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本書のポイント
★長年、クリールームに携わった著者の経験による清浄度管理のノウハウをこの1冊に集約!
☆クリールームに関わる重要用語・内容に触れつつよくある誤解を解きほぐしながら「こういうことだったのか!」という気付きを促す。
★国内外の各種関連規格および規制の状況もふまえたクリーンルームの清浄度維持・管理の対策・改善事例を解説。
☆付属の演習問題を解くことで、より本質的な理解が進む。
著者
クリーン化技術エンジニア 水谷 旬 氏 【著者紹介】
■職歴:
1980年代より、主にクリーンルームに関する研究・開発に従事。
長年の成果品の情報整備と活用、技術営業、社内外教育、社内教育プログラム設計、社内プレゼンテーション講師、学協会活動、講演、執筆、通信教育(社外)、知的財産権管理等を行ってきた。
「ISO/TC国内委員会委員(日本空気清浄協会)」「JIS B 9920 改正原案作成委員会 本委員会委員」、「クリーンテクノロジー」誌 編集委員等をご歴任
■ご受賞歴(クリーン化技術分野にて)
2019年6月 日本空気清浄協会(JACA)より感謝状を受賞。1991年から30年間。ISO規格・JIS規格・JACA指針などの制定に携わったことに対して授与。
発刊・体裁・価格
発刊 2025年1月末予定 定価 46,200円 (税込(消費税10%))
体裁 B5判 約327ページ ISBN 978-4-86502-280-3 →詳細、申込方法はこちらを参照
書籍の概要
第 1 部 (第 1 章~第 5 章) クリーンルームの一般知識と実情
ここではクリーンルーム(以下、CR)に関する重要な定義・用語・内容に触れつつ、よくある誤解を解き、「こういうことだったのか!」という気付きを促す。
“ 清浄度 ” について確認し、その清浄度に対する要望 “ 必要な場所(エリア)に、過不足のない清浄度レベルで ” の意義について考えてみる。
なおかつ、CR 内の気流・塵埃の実状(気流の流れ、汚染物質、その拡散等)の再認識を行う。
ここで記した内容は、それ以降に続く内容をより深く理解し、応用につなげてゆくための基本的な事柄である。
第 2 部(第 6 章~第 8 章) 作業員の管理と教育、CR の清掃、国内外関連規格の最新動向
CR 内の製品や対象物を清浄に保つためには、作業者側の努力も欠かせない。その中でも特に、知られていない、あるいは認識されていないのが、作業者に起因する汚染である。作業者からの発塵機構の各論と総括、及び清浄化に関連する重要なコツを幾つも与えて解説する。それらに基づき、製品の歩留まり(良品率)を向上させよう。
なお、この部分では、CR の清掃、関連規格の最新動向にも言及する。
第 3 部(第 9 章~第 10 章) 局所高清浄度域の確保と維持、クリーン化への指針(対策)、改善事例、その他
製品や対象物を汚染物質から守るための「清浄な環境の創り方と維持管理」はどのようにすればいいのだろうか?それを、省コストで簡便に行う方法は? その内容にアプローチする。対策・改善事例についても言及する。
最後に、参考文献及び演習問題を掲げる。
(【まえがき】より抜粋)
目次
第 1 部 クリーンルームの一般知識と実情
はじめに
第 1 章 清浄度の再確認、及び誤解の解消
1. クリーンルーム(CR)とは
2. CR の特徴
2.1 制御対象領域の大きさ
2.2 一般室との幾つかの違い
3. 清浄度のイメージと定義
4. 清浄度の均一さとは?
