(通信教育)リチウムイオン電池の設計・製造にかかわる実務的な基礎知識の習得

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トップ通信教育講座の一覧>リチウムイオン電池 通信教育

★EV用電池など多種多様な設計・製造が存在、また電池原材料のサプライ・チェーン、製造設備の新設等の進展に伴い、その運用には「様々な専門分野知識を総合した、二次電池工学的な考え方」のスキルを有する技術者の養成が急務に!
★テキストのみでなく、各講において「フォローアップ動画」をご準備。より理解が深まります。

リチウムイオン電池

設計・製造にかかわる

実務的な基礎知識習得

~電気化学・部材および製造工程、試験評価法のポイント~

講師

泉化研(株) 代表  菅原 秀一 先生

講師ご略歴:

 呉羽化学工業(株)(現 (株)クレハ) 機能材料部技術担当部長
 三井物産(株)化学品部門プロジェクトマネージャー
 エナックス(株) 先端技術開発室プロジェクトマネージャー
 NEDO系統連携蓄電システムプロジェクト研究マネージャー
を経て現在に至る。

開講日・受講料

●開講日 2024年8月30日(申込締切 8月26日のお申込みまで)
●受講料(税込(消費税10%))
 1名 37,400円
 2名同時申込の場合 50,600円
 3名同時申込の場合 56,100円
 4名以上同時申込の場合、1名につき、18,700円


■ 通信教育講座受講の主な流れについて →

講座のポイント

○講座のポイント:
 本通信教育講座は、拡大するリチウムイオン電池の生産を背景に、電池の設計・製作と評価を担う技術者層の拡大が目的である。
 欧米における2030~2035年を目標としたガソリン車廃止とEV化、我が国においてもHEVを含む自動車の100%電動化の方針である。左記の段階において、どれだけの電池が必要とされるかは試算が難しいが、年間3,000GWhを上廻る電池生産が必要であろう。電池原材料のサプライ・チェーン、製造設備の新設等々が検討されているが、それ以上にこれらを担う技術者の育成・拡大が急務である。
 現在は一部の民生用電池は、ほぼ自動化された生産であるが、EV用など大型電池は多種多様な設計・製造が存在し、その運用には常に技術者の適切なスキルが求められる。
 経済産業省も2022年9月の段階で、「蓄電人材3万人育成」の目標を掲げており、同時に補正予算で9,000億円の電池産業への支援を行う計画である。
 1991年にSONY(株)によって創製されてリチウムイオン電池は、初期の段階ではメーカーも限られ、社内での技術伝承が開発と生産を支えていた。しかしながら上記の生産レベルにおいては、計画的な人材育成が急務である。また個々の専門分野を総合した、二次電池工学的な考え方も必要になって来た。
 本講座の主な内容は以下の第1から第3講義であるが、大学での研究とは異なり、実用第1の知識と現場対応を重視した内容である。概ね20Ahクラスの、大型電池をモデルに、電池設計の電気化学、原材料の選定と電極板の製造、充電・放電と各種の試験方法などが含まれている。

第1講:「電気化学的なポイントとセルの製作実験スキル習得」
第2講:「実用リチウムイオン電池の原材料・部材と製造工程の流れ」
第3講:「実用リチウムイオン電池の充放電試験・サイクル特性及び安全性試験法」

 それぞれの受講者は、自らの基礎となる専門があると想定されるが、例えば専門が機械の方には電池の電気化学を学んで頂き、化学の方には充放電の電流/電圧/インピーダンスの挙動を学んで頂く等、自らの専門ではない分野の知識を補完できる構成となっている。

 かなりの枚数の図表を見て、文章で理解していただく負担は大きいが、各講においてフォローアップ動画(40分~60分程度)も用意されている。質問も受け付けるので、最後の演習問題では、しばらく振りに“学生気分”も味わって頂きたい。

○受講対象および受講成果と実務:
 受講対象者は工場技術者に限ったことではなく、電池の原材料と部材の研究・開発者、電池製品の品質保証や営業担当者、電池応用製品の営業担当者など、広範囲な対象を想定した内容である。特に第3講義では安全性を含む法規制も含まれており、営業実務に不可欠な知識が習得される。
 リチウムイオン電池の技術はどんどん進歩して行くが、本講座の内容が基礎にあれば、技術進歩がどの様な意味があり、実際に役立つ進歩であるかを判断可能である。技術情報の洪水に惑わされることなく、自らの業務の方向を判断して行くことが益々重要となっている。

