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高分子外観不良の分析・対策 書籍

高分子材料の外観不良の

原因分析と対策


発刊・体裁・価格

発刊  2012年2月10日  定価  56,100円(税込(消費税10%))
体裁  B5判 249ページ  ISBN 978-4-905545-32-3   →詳細、申込方法はこちらを参照

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高分子外観不良の分析・対策 書籍

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本書籍のコンセプト

★材料開発・成形加工の現場で実際に困った時に活用できる、分析・評価ノウハウを盛り込んだ一冊!

○現場で役立つ、実際の現場レベルで活用できる分析法を、ノウハウを盛り込みながら解説。
○数多くの外観不良の実例を取り上げ、その発生原因解析と対策を分かり易く解説。
○入門者でも、どんな分析法があってどれを選べば分析できるかがわかる。


本書籍のポイント

★赤外・ラマン分光法をはじめ、SEM・TEM・AFM・XPS他、それぞれの原理・得られる情報をふまえた、各分析法の選択基準とは?
 データ解釈及び使いこなすためのノウハウまでわかりやすく記述。
★実際のトラブル時に活用し易い様、異物・ブリード・白化・変色・クラック等、各トラブルごとに事例をふまえ分析法・対処法を解説。
★高分子材料は成形直後・および経年使用時に致命的な欠陥が発生することが多いことをふまえ、様々な条件下における破壊・変形や劣化挙動・その試験測定評価・寿命予測法についても網羅。

監修:西岡 利勝 高分子学会フェロー・元 出光興産  (敬称略)

<監修者より>
 高分子材料の外観不良,即ち異物の混入,ブリード、白化,表面粗れ,クラック,着色・変色,破壊・変形および劣化などの局所分析(微小部分析)には,顕微赤外分光法,顕微ラマン分光法,飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)、電子顕微鏡(SEM、TEM)および原子間力顕微鏡などが使用されている。
 これらの機器の組み合わせによって高分子材料の外観不良の原因を特定できる。
 本書の構成は1章に概論を、2章に高分子材料の外観不良解析法として使用されている機器の基礎と得られる情報を記載した。3章には種々の外観不良の実例を多く示し、その原因解析と対策を詳述した。また4章には高分子材料の破壊・変形の解析を、5章には高分子材料の劣化と寿命予測について実例を多く掲載して詳述した。

執筆者一覧(敬称略)

西岡 利勝  高分子学会フェロー・元 出光興産
宮田 洋明  (株)東レリサーチセンター
星 孝弘   アルバック・ファイ(株)
辻 正樹   京都大学
吉岡 太陽  豊田工業大学
中嶋 健   東北大学
若林 淳   出光興産(株)
寶崎 達也  リケンテクノス(株)
平野 幸喜  (株)プライムポリマー
北川 雅士  (株)東レリサーチセンター
的場 伸啓  (株)東レリサーチセンター
黒田 真一  群馬大学

目次

1章 概論
1.顕微赤外法
 1.1 顕微赤外法の概要
 1.2 測定法
2.高分子材料への応用
 2.1 積層フィルム各層の定性分析
 2.2 異種高分子同士の塗装界面の解析
 2.3 ポリカーボネートの光劣化の深さ方向分析
 2.4 ハイインパクトポリプロピレン粒子内のエチレン-プロピレン共重合体の組成分布解析
 2.5 リニアアレイ検出器を搭載した顕微赤外装置によるイメージング測定

2章 表面・界面および局所分析の基礎と得られる情報
2章1節 赤外分光法
 1.赤外分光法の原理
  1.1 基本原理
  1.2 スペクトル図
  1.3 使用される赤外線の波長範囲
  1.4 構造とグループ振動数(吸収波数)の関係
  1.5 赤外吸収スペクトルによるプラスチックの定性法
 2.試料調製法
  2.1 フィルム,シート,薄片を調製する方法
  2.2 錠剤やペーストにする方法
 3.測定法と得られる情報
  3.1 測定装置
  3.2 スペクトル測定法の選択基準
 4.得られる情報
  4.1 透過法
  4.2 全反射吸収法
  4.3 RAS法
  4.4 フィルム回転ステージ
  4.5 正反射法(鏡面反射法)
  4.6 拡散反射法
  4.7 光音響法
  4.8 顕微赤外法
  4.9 赤外分光法と原子間力顕微鏡の複合装置によるナノ赤外分光法
 5.測定に際しての留意点・ノウハウ
  5.1 干渉縞の除去
  5.2 分光計および試料室の水蒸気除去
  5.3 マイクロサンプリングのノウハウ
2章2節 ラマン分光法
 1.測定の原理と得られる情報
 2.実際の測定法
  2.1 装置構成
  2.2 顕微ラマン分光装置
  2.3 測定の条件設定
 3.データとその解釈
  3.1 ラマン分光法による組成分析
  3.2 ラマン分光法による高分子の配向解析
  3.3 ラマン分光法による高分子の結晶性解析
  3.4 顕微ラマン分光法:共焦点光学系を用いた深さ方向の組成分析
  3.5 顕微ラマンによる高分子の結晶性・配向性解析
  3.6 共鳴ラマン分光法の利用
  3.7 二次元ラマン相関分光法によるアタクチックポリスチレン(PS)とポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)(PPE)混合物の立体配座変化と相互作用
2章3節 X線光電子分光法(XPS, ESCA)
 はじめに
 1.XPSの原理と装置の特徴
 2.XPS分析の方法(PET表面のXPS分析)
 3.紫外線照射によるPETの構造変化の解析(気相化学修飾法XPS)
 4.自動車用高分子材料の劣化解析(XPSの深さ方向分析)
 まとめ
2章4節 飛行時間型二次イオン質量分析法
 はじめに
 1.ToF-SIMS装置
  1.1 装置とその特徴
  1.2 ToF-SIMS装置に使われるイオン銃
  1.3 ToF型質量分析計
 2.ToF-SIMSから得られる情報
  2.1 質量スペクトルの発展
  2.2 ToF-SIMSを用いたイメージング
  2.3 ToF-SIMSを用いた深さ方向分析
  2.4 ToF-SIMSによる三次元深さ方向分析への期待
 3.ToF-SIMSデータ解釈
  3.1 試料前処理や標準試料の準備
  3.2 質量数からのピーク同定法
  3.3 質量スペクトルの規則性と数値処理
 まとめ
2章5節 電子顕微鏡(SEM, TEM)
 はじめに
 1.走査型電子顕微鏡(SEM)
  1.1 基本構成
  1.2 コントラスト
  1.3 高分子試料の観察
 2. 透過型電子顕微鏡(TEM)
  2.1 基本構成
  2.2 結像とコントラストの成因
  2.3 電子回折
  2.4 高分子試料の観察
 おわりに
2章6節 原子間力顕微鏡
 はじめに
 1.AFMの原理
 2.タッピングモード
  2.1 タッピングモードの原理
  2.2 位相イメージング
 3.AFMによる物性計測
  3.1 試料変形
  3.2 弾性接触
  3.3 凝着接触
 4.実例の紹介
 おわりに

