発刊・体裁・価格
発刊 2013年2月25日 定価 51,700円 (税込(消費税10%))
体裁 B5判 221ページ ISBN 978-4-86502-003-8 →詳細、申込方法はこちらを参照
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本書のポイント
如何に効率よく熱を移動させるか?
各種の高性能化も図りつつ、この問いにしっかりと答える!
◆フィラーの種類・特徴
窒化ホウ素 窒化アルミニウム
導電性カーボンナノチューブフィラー
酸化亜鉛系フィラー ・・・etc
→ 高熱伝導化・高機能化への取り組み
◆樹 脂 コ ン パ ウ ン ド
シランカップ剤 ハイブリダイゼーション ・・・etc
→ 最密充填へ向けた表面処理技術と最新の展開
→ 樹脂系熱伝導材料による低コスト軽量化
粘度別混練技術 分散制御 ナノコンポジット ・・・etc
→ 押出・混錬・分散樹 脂 コ ン パ ウ ン ド
◆放熱材料とその応用
高熱伝導ハイブリッド材料、
グラファイト複合材料、
高熱伝導エラストマー、酸化銀マイクロ粒子
高熱伝導・電気絶縁性液状エポキシ材料
グラファイトシート、AlNセラミックス ・・・etc
→ 高熱伝導化・高機能化への取り組み
封止・接着用、LED、パワーモジュール 車載電子機器 ・・・etc
→ 様々な応用分野における事例放熱材料とその応用
執筆者一覧(敬称略)
昭和電工 大塚雄樹
古河電子 武藤兼紀
堺化学工業 橋本充央
京都工芸繊維大学 山田保治
奈良機械製作所 永禮三四郎
富山県立大学 真田和昭
池貝 林崎芳博
タキロン 髙瀬博文
利昌工業 下村 昭
電気化学工業 山縣利貴
東北大学 阿尻雅文
サーモグラフィティクス 竹馬克洋 渡部哲也 野上美郎
日立製作所 守田俊章
住友大阪セメント 小堺規行
カネカ 西川泰司
岡山大学 岸本 昭
FJコンポジット 津島栄樹
三菱電機 三村研史
デンソー 神谷有弘
住友化学 岡本 敏
日本電気 位地正年
目次
【第1章】 フィラーの種類と特徴
第1節 各種フィラーの特徴と、高熱伝導化、高機能化への取り組み~現状と展望~
1. 高放熱性高分子材料への期待
2. 各種の高熱伝導フィラーと、その複合高分子材料の熱伝導率
2.1 導電性高熱伝導フィラーとその複合効果
2.1.1 導電性高熱伝導フィラーの種類
2.1.2 導電性高熱伝導フィラー複合高分子材料の熱伝導率
2.2 電気絶縁性高熱伝導フィラーとその複合効果
2.2.1 電気絶縁性高熱伝導フィラーの種類
2.2.2 電気絶縁性高熱伝導フィラー複合高分子材料の熱伝導率
3. 高分子材料の複合化による熱伝導率の向上の原理
3.1 粒子分散複合材料の熱伝導率に与える影響と予測式
3.2 影響因子を踏まえた高熱伝導化方法
3.2.1 従来から行われている改善方法
3.2.2 最近開発された改善方法
3.3 相反機能関係の解消に向けて
3.3.1 柔軟性との相反関係解消
3.3.2 加工性との相反関係解消
4. 応用分野と将来展望
第2節 窒化ホウ素フィラーの特徴と熱伝導性付与技術
1. 六方晶窒化ホウ素とは
2 .hBNのフィラー材としての特徴
3. hBNフィラーの使用例(樹脂が熱硬化性樹脂の場合)
第3節 窒化アルミニウムフィラーの特徴と熱伝導性付与技術
1. AlNフィラーについて
1.1 AlNの熱伝導率
1.2 AlNの課題
1.3 耐水処理
2. 高熱伝導材への期待
3. 弊社開発熱伝導シート
第4節 酸化亜鉛の特徴と熱伝導性付与技術
1. 酸化亜鉛の一般的な製法
2. 酸化亜鉛の基本物性及びグレード
3. 放熱用酸化亜鉛フィラーへのアプローチ
4. 堺化学の放熱用酸化亜鉛フィラー
5. 処方検討時のポイント
第5節 MWCNTsの導電及び熱伝導フィラー特性についての現状報告
1. MWCNTs合成法について
2. 浮遊流動反応法で合成されるMWCNTsの特長
3. 触媒担持反応法で得られるMWCNTsの特長
4. 市販MWCNTsの結晶化度について
5. 市販MWCNTsのグラファイト層間の面間隔について
6. MWCNTsの導電フィラー特性について
7. MWCNTsの熱伝導特性
8. MWCNTsの熱伝導フィラー特性について
【第2章】樹脂コンパウンド
第1節 最密充填~表面処理、粒度分布・粒子形状制御
第1項 高熱伝導化へ向けたフィラーの表面処理技術とシランカップリング剤
1. シランカップリング剤
2. 有機‐無機複合材料
