第13回_PPWRの適合宣言は自己宣言として認められる?
包装および包装廃棄物規則(PPWR)の適合宣言は自己宣言で認められるのでしょうか。適合宣言書、技術文書はEUの日本駐在調査機関で認定されたものを使用しなければならないということになるのでしょうか。
はい、原則として(内部生産管理モジュールAによる)自己宣言で認められます。PPWR(*1)の適合宣言は、第39条に基づき、附属書VIIに規定された手続きによる適合性評価を要求しています。ここで要求している手続きは「モジュールA(内部生産管理)」と呼ばれるものであり、内容は製造者による自己宣言となります。PPWRはニューアプローチのうちの一つです。モジュールAとして、製造者が自らの責任で技術文書を作成し、要件への適合を宣言するものであり、外部の例えば第三者機関(EUの日本駐在調査機関)等の認定を要するものではありません。貴社はPPWR附属書VIIに基づき自社で適正に技術文書および、附属書VIIIに基づき自社で適合宣言書を作成し管理・更新していくことが求められることになります。
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◆PPWRの要件と技術文書
PPWRはその適合性を評価すべき包装の満たすべき要件として第5条~第12条を規定しています。第5条~第12条をあげていくと以下の内容となります。
第5条 包装中の物質に関する要件
第6条 リサイクル可能な包装
第7条 プラスチック包装における最小リサイクル含有量
第8条 プラスチック包装におけるバイオベースの原料
第9条 堆肥化可能な包装
第10条 包装の最小化
第11条 再利用可能な包装
第12条 包装のラベル表示
現時点(2026年7月)では適用日が確定していない内容も含まれていますので注意が必要です。例えば、第7条のプラスチック包装における最小リサイクル含有量については、2030年1月1日または2026年12月31日までに制定を予定する実施法の施行日から3年後のいずれか遅い日から適用が開始されると記載されており、現状では適用されない内容となります。このような注意点を踏まえつつ、第5条~第12条の要件を満たしていることを示す技術文書を作成することが義務付けられています。現時点では、「一般適用開始日(2026年8月12日)」の直前にあたりますが、少なくとも日本企業で電気電子機器メーカーを例にとると、以下の条文に対応しておくべきと考えます。
1.有害物質の制限(第5条)
(i)重金属規制: 鉛、カドミウム、水銀、六価クロムの合計濃度が 100 mg/kg 以下であること。(REACH規則 附属書XVII関係)
2.包装の最小化(第10条)
(i)包装の重量、容積、層の数が、その機能(保護、輸送等)を維持するために必要な最小限であることを証明する必要があります。
(ii)2026年8月12日以降は、空隙率(中身と外箱の隙間)の制限(eコマース等で最大50%)などの遵守が求められます。
3.適合性評価の手続き(第39条・附属書VII)
(i)自社で適合性評価(内部生産管理)を行い、技術文書を作成する必要があります。この文書には、設計図、材料の構成、上記の有害物質試験結果などが含まれます。
貴社が製造者の場合、製造過程およびその監視状況が、製造された包装が技術文書および上記に記載された要件に適合しているように措置を講じる必要があり、適切な措置をとることで、自社製品がPPWRに適合していることを担保することになります。適合性評価手続きについて記載したPPWR附属書Ⅶは、技術文書の認定や認証を受けるという規定は見当たらず、自己の責任において確認しEU適合宣言をするという内容となりますので、ご質問のEUの日本駐在調査機関による認定に関しては不要と考えられます。
なお、技術文書や適合宣言書は製品が販売される市場であるEU加盟国の求める言語で提供する必要があります。また、製造者は適合宣言を包装タイプごとに作成し、使い捨て包装は市場に出てから5年間、再利用可能な包装が市場に出てから10年間、利用可能な技術文書とともに保管する義務があることにも留意しておく必要があります。
【参考URL】
(*1)EC PPWR((EU) 2025/40)
https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2025/40
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