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書籍 共感を呼ぶ商品づくりのための『感性価値』の開発

共感を呼ぶ商品づくりのための

『感性価値』の開発


著者

株式会社日本オリエンテーション SDP研究所 客員主席研究員  高橋 正二郎 先生

発刊・体裁・価格

発刊  2013年6月20日  定価  33,000円 (税込(消費税10%))
体裁  B5判 157ページ  ISBN 978-4-86502-028-1   →詳細、申込方法はこちらを参照

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共感を呼ぶ商品づくりのための『感性価値』の開発 書籍

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著者より

 美味しい味、素敵な香り、気持ちの良い感触に代表される感性価値の溢れる商品づくりはどうしたらできるか。商品の持つ感性価値は日常生活の中でごく自然に感じられ、商品のもつ感性価値を気楽に感じ楽しむことができます。ところが、いざ仕事の場で感性価値をつくり出そうとすると意外な苦戦を強いられることがあります。それは、感性価値が暗黙知なりやすく、扱える関係者も限られてしまい、社内の衆知を反映することが難しい実情があります。その克服のためには、感性価値を客観的に記述する道具と議論をする道具が必要です。この道具が官能評価を進化させた創造的官能評価によるQDA(Quantitative Descriptive Analysis Method:定量的特性描写法)で、感性価値を定量的に記述ができ、視覚的な展開を可能にします。また、道具は使い方次第では成果が見込めないこともあり、QDAは常にマーケティングの視点から使い込むことが必須です。すなわち、お客さまの欲する感性価値の取り込み、その感性価値の商品への具体的な実装、さらに共感を呼ぶ訴求展開などに連動させる必要があります。パソコンにたとえれば、マーケティングというOSの上で、創造的官能評価というアプリを動かすことになります。この道具づくりから、道具の使い方までを活用して感性価値をつくり上げる一連の工程を、SDP(Sensory Design Program)と言い、これこそが本著の内容そのものです。

本書のポイント

○感性価値開発に特化した創造的官能評価の考え方とは?
○官能評価を視覚化・定量化させるQDA法の考え方および分析・評価のポイント!
○商品開発・評価に生かすための感性価値の解析手法とは?

・商品価値の構造を考えると、価値の全体は実質価値・感性価値・記号価値から成り立っており、食品であれば『空腹を満たす』・『栄養を摂取する』事が実質価値であり、「おいしい」味覚や香り、歯触り等が感性価値であり、ブランド価値や有名店の料理の味といったありがたさが記号価値となる。
 貴重な記号価値のもとは「おいしさ」・感性価値であり、また、「栄養摂取」や「空腹を満たす事」・実質価値をよりよく見せる役割を担っている。感性価値は商品の総合価値を高める極めて重要な要素になっている。 

・商品のブランド化・商品価値向上に寄与する感性価値と官能評価の関係とは?

・官能評価手法のQDA法における評価尺度や評価言語選定のポイントとは?

・QDA法における分析・解析・統計手法について

・市場分析と顧客の分析のための官能評価の活用手法とは?

・商品企画・開発における感性価値を利用した評価のポイントについて

・感性価値開発工程を示すSDPとはどのようなものか?

・感性価値を踏まえた商品の市場投入における訴求ポイントの分析と構築とは?

目次

第1章 感性価値とは
1.商品にみる感性価値とSDP(Sensory Design Program)のススメ
2.感性価値開発への第一歩
3.ツールとしてのQDA
4.感性を扱う官能評価に対する誤解や曲解
5.昭和型官能検査と平成型官能開発
6.日本人の感性と感性価値
7.メーカーの価値創造活動

第2章 商品開発再考
1.買っていただける商品の再考
 1.1 商品力の三角形
 1.2 コンセプトの三角形
 1.3 機能と効用
2.総合価値の最大化やリピートにつながる感性価値
 2.1 感性価値の構造と総合価値の最大化
 2.2 リピートに直結する感性価値
 2.3 実質的効用と感覚的効用の補完関係、および効用の進化
3.感性価値の商品への取り込み
 3.1 思いをことばに、ことばをかたちに
 3.2 SH変換:コンセプトを商品仕様に展開
 3.3 感性価値の商品への取り込み

