発刊・体裁・価格
発刊 2019年12月23日 定価 60,500円 (税込(消費税10%))
体裁 B5判 278ページ ISBN 978-4-86502-180-6 →詳細、申込方法はこちらを参照
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本書のポイント
◎創薬スクリーニングにおける技術や開発事例の情報満載
◎低分子医薬品・バイオ・抗体医薬品などの創薬スクリーニング技術手法と事例を掲載
◎ライブラリー開発やiPS細胞を利用した安全性評価、トランスクリプトームデータ応用、
ドラッグリポジショニング等の関連技術開発も解説
◎日本だけでなく米国での現在のスクリーニング技術のトピックスも紹介
☆化合物ライブラリーとスクリーニングの関係とは?
☆化合物スクリーニングの効率化をどう考えるべきか?
☆微生物由来天然物のスクリーニングの方法論は?
◎低分子スクリーニング用化合物ライブラリをどのように設計していくのか?
化合物ライブラリサイズ/メンテナンス/追加す化合物/除外する化合物
◎フラグメント創薬(FBDD)の研究開発の課題は何か?
構築/検出・排除/高難易度ターゲットへの展開
〇バイオ・抗体医薬品における糖鎖構造解析どのように行うか?
〇バイオ抗体医薬品開発でどのようなスクリーニング手法があるか?
cDNAディスプレイ法/In vitro virus (IVV)法/ファージディスプレイ法について
●最新のスクリーニング技術開発の現状と課題は何か?
バーチャルスクリーニング/AI利用/次世代ゼブラフィッシュ創薬
●スクリーニングに使用される機器の現状とどのように使用されているか?
ハイコンテントスクリーニング機器/FDSSを用いたハイスループット薬効薬理評価
●最新創薬技術開発における方法とはどのようなものか?
ターゲットバリデーション/ドラッグリポジショニング/トランスレーショナル研究
◇米国における創薬スクリーニング研究のトピックスにどのようなものがあるか?
執筆者一覧(敬称略)
浅井 章良 静岡県立大学
狩野 弘樹 田辺三菱製薬(株)
児嶋 栄一 塩野義製薬(株)
立花 裕樹 塩野義製薬(株)
矢木 宏和 名古屋市立学大学院
加藤 晃一 自然科学研究機構
鈴木 武尊 埼玉大学大学院
根本 直人 埼玉大学大学院
柳川 弘志 IDACセラノスティクス(株)
田畠 典子 IDACセラノスティクス(株)
橋口 周平 鹿児島大学
堀本 勝久 ソシウム(株)
芹沢 貴之 旭化成ファーマ(株)
田中 利男 三重大学
塩田 良 (株)パーキンエルマージャパン
久田 素 浜松ホトニクス(株)
林 邦忠 大阪大学大学院
布村 一人 大阪大学大学院
佐々木 勉 大阪大学大学院
鈴木 郁郎 東北工業大学
馬場 敦 東京大学大学院
長野 一也 大阪大学大学院
東阪 和馬 大阪大学大学院
辻野 博文 大阪大学大学院
角田 慎一 神戸学院大学
堤 康央 大阪大学大学院
樽井 直樹 (株)SEEDSUPPLY
水島 徹 (株)LTTバイオファーマ
新家 一男 産業技術総合研究所
千葉 健治 田辺三菱製薬(株)
石田 誠一 国立医薬品食品衛生研究所
清澤 直樹 第一三共(株)
堀 浩一郎 日本たばこ産業(株)
山口 雅也 Pfizer Inc.