○フォローアップ動画について
(イントロダクション:4分程度)


→こちらより視聴いただけます。

学習プログラム

第1講:「電気化学的なポイントとセルの製作実験スキル習得」

 第Ⅰ講義では、これまでの二次電池(ニッケル水素など)とリチウムイオン電池(セル)が異なる原理・原則から構成されていることを説明し、この原則を具体化するために正負極材や電解液などから電極が構成されてゆく過程を理解していただく。
 また、製作実験スキルとして手軽で確実な実験方法も紹介し、研究→試作→製造(製品)の流れの中での評価ポイントを示していく。
 加えて、最近スマートフォン(スマホ)用電池として多く生産されている、ポリマーリチウム電池と、最近注目されている全固体リチウムイオン電池についても解説する。

*第1講開講時より1カ月間、第1講に関するフォローアップ動画を視聴いただけます。
→ こちらから動画が視聴できる環境かご確認下さい(テスト視聴動画へ)パスワード「123456」


1.電極とセルの構成
 1.1 セルの内部構造
 1.2 製品セルの実例

2.イオン伝導と電子伝導(範囲と区分)
 2.1 模式図での説明
 2.2 一桁低いイオン伝導率
 2.3 電解液の温度特性
 2.4 活物質での諸問題
 2.5 粉体加工の目的と方法
 2.6 向上と維持の難しさ

3.大きな電極面積とその実現への工夫
 3.1 実用セルからの理解
 3.2 セルの内部抵抗との関係

4.“非水溶液電解液“の謎
 4.1 化学構造と特性
 4.2 物理化学的な背景
 4.3 電解液の添加剤

5.充電、放電と電圧の範囲と端子電圧

6.やってはならない“ 過充電”
 6.1 二次電池の過充電、あれこれ対策を取って
 6.2 最終的にはレドックスシャトル
 6.3 過充電で起きること

7.知らないうちに“ 過放電”

8.Ah Wh W/kg Wh/Kg 特性比較のパラメーター
 8.1 実験室の活物質データ
 8.2 正負両極の実用セル
 8.3 充電の過程とSOC%
 8.4 放電レートとセルの容量
 8.5 エネルギー特性、パワー特性
 8.6 特性のまとめ

9.実験1 活物質(粉)の乾燥と扱い
 9.1 活物質の比重と水分
 9.2 乾燥温度と赤外線乾燥

10.実験2 溶媒NMP ほかの扱い
 10.1 NMP の脱水
 10.2 pH の測定

11.実験3 ラボでの粉体混合、乾燥
 11.1 実験装置の紹介1
 11.2 実験装置の紹介2

12.実験4 塗工と乾燥
 12.1 実験用塗工機

13.実験5 ラボ評価から実用セルまでのステップ
 13.1 実験用セル
 13.2 実験評価のステップ
 13.3 評価セル
 13.4 多極試作セル

14.ポリマーリチウム電池
 14.1 パウチ型ラミネートセル
 14.2 ポリマーリチウムイオン
 14.3 イオン伝導度の改良

15.全固体リチウムイオン電池
 15.1 二次電池の変遷
 15.2 要るもの要らないもの
 15.3 電解質溶液系のイメージ
 15.4 イオン伝導性
 15.5 種々の可能性

演習問題

第2講:「実用リチウムイオン電池の原材料・部材と製造工程の流れ」

 第Ⅱ講義では実用セルを構成する原料と部材の概要を解説し、それらが実際にどのようにセルに組み込まれて行くかを事例で示す。
 工程は前、中間、後と便宜的に区分するが、この様に長い工程における原料ロスや“不良品“の問題にも触れてみる。

*第2講開講時より1カ月間、第2講に関するフォローアップ動画を視聴いただけます。
→ こちらから動画が視聴できる環境かご確認下さい(テスト視聴動画へ)パスワード「123456」


