント法によるPBEの積分変換
6.粒度分布計と結晶個数密度
・粒度分布計出力の結晶個数密度変換
7.計算例
・冷却晶析/貧溶媒晶析/結晶多形シミュレーション
8.参考文献(教科書/関係論文等)
晶析工学 久保田徳昭(編著)/平沢 泉(著)/小針昌則(著)東京電機大学出版局,A5判 256頁 3,000円+税 (ISBN 978-4-501-63010-2 C3058)
M. Kobari, N. Kubota and I. Hirasawa, Simulation of metastable zone width
and induction time for a seeded aqueous solution of potassium sulfate,
Journal of Crystal Growth, 312 (2010) 2734?2739