目次
第1章 創薬における化合物ライブラリーとスクリーニングの関係と概要
1.化合物ライブラリーとドラッグライクネス
2.創薬標的とドラッガビリティ
3.ドラッガライクな化合物とドラッガブルな表記とのインターフェース
第2章 化学合成医薬品における創薬・スクリーニング技術開発
第1節 低分子スクリーニング用化合物ライブラリの設計戦略
1.ライブラリ設計の時代変遷と考察
1.1 1990年代~2000年代前半:化合物ライブラリ設計の基礎
1.2 2000年代中盤~2010年代前半:Leadlike 再考の時代
1.3 2010年代以降:オープンイノベーションと分子量500以上への拡大
2.化合物ライブラリ構築戦略:Actelion社のケーススタディを元に
2.1 化合物ライブラリサイズ
2.2 化合物ライブラリのメンテナンス
2.3 新規に追加する化合物
2.4 スクリーニングコレクションから除外する化合物
第2節 フラグメント創薬(FBDD)の研究開発の概要と現状について
1.FBDDの特徴と課題
2.FBDD課題に対する現状の取り組み
2.1 多様性のあるフラグメントライブラリの構築
2.2 弱い活性(総合親和性)の検出と偽陽性の排除
2.3 弱い活性(結合親和性)の化合物から活性を向上させる手法
3.高難易度ターゲットへの展開(Bcl-2の例:Venetoclaxの創成)
第3章 バイオ・抗体医薬品医薬品の創薬における関連技術開発
第1節 バイオ・抗体医薬品における糖鎖解析技術
1. 糖鎖分析の概要
2. 糖タンパク質から切り出した糖鎖の解析
2.1. 糖鎖の切り出し
2.2. 糖鎖の蛍光標識
2.3. 糖鎖の分離
2.4. HPLCおよびCEによる糖鎖構造の同定
2.5. 質量分析
2.6. 単糖分析
3.糖ペプチドの解析
4.糖タンパク質丸ごとの解析
5.HPLCを利用したIgGの糖鎖構造解析
6.バイオ・抗体医薬品における糖鎖構造解析の展望
第2節 創薬における各スクリーニング手法
第1項 cDNAディスプレイ法
1.無細胞ディスプレイとしてのcDNAディスプレイ法-他の無細胞ディスプレイはどこが異なるか-
2.cDNAディスプレイ法の技術的特徴
3.cDNAディスプレイ法ではどのような分子スクリーニングが可能か
4.cDNAディスプレイ法によるスクリーニングの実際
4.1 非特異反応
4.2 スクリーニング条件の設定
4.3 PCRバイアス
第2項 In vitro virus (IVV)法
1.IVV法とは
2.ハイスループットなIVV法
3.IVV法の特徴
4.タンパク質間相互作用の大規模解析からの機能性ペプチドモチーフの抽出
5.タンパク質間相互作用を阻害するペプチド医薬の創成
6.IVV法に依る抗体の試験管内進化
7.低分子薬剤のターゲット探索と作用機序
8.ペプチドブロックを組み合わせて新しい機能を持った小分子のタンパク質を創る
第3項 創薬スクリーニングにおけるファージディスプレイ法について
1.ファージディスプレイ法
1.1 ファージディスプレイ法に用いるファージの種類
1.2 ファージベクターとファージミド
1.3 ファージ以外のディスプレイ系
2.抗体ファージライブラリの種類
2.1 免疫ライブラリ
2.2 ナイーブライブラリ(非免疫ライブラリ)
2.3 合成ライブラリ
2.4 抗体ファージライブラリの構築
3.バンニング
3.1 バンニングの流れ
3.2 総合ファージ選別における条件等について
3.3 スクリーニング
3.4 抗体ファージの特徴
4.変異体ライブラリを利用した分子進化
第4章 スクリーニング技術開発事例
第1節 分子変動情報を活用したバーチャルスクリーニング
1.分子変動情報バーチャルスクリーニングのコンセプト
2.分子変動情報バーチャルスクリーニングのワークフロー
2.1 化合物薬効に関与する分子群の特定
2.2 薬効未知化合物と類似分子変動パターンを示す既存薬及び適応疾患の推定
3.適応疾患推定の実施例
3.1 問題設定
3.2 解析
3.3 考察
4.分子変動情報バーチャルスクリーニングの長所と欠点