1.実用セルの構造と構成(廻捲と積層)
 1.1 基本的な構造単位
 1.2 バイポーラーセル
 1.3 種々の内部構造
 1.4 集電の方法と外装材(函体)

2.原材料と部材の概要
 2.1 基本的な性能との関係
 2.2 安全性などとの関係
 2.3 実際のセル設計・製造
 2.4 原材料の重量構成1
 2.5 原材料の重量構成2
 2.6 Ah 容量とセルの重量

3.正極材、負極材とその変遷
 3.1 理論容量とLi の放出幅
 3.2 理論と実用の対比
 3.3 正極材の組成と放電容量
 3.4 工業製品のAh、Wh 容量
 3.5 工業製品の化学組成と容量
 3.6 粒子としての形態(モルフォロジー)
 3.7 鉄リン酸リチウム正極材
 3.8 5V 系高容量正極材
 3.9 現在の電極製造技術との関係

4.セパレーター、電解液、バインダーほか
 4.1 セパレーター(1) セルの仕様
 4.2 セパレーター(2) 材質と構造
 4.3 セパレーター(3) 自己放電
 4.4 電解液(1) 充填量
 4.5 電解液(2) 電圧との関係
 4.6 バインダー(1) 実用バインダー
 4.7 バインダー(2) 粘度
 4.8 PVDF バインダーの特性
 4.9 PVDF バインダー(2) 結晶化
 4.10 SBR バインダー(水分散体)
 4.11 正極材と水の関係
 4.12 負極材と水の関係
 4.13 炭素系負極の水系塗工
 4.14 バインダーの選択

5.実用セルの設計と“ 安全マージン”
 5.1 セルの容量と電極面積、活物質の目付量
 5.2 安全マージン
 5.3 生産用の活物質
 5.4 セルの設計手順 ステップ1,2
 5.5 設計マージンと無駄

6.製造工程の概要(全体の流れ)

7.前工程(粉体処理、塗工スラリーの調製)

8.中間工程(塗工、乾燥、極板加工)

9.後工程(セル組立、封止、充電、検査)

演習問題


*第2講参考配布資料:
 ・最近の髙容量正極材の種類と化学表記
 ・リチウムイオン電池の外形形状(外装)

第3講:「実用リチウムイオン電池の充放電試験・サイクル特性及び安全性試験法」

 これまでのⅠ、Ⅱでは原材料の特性や電池(セル)の構成など、ともかく電池を作ることにポイントがあった。
 第Ⅲ講義においては、出来上がった電池をいよいよ使う段になったとして、充放電試験とサイクル特性、安全性とその試験方法などを説明する。
 大型リチウムイオン電池の、実務的な技術参考書が少ないのでその部分も補って説明したい。

*第3講開講時より1カ月間、第3講に関するフォローアップ動画を視聴いただけます。
→ こちらから動画が視聴できる環境かご確認下さい(テスト視聴動画へ)パスワード「123456」


1.充放電試験とサイクル特性
 1.1 充放電の条件設定例
 1.2 試験項目
 1.3 充放電試験装置
 1.4 サイクル特性
 1.5 簡易な試験方法

2.安全性試験と規格の概要
 2.1 安全性試験と安全性規格
 2.2 路上走行車の電池の安全性規格(表)
 2.3 電気用品安全法改正(2008/11)と運用の改定
 2.4 EU 電池指令
 2.5 安全性試験(電気的試験)
 2.6 安全性試験(機械的試験)
 2.7 EVとPHV用リチウムイオン

3.安全性試験の実例“ くれぐれも安全に配慮して”
 3.1 安全性の基礎
 3.2 試験の性格
 3.3 Abuse test
 3.4 安全性試験の経過
 3.5 EUCAR のハザードレベル
 3.6 UNECE 安全性試験項目の概要
 3.7 安全性試験は手段である

4.セルの解体方法と解析“情報は技術の発展の為に”
 4.1 測定項目
 4.2 セルの分解ステップ
 4.3 電極板の状態

5.追補 安全性試験関係の動向
 5.1 UL 規格の改訂/拡大
 5.2 UN の試験項目
 5.3 中国のEV 用リチウムイオン電池

演習問題

*第3講参考配布資料:
 ・JIS規格の一覧と電気用品安全法の運用

セミナー番号:CP240801

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