洗浄の基礎とプロセス最適化の総合知識

～洗浄のメカニズム、トラブル対策、高品質洗浄の実現まで～

＜東京会場（対面）セミナー＞

講師

エステックC合同会社　代表　鈴木 克己 氏

＊ 希望者は講師との名刺交換が可能です

講師紹介

　横浜国立大学工学部を卒業後、二輪車メーカーを経てセイコーエプソン株式会社に入社。その後３５年、多くの製品、デバイスの生産技術開発、量産化に携わった。その際、「洗浄」に関わる課題に対応する中で実践的な「洗浄技術」を構築する。２０１９年に同社を退職後、生産技術コンサルティングのエステックC合同会社を設立、洗浄技術、光学技術を含む技術支援活動を行っている。

日時・会場・受講料

●日時
2024年7月11日（木）　10:30-16:30
2024年7月12日（金）　10:30-16:30
※途中、お昼休みと小休憩を挟みます。

●会場　[東京・京急蒲田]大田区産業プラザ（PiO）　6階C会議室　→「セミナー会場へのアクセス」

●受講料

【2日間参加】※おすすめ！
1名66,000円(税込（消費税10％）、資料付)
　＊1社2名以上同時申込の場合、1名につき55,000円
　＊1日目／2日目で同所属の違う方が参加でも可。その場合、参加される方のお名前を備考欄に記載ください。

【1日のみ参加】
1名44,000円(税込（消費税8％）、資料付)
　＊1社2名以上同時申込の場合、1名につき33,000円

　※会場での昼食の提供サービスは中止しております。
　＊学校法人割引；学生、教員のご参加は受講料50％割引。→「セミナー申込要領・手順」を確認下さい。

　●録音・撮影行為は固くお断り致します。
　●講義中の携帯電話の使用はご遠慮下さい。
　●講義中のパソコン使用は、講義の支障や他の方の迷惑となる場合がありますので、極力お控え下さい。
　　場合により、使用をお断りすることがございますので、予めご了承下さい。
　　＊ＰＣ実習講座を除きます。

■ セミナーお申込手順からセミナー当日の主な流れ　→

セミナー開催にあたって

■はじめに：
　洗浄ではいくつもの段階を経て汚れを除去していきますが、機械加工などと異なりその段階が目で見えないため、洗浄不良が発生した時にどうすればよいか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。本セミナーでは知識だけでなく、なぜそうなるのかという洗浄のメカニズムを理解いただくことで洗浄工程の改善にも自ら対応できるようになっていただければと考えています。
　１日目の基礎編では湿式洗浄の基礎について例を示しながらわかりやすく説明するとともに、生産トラブルにも焦点を当て、現場でできる簡易評価方法や管理方法、洗浄不良への対応方法を説明いたします。また超音波やウルトラファインバブル洗浄、洗浄評価等の実演も行いますのでより理解を深めていただけると思います。
　２日目の応用編では湿式洗浄のメカニズムを詳しく説明します。洗浄液の中では、濡れや剥離、再付着防止などのいくつもの作用があって汚れが除去されていきますが、これらをなるべく数値で評価します。例えばエクセルを使っての再付着防止のDLVOシミュレーション（エクセルは事前配布します）や、ハンセン溶解度パラメーターを活用した具体的な洗浄液の選定や調整方法について実演を含めながら説明いたします。また乾式洗浄のメカニズムについても説明いたします。

■受講対象者：
・洗浄工程を含む開発、生産技術、製造に携わる方
・電子部品・精密部品・光学部品製造、関係企業の方
・洗浄剤、洗浄装置、洗浄機器、洗浄治具など洗浄産業に関わる方

■必要な予備知識：
高校レベルの物理、化学の知識

■本セミナーで習得できること：
・湿式・乾式の洗浄の基礎
・湿式・乾式の洗浄工程のメカニズムがわかる
・洗浄不良への対応方法がわかる
など

セミナー内容

【基礎編：1日目】
１．湿式洗浄の基礎
　1）汚れの除去メカニズム：５つの基本工程と３つの分離メカニズムで洗浄します
　2）水系洗浄と洗浄剤
　3）準水系洗浄、非水系洗浄、エマルジョン洗浄と洗浄剤
　4）市販洗浄液選定方法の例
　5）防錆

２．湿式洗浄装置と洗浄治具
　1）洗浄装置の構成
　2）超音波洗浄のメカニズムと注意点【実演あり】
　3）その他の洗浄強化方法：スクラブ、二流体シャワー、ジェットスプレー等
　4）洗浄治具の種類と注意点

３．洗浄不良の例と対策、不良発生時の対処方法
　1）アルカリ洗浄液管理起因の不良
　2）純水起因の不良
　3）超音波起因の不良　
　4）乾燥起因の不良
　5）洗浄後や後工程での錆不良
　6）不良発生時の陥りがちな行動と正しい行動

４．現場でできる簡易の品質評価方法 【実演あり】
　1）製品の評価
　2）洗浄液の評価
　3）純水の評価
　4）超音波の評価

５．その他の湿式洗浄液と効果
　1）電解還元水/酸性水
　2）ウルトラファインバブル 【実演あり】
　3）機能水（オゾン水、等）

【応用編：2日目】

１．湿式洗浄の除去メカニズム
　1）５つの基本工程と３つの分離メカニズム
　　a．濡れ
　　b．分離
　　　・剥離、エッチング
　　　・溶解
　　　・分解
　　c．再付着防止・分散
　　d．排出（リンス）
　　e．乾燥
　2）水系洗浄
　　a．洗浄剤について
　　　・界面活性剤と酸、アルカリの働き
　　　・DLVO理論による汚れ再付着防止
　　　・電位 - pH図 応用によるエッチング剥離
　　b．排出（リンス）
　　　・PIV応用による排出効率向上
　　c．乾燥、除電
　3）準水系洗浄、非水系洗浄、エマルジョン洗浄
　　a．洗浄剤について
　　　・ハンセン溶解度パラメーター応用による洗浄溶剤選定
　　b．排出（リンス）
　　c．乾燥、除電
　4） 市販洗浄液選定方法の例

２．乾式洗浄の除去メカニズム
　1）プラズマ洗浄
　2）UV洗浄、オゾン洗浄
　3）レーザー洗浄
　4）アイス洗浄、ドライアイス洗浄、エアロゾル洗浄
　5）コロナ、光による除電

３．（乾式+湿式）洗浄の除去メカニズム

４．洗浄不良と対策
　1）洗浄液選定起因の不良
　2）同一洗浄液での異材質混合流動起因の不良

５．高品質洗浄への取り組み
　1）５つの基本工程の評価と改善（濡れ、分離、再付着防止、排出、乾燥）
　　実演：エクセルによる再付着防止シミュレーション（ソフトは事前配布します）。
　　　　　　ハンセン溶解度パラメーターによる洗浄液の選定
　2）超音波洗浄の改善
　3）特殊形状の製品の洗浄
　4）洗浄コスト削減のために

＜質疑応答＞