第105回_米メイン州PFAS汚染防止法の「現状避けられない用途(CUU)として認められた製品」の確認方法は?
米国メイン州のパーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質汚染を止める法律(以下、PFAS汚染防止法)に関するwebページが開設されており、禁止対象とする製品種やPFASの使用が現状避けられない用途の(Currently Unavoidable Use;以下CUU)に関する免除措置などの解説があります1)。ご質問に関しては、このwebページを定期的に確認する方法があります。現時点ではCUUの対象の設定基準規則案に関するパブコメが終了した段階で、具体的な対象については公表されていません。
PFAS汚染防止法は、2021年に制定され、2024年4月に大幅に見直しが実施されました。直近の改正により、規制対象外の拡大と報告義務をCUUに限定する修正が行われました2)3)4)。
PFAS汚染防止法の5項Fに、禁止対象となる製品種の中で特定製品に対しては現状禁止することが避けられない用途(CUU)である製品種を規制から免除する措置が設定されています。CUUは事業者が環境保護局に申請して承認を受けた製品種となっています。CUUの認定プロセスは、販売禁止事項の詳細とあわせてChapter90で規定しており、PFAS汚染法の改正に合わせた改定案が公開されました5)。現在パブコメが終了した段階です。
CUUの対象の決定方法は、Chapter90の9項に定められており、製品カテゴリーと産業セクターを組み合わせで個別に申請することを求めています。
CUUの申請時期は、適用される販売禁止の36か月前から18か月前までに行い、この期間前に申請した場合は再申請を求めています。なお、2026年に販売禁止となるカテゴリーは例外で、2025年6月1日までに申請する案となっています。申請内容は、PFASが意図的に添加される製品の説明、製品の健康・安全・社会にとって必要不可欠である説明、利用可能な代替手段などを記載する必要があります。
なお、webページに、CUUのスケジュールが紹介されています1)。
2025年春:2026年の販売禁止措置の実施に関するCUUの提案の募集
2025年夏~秋:CUUの認定方法の策定
2025年秋~冬:製造業者は2026年販売禁止対象に対するCUU製品の申請
現時点では具体的なCUU製品のリストは公開されていませんが、このページは新たな情報が利用可能になり次第更新するとしています。上記スケジュールとあわせて確認する必要があります。
1) 製品中のPFASについて(メイン州環境保護局HP)
https://www.maine.gov/dep/spills/topics/pfas/PFAS-products/index.html
2) Act To Stop Perfluoroalkyl and Polyfluoroalkyl Substances Pollution (PFAS汚染防止法)
https://www.mainelegislature.org/legis/bills/getPDF.asp?paper=HP1113&item=5&snum=130
3) Act to Support Manufacturers Whose Products Contain Perfluoroalkyl and Polyfluoroalkyl Substances(PFAS汚染防止法 改正)
https://www.mainelegislature.org/legis/bills/getPDF.asp?paper=SP0610&item=3&snum=131
4) 米国メイン州での製品中のPFAS類に対する規制
https://johokiko.co.jp/chemmaga/tkk0076/tkk/
5) Chapter 90(PFASを含む製品)改正案
https://www.maine.gov/tools/whatsnew/attach.php?id=13139124&an=2
免責事項:当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。
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