第 2 章 CR の種類の再確認
1. 用途による分類
2. 気流の流れによる分類
(1)一方向流型 CR
(2)非一方向流型 CR
3. 構造の違いによる分類
(1)ボールルーム方式
(2)ベイ方式
(3)局所方式
第 3 章 CR 内の汚染物質の再確認
第 4 章 CR 内の気流の実状
1. CR 内の気流の流れ
2. 模擬製造装置廻りの気流
第 5 章 CR 内の汚染物質の実状
1. 塵埃(含、液滴)の性質
1.1 停止距離(stopping distance)
1.2 終末沈降速度(terminal settling velocity)
1.3 ミスト(液滴)について
2. ケミカル汚染物質の性質
2.1 概要
2.2 ケミカル汚染物質について調べる意義
2.3 ケミカル汚染物質の分類、代表例、濃度、表記方法など
(a)浮遊分子状汚染物質 AMCs の分類、代表例、濃度、表記方法など
(b)表面分子状汚染物質 SMCs の分類、代表例、濃度、表記方法など
2.4 ケミカル汚染物質よる悪影響
2.5 ケミカル汚染物質の拡散
3. 微生物の性質
3.1 微生物とは
(1)ウイルス
(2)細菌
(3)真菌
3.2 真菌による悪影響
(1)感染症
(2)汚染、腐敗
3.3 アレルゲン
3.4 関連規格
(1)PIC/S(EU)-GMP(表 7)
(2)GMP(Good Manufacturing Practice(s))について
(3)【参考】FDA GMP(cGMP)
(4)【参考】WHO(World Health Organization:世界保健機関)-GMP
(5)日本薬局方
(イ)第十六改正 日本薬局方(2011.3.24)
(ロ)第十七改正 日本薬局方(2016.3.7)
(ハ)第十八改正 日本薬局方(2021.6.7)
(6)HEAS-02
(イ)HEAS-02-2004(2004)
(ロ)HEAS-02-2013(2013)
(ハ)HEAS-02-2022(2022)
(7)日本建築学会環境基準 AIJES(AIJES = Architectural Institute of Japan Environmental Standard)
(イ)AIJES-G0001 環境基準の分類と位置づけ、環境基準総則
(ロ)AIJES-A0002 微生物による室内空気汚染に関する設計・維持管理規準・同解説
(ハ)AIJES-A0008 浮遊微生物サンプリング法規準・同解説
(8)JIS B 9918-1(2008,2022 確認)及び ISO 14698-1(2003)
(9)JIS B 9918-2(2008,2022 確認)及び ISO 14698-2(2003)
(10)HACCP
(イ)HACCP の概要
(ロ)HACCP の履歴
(ハ)HACCP の概念
(ニ)HACCP による管理
4. 垂直一方向流型 CR 内での塵埃の挙動・拡散
4.1 CR 停止状態から稼動状態にした場合(実験結果)
4.2 点発塵源から瞬時発塵した場合
4.3 気流が曲がる場合の塵埃の挙動・拡散
5. 運動機構からの発塵
第 2 部 作業員の管理と教育、CR の清掃、国内外関連規格の最新動向
第 6 章 CR 内の作業員管理と教育
1. 守るべき大原則
2. 適正な服装・着用
3. 人の位置取り・適正な動作
4. 作業者への管理・教育の要点/注意点
5. 物・人からの発塵機構(内圧変動、摺動発塵、拡散範囲)
5.1 物からの発塵
5.2 人からの発塵・拡散機構・拡散範囲
6. クリーン手袋の着用方法
7. クリーンスーツの選定方法・洗濯頻度・劣化
8. エアシャワーについて
第7章 CR の清掃
1. 清掃の種類と方法
2. 洗浄剤
3. 各部位の清掃方法・頻度・注意点
4. CR 運転停止時の塵埃挙動
第 8 章 CR の国内外関連規格の最新動向
1. 全体概要
2. ISO 規格
3. JIS 規格
4. JACA 指針
第 3 部 局所高清浄度域の確保と維持、クリーン化への指針(対策)、改善事例、その他
第 9 章 局所高清浄度域の確保と維持
1. 局所高清浄度域のコンセプト
2. 局所高清浄度域の構造、及びその確保と維持
3. 風量バランスと流線の制御
4. クリーンベンチ内とその周辺気流の制御
5. 異風速吹出し
6. 垂直一方向流域と非一方向流域との境界
7. 各種吹出口による気流性状、除塵(clean up)能力
8. 可搬式クリーンブースの clean up 特性
9. 風量バランス調整と、高清浄度域の確保と維持
9.1 対象領域の天井内がチャンバーの場合
9.2 対象領域の天井部分が FFU(Fan Filter Unit)で構成されている場合
10. 室間差圧
まとめ
第 10 章 さらなる清浄化への指針(対策)
1. 汚染物質の把握
1.1 塵埃(含、ミスト(液滴))
1.2 ケミカル汚染物質
1.2.1 濃度管理のための捕集
(a)インピンジャー捕集[IMP]
(b)カラム捕集[SOR]
(c)フィルタ捕集[FIL]
(d)シリンジ捕集[SYR]
(e-1)基板捕集(拡散暴露法(水平暴露及び垂直暴露))[PSUB]
(e-2)基板捕集(強制暴露法)[ASUB]
(f)キャニスター捕集[CAN]
(g)直接導入による捕集
1.2.2 除去のための捕集
(a)イオン交換による捕集
(b)吸着による捕集
(c)吸着+反応物質の担持による捕集
1.3 微生物
1.3.1 微生物の環境清浄度測定法
(a)空中浮遊粒子数の測定
(b)空中浮遊菌検査法
(c)落下菌検査法
(d)表面付着菌検査法
1.3.2 微生物の培養条件
1.4 対策のための、汚染物質の把握
2. 普遍的な対策のコンセプト
3. 汚染の回避/除去/抑制の手順と考え方
4. 汚染対策の要点(まとめ)
第 11 章 製造環境改善事例
筆者から、最後に
参考文献
本文用参考文献
一般参考文献
演習問題
演習問題 + 解答例