3章 表面・界面および局所分析の実際
3章1節 異物分析
 1.ポリオレフィンフィルム中の微小異物分析
 2.ポリカーボネート樹脂系成形品中の微小異物分析
 3.ポリスチレン樹脂系成形品中の微小異物分析
 4.自動車材料中の微小異物分析
 5.測定に際しての留意点・ノウハウ
  5.1 干渉縞の除去
  5.2 分光計および試料室の水蒸気除去
  5.3 マイクロサンプリングのノウハウ
3章2節 ブリードの解析
第1項 添加剤のブリード機構   
 はじめに
 1.2段階移行モデル
 2.実験
 3.結果と考察
  3.1 スリップ剤のブリード現象
  3.2 UV吸収剤のブリード現象
 おわりに
第2項 ブリード,べたつきの分析
 1.はじめに
 2.ブリード成分の直接分析
 3.ブリード成分が少ない場合や取り出しにくい場合の分析
 4.低分子量のポリマー成分と添加剤からなるブリード成分の分析
 5.アイソタクチックポリプロピレン(iPP)ラミネートフィルムの滑り性低下機構の解析
  5.1 フィルム表面の滑剤と滑り性との関係
  5.2 滑剤と接着剤との分子間相互作用
3章3節 白化の解析
 はじめに
 1.光の拡散反射(乱反射)と白化
 2.白化の発生状況の確認
  2.1 工程内での発生パターン(白化発生の連続性)
  2.2 発生部位(白化部位の限定性)
  2.3 経時変化(白化の時間依存性)
 3.白化の分析方法と装置
  3.1 形態観察
  3.2 構成成分の分析
 4.ポリプロピレン(PP)樹脂製品における白化の事例
  4.1 応力による白化
  4.2 添加剤の関与による白化
  4.3 火炎処理後の白化
  4.4 塗装におけるかぶり(ブラッシング)
 5.多相系材料の構造と環境下での経時変化による特異的な白化
 6.ポリプロピレン/ゴム系ブレンドの射出成形品の熱処理で発生するストライプ状劣化に関するモルフォロジー解析
 まとめ
3章4節 表面粗れ、クラックの解析
 はじめに
 1.PCのキャラクタリゼーション
 2.赤外分光法(IR)による解析
 3.PC成形品(波板)に発生した表面粗れ解析
 4.PC成形品の加水分解による表面粗れ解析
 5.PC成形品のクラック解析
3章5節 着色・変色の解析
 1.着色の原因
 2.着色の原因解析に有効な前処理法
 3.着色物の構造解析に適用できる分光分析法
  3.1 紫外可視分光分析
  3.2 赤外分光分析(IR)
  3.3 ラマン分光分析
  3.4 核磁気共鳴分光分析(NMR)
  3.5 蛍光分光分析(FL)
  3.6 電子スピン共鳴分光分析(ESR)
 4.着色物の構造解析に適用できる分離分析法
  4.1 高速クロマトグラフ分析(HPLC)
  4.2 ガスクロマトグラフ分析(GC)
  4.3 サイズ排除クロマトグラフ分析(SEC)
  4.4 薄層クロマトグラフ分析(TLC)
 5.着色成分解析の実施例
  5.1 HPLC法による染料変性物の分析
  5.2 ラマン分光法による着色成分の分析
  5.3 蛍光分光法による蛍光染料の分析
  5.4 紫外可視分光法による高分子劣化の分析
  5.5 HPLC法による酸化防止剤変性物の分析
  5.6 着色成分退色現象の分析
  5.7 無機分析法による無機系着色物の分析
 6.着色解析の問題点とその解決のために

4章 高分子材料の破壊と変形
 はじめに
 1.静的試験(強度測定)
 2.高分子材料の変形
 3.装置コンプライアンス補正による弾性率の高精度測定
 4.動的試験
 5.微小変形量測定
 6.プラスチック部品が割れてしまったら・・・

5章 高分子材料の劣化と寿命予測
 1.高分子の劣化とは
 2.高分子の劣化反応
  2.1 熱による劣化
  2.2 光による劣化
  2.3 放射線による劣化
  2.4 電気による劣化
  2.5 生物による劣化
  2.6 高分子の劣化に及ぼす高分子集合状態の影響
 3.劣化試験と寿命予測
  3.1 暴露試験
  3.2 実験室光源暴露試験(人工促進耐候性試験)
  3.3 寿命予測

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