第2節 創薬におけるAI利用の考え方と課題
1.なぜAI利用に期待が集まっているのか。
2.創薬研究におけるスクリーニングからリード探索での活用事例
3.自社プロジェクトでの活用事例
4.現状の課題
第3節 次世代ゼブラフィッシュ創薬スクリーニングとプレシジョンメディシン
1.ゲノム創薬からフェノミクス創薬へのパラダイムシフト
2.ゼブラフィッシュ創薬の急激な国際的発展
3.次世代ゼブラフィッシュ創薬への技術イノベーション
4.がんプレシジョンメディシンの急速な国際的展開
5.がんプレシジョンメディシンのための患者がん移植ゼブラフィッシュモデル(PDXZ)によるスクリーニング
第5章 創薬スクリーニング関連機器・装置
第1節 創薬におけるハイコンテントスクリーニング(HCS)機器の概要
1.創薬におけるHCS機器の変遷
2.HCS機器の概要
3.HCS機器のトレンド
第2節 FDSSを用いたハイスループット薬効薬理評価
1.ハイスループットスクリーニング(HTS)の最近の進展と課題
2.HTSに用いられる、最近のカルシウム感受性蛍光色素と膜電位色素
3.FDSSを用いた早期心筋毒性評価の試み
4.FDSSを用いた痙攣・癇癪副作用予測への試み
5.FDSSを用いた疾患特異的ヒトiPS細胞を活用した創薬スクリーニング
第3節 MEA計測による安全性評価・スクリーニング応用
第1項 MEAを用いたin vitro神経領域における応用
1.培養神経ネットワークにおける微小電極アレイ(MEA)計測法
2.RodentおよびヒトiPS細胞由来中枢神経ネットワークにおける薬剤応答
第2項 心筋領域における応用
1.心筋領域の安全性評価におけるMEA測定装置の利用
2.iPSC由来心筋細胞を利用したMEA測定
3.iPSC由来心筋細胞を利用したMEA測定の実行
第6章 標的たんぱく質の同定における手法と考え方
1.疾患プロテオミクス研究への期待とか会い
2.抗体プロテオミクス技術
3.抗体プロテオミクス技術を活用した創薬バイオマーカーたんぱく質の探索と評価
第7章 創薬におけるターゲットバリデーションの考え方
1.創薬プロセスの逆転
2.逆転プロセスへのデータベースの活用
3.結合化合物のスクリーニング
4.フェノタイプからのターゲットバリデーション
5.ターゲットバリデーション-難問への挑戦-
第8章 創薬におけるドラッグリポジショニング(DR)の考え方
1.DRの背景と概要
2.DRのメリットと方法
3.既承認薬ライブラリーを用いたDR
第9章 微生物由来天然物のスクリーニングを行うためのポイント
1.天然物スクリーニングに適したアッセイ系の構築
2.ヒットサンプル選抜
3.活性物質の単利・精製、同定
第10章 アカデミアとの創薬共同研究におけるポイント
1.創薬研究におけるアカデミアとの共同研究の重要性
2.アカデミアとの共同研究における役割分担
3.アカデミアとの共同研究の事例
4.アカデミアとの創薬共同研究の利点と留意点
第11章 探索段階における細胞を利用した安全評価におけるポイント
1.細胞を利用した安全性評価に求められるもの
2.細胞を利用した安全性評価における新技術
3.細胞を利用した安全性評価の社会的受容
第12章 患者データを利用した創薬トランスレーショナル研究の考え方
1.患者データを利用した創薬トランスレーションル研究
2.公共トランスクリプトームデータの活用
第13章 化合物スクリーニングの効率化への取り組み
~化合物の構造Framework情報を用いたPilot Plateの構築とサブセットスクリーニング
1.Frameworkについて
2.Pilot Plateの設計
3.サブセットスクリーニング
第14章 米国における創薬研究の現状
1.DNA encoded library (DEL) screening
2.Affinity Selection Mass Spectrometry (ASMS) Screening
3.Fragment based drug discovery
4.Phenotypic screening