第114回_韓国のKC認証は中国のCCC認証に類似した制度と考えてよいのでしょうか?

韓国のKC認証(Korea Certification)と、中国のCCC認証(China Compulsory Certification)はどちらも、特定製品は国内販売・輸入前に国家が定めた安全・品質基準への適合を証明して、製品に認証マークを表示しなければならないという強制的な適合評価制度であるという点ではよく似ています。しかし、その制度設計・対象範囲・認証審査方法には多くの違いがあります。それぞれが別個の規定で、別個に認証マークをつける必要があり、互いに相互認証する仕組みはありませんので、「KC=CCC」と単純化して捉えることはできません。

KCマーク             CCCマーク

      

KCマークは韓国の国家統合認証マークです。韓国の国家標準基本法*1) に「適合性評価を受けなければならない製品等にマークを表示するよう法令に規定する場合、所管中央行政機関の長は、国家統合認証マークを導入しなければならない」(第22条の4国家統合認証マークの導入①)と定めています。かつて韓国には合計70以上の法定義務認証制度があり、同じ「製品安全」でも、省庁ごとに認証マークが異なり、重複して認証が必要だったという不便を解消するために、2009年に2省庁10個の法定義務認証マークを国家統合認証マーク(KCマーク)ひとつに統合することを定めたのです。現在は、11省庁24制度がKCマークを使用しています。*2) そのため、韓国のKCマーキングのためには、以下の11省庁24の法定義務認証制度の規定すべての適合を確認する必要があります。*3)

なお、当Q&Aの過去の記事「Q653.KCマーキング貼付に関する適合確認について」*3) も参照してください。

CCCマークは、中国の強制製品認証制度に適合を示す認証マークです。中国の強制製品認証管理規定*4) の第2条に、「国家安全保障、詐欺行為防止、人間の健康や安全の保護、動植物の生命・健康の保護、環境保護を目的に、国が定めるリスト収載製品はCCC認証を受け、認証マークを表示しなければ出荷、販売、輸入等の事業活動に使用できない」と定めています。

CCC認証制度については、中国認証認可監督管理委員会*5) のWebサイトで情報を得ることができます。例えば、ここで入手できるCCC認証が必要な製品リスト(強制製品認証⽬録*6) )には、16分野の96製品群が列記され、解説がついています。なお、当Q&Aの過去の記事「Q599.中国のCCCマークとCGPマークの相違点について」*7) も参照してください。

*1) 韓国:国家標準基本法
https://www.law.go.kr/법령/국가표준기본법

*2) 韓国:国家統合認証マーク(KC) 国家技術標準院
https://standard.go.kr/KSCI/crtfcPotIntro/crtfcMarkIntro.do

*3) TKK RoHS Q&A Q653.KCマーキング貼付に関する適合確認について
https://johokiko.co.jp/chemmaga/tkkqa0098/tkk_qa/

*4) 中国:強制製品認証管理規定
http://www.gov.cn/flfg/2009-07/21/content_1369826.htm

*5) 中国認証認可監督管理委員会
https://www.cnca.gov.cn/

*6) 中国:強制製品認証目録の説明と定義表(2023年改訂版) 国家市場監督管理総局
https://www.cnca.gov.cn/zwxx/gg/zjgg/art/2023/art_31ce43f5837d408cb2023ec693615ada.html

*7) TKK RoHS Q&A Q599.中国のCCCマークとCGPマークの相違点について
https://www.tkk-lab.jp/post/rohs-q599

免責事項:当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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