第3章 感性価値の記述、評価、創造のツールとその応用
1.感性価値を記述する官能評価の現状
 1.1 官能評価の保障や当てっこの現状
 1.2 秘められた高い能力と創造的活用
2.創造型QDAの言葉、尺度
 2.1 ソムリエの言葉、ブレンダーの言葉
 2.2 創造型QDAの言葉
  2.2.1 言葉の分化
  2.2.2 官能変数の定義
  2.2.3 階層化と中間の言葉
 2.3QDAの尺度構成
  2.3.1 尺度の原理:分ける、順序づける、距離をとる
  2.3.2 4つの尺度
    (1)分類尺度
    (2)順序尺度
    (3)距離尺度
    (4)比例尺度
  2.3.3 実用的尺度の作り方
  2.3.4 シェッフェの一対比較法による尺度構成
3.QDA作成の実際
 3.1 QDA作成の手ほどき
    (1)官能評価の三種の神器
    (2)質問票
    (3)官能検査室
    (4)パネル(官能検査員)
 3.2 目的別のQDA作成の実際
    (1)生産された製品の検査としての官能評価
    (2)開発途上の試作品の官能評価
    (3)市場を把握するための自他社品による官能評価
4.QDAの創造的活用
 4.1 感性価値の記述展開
 4.2 2品ずつのQDA
 4.3 2軸分析
  4.3.1 散布図の見方
  4.3.2 2軸分析の読み込み
 4.4 多変量解析
 4.5 時系列分析
5.2つの官能評価
 5.1 嗜好型官能評価

第4章 感性価値の『集・創・伝』の体系
1.顧客が欲する感性価値の把握【集】
 1.1 翻訳の必要な顧客の言葉
  1.1.1 お客さま語とメーカー語、社内方言
  1.1.2 思いの伝わり難い商品とその対応策例
  1.1.3 香りや視覚イメージを表わす官能変数
  1.1.4 海外での調査のための翻訳
  1.1.5 反省を生かすチャンス到来
  1.1.6 官能用語(官能変数)の階層構造と使途
 1.2 顧客の感性価値の感じ方と嗜好
  1.2.1 QDAによる市場分析
  1.2.2 分析の第一歩:2軸分析
  1.2.3 多変量解析の応用
 1.3 Ⅱ型官能評価(分析型官能評価)
  1.3.1 テスト計画の立て方
  1.3.2 テスト運営
  1.3.3 専門パネルと消費者パネルの結果について
  1.3.4 データの分析
  1.3.5 専門パネルの言葉と消費者の言葉とスリ合わせ
2.商品へ込める感性価値の設計【創】
  2.1 QDAによる設計の検討
  2.2 感性価値の具体的設計例
  2.3 QDAの制作における注意
  2.4 QDAによる設計情報記述のドキュメント
3.顧客の第一感を重視した訴求【伝】
 3.1 共感訴求
 3.2 共感訴求のもとは実感
 3.3 実質的効用への感性的効用による訴求力のサポート
 3.4 攻撃型価値と守備的価値
 3.5 見識の補強(重要度、満足度の調査)
 3.6 重視度×満足度の2次元分析

第5章 評価系の併設
1.商品開発の評価体系
 1.1 開発のバリューチェーンと経営資源
 1.2 推進系と評価系
 1.3 感性価値の開発における段階別の評価
2.商品企画におけるコンセプトの受容の評価
 2.1 コンセプトの評価
 2.2 コンセプト・テストの実施要領
3.商品の設計における満足の評価
 3.1 使って満足の確認テスト
 3.2 テストの実施要領
 3.3 実効の向上と迅速化の工夫
4.マーケティングを支援する商品力評価
 4.1 発売への事前テスト
 4.2 マーケティング展開支援情報の開発
 4.3 発売後の評価
5.評価の体系化

第6章 感性価値の再開発と訴求戦略
1. 市場に出てからの感性価値情報の構築
2.「できちゃった商品」の情報再開発と訴求展開
 2.1 QDAの創造的活用による情報開発
 2.2 QDAの戦略的書き換えと評価解釈

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