2.1 有機‐無機複合材料の概要
2.2 有機‐無機複合材料の合成法
3. 高熱伝導性材料の開発
3.1 樹脂の高熱伝導化
3.2 複合材料の高熱伝導化
3.3 高熱伝導性材料の開発
第2項 ハイブリダイゼーションによる表面改質と最近の応用展開
1. ハイブリダイゼーションシステムの構造・原理
2. 微粒子複合化・球形化事例
2.1 樹脂表面への顔料の均一分散
2.2 樹脂-シリカ複合粒子と濡れ性制御
2.3 カーボンナノチューブの球形化による分散性向上
2.4 複合粒子の応用
2.5 金属・黒鉛の球形化
第2節 押出・混錬・分散
第1項 高熱伝導性ポリマー系複合材料開発におけるフィラーの分散充填技術と微視構造制御
1.フィラー充填系の粘度予測
2.フィラー充填系の粘度とフィラー粒度分布との関係
3.フィラー最密充填理論とコンピューターシミュレーションを活用した微視構造設計
第2項 ニ軸押出機内における樹脂挙動と粘度別混練技術
1. 混練用押出機の分類
1.1 混練用2軸押出機
1.2 スクリュー形状
1.3 シリンダーブロック
2. 押出機内部の挙動の観察
2.1 樹脂挙動の可視化(静的可視化)
2.2 樹脂挙動の可視化(動的可視化)
3. 溶融粘度の違いによる混練の考え方
3.1 低粘度の樹脂配合物における混練技術
3.2 高粘度の樹脂配合物における混練技術
第3項 二軸押出機を使用したナノコンポジット成形の分散制御
1. 分散パラメータ
①材料の最適化
②混練装置・混練条件の最適化
③混合のタイミング(フィラー投入タイミング)
2. カーボンナノチューブコンポジット
2.1 カーボンナノチューブ(CNT)
2.2 CNTの分散と分散評価
2.3 押出機の分散に関わるパラメータ
【第3章】 放熱材料とその応用
第1節 接着剤 封止剤 塗料、熱伝導性シート グリース
第1項 高熱伝導接着シートの開発について
1. 高熱伝導接着シート
1.1 開発背景
1.2 ベース樹脂材料
1.3 熱伝導の機能発現とメカニズム
1.3.1 熱伝導性を発現させるフィラー
1.3.2 高熱伝導発現モデル
2. 利昌工業の高熱伝導率接着シート
第2項 水熱合成法を用いた熱伝導性フィラーの有機修飾と高熱伝導性ハイブリッド材料の開発
1. 放熱材料
2. 高熱伝導化のアプローチ
3. 方法
3.1窒化ホウ素粒子の有機修飾
3.2窒化ホウ素粒子の配向・配列
4. 結果と考察
4.1有機修飾窒化ホウ素粒子のレオロジー評価
4.2ハイブリッド材料の熱伝導評価
第3項 高熱伝導グラファイト複合素材の開発と特徴
1. 高熱伝導グラファイト複合材
1.1 高熱伝導グラファイト
1.2 従来の複合化技術
1.3 高熱伝導複合材
1.3.1 金属複合材
1.3.2 セラミック複合材
2. 高熱伝グラファイト複合化品の特徴
2.1 基本特性
2.2 形状、サイズなど
2.3 接合界面
2.4 耐久性
2.5 絶縁特性
3. 高熱伝導グラファイト複合材の可能性
第4項 スミコンRの特徴とその応用
1. 熱放散性材料の設計
2. 熱放散性成形材料スミコンRTシリーズ
2.1 熱硬化性熱放散性成形材料スミコンR PM-T
2.2 熱可塑性熱放散性成形材料スミコンR FM-T
3. 高熱放散回路基板材料金属ベース回路基板およびCEM-3基板
4. 成形品への展開
4.1 トランスボビン
4.2 LEDダウンライト
第5項 酸化銀マイクロ粒子を用いた高熱伝導接合材料の特徴とその応用について
1. 酸化銀の還元温度
2. 酸化銀粒子の還元、及び焼結挙動
3. 接合強度評価
4. 放熱性及び信頼性評価
第6項 封止・接着用、高熱伝導・電気絶縁性液状エポキシ材料
1. 設計思想
1.1 フィラーの選定
1.2 バインダの選定
2. 特性値
3. 接着強さ
第7項 グラファイトシートの特性と効果的利用
1. グラファイトの特徴
2. 高熱伝導性GSの作製と物性
3. 高熱伝導性GSの特性
3.1 各種材料との放熱特性の比較
3.2 耐折れ強さと折り曲げ状態での放熱特性
4. GSのアプリケーションへの利用方法
4.1 グラファイト複合シート
4.2 GSサイズと形状の選定
5. GSのアプリケーションへの応用例
5.1 スマートフォンにおけるヒートスポットの緩和
5.2 液晶ディスプレイにおけるヒートスポットの緩和
5.3 有機EL照明における面内温度の均一化
第8項 ミリ波焼結による高熱伝導性AlNセラミックスの開発-雰囲気とポストHIPの効果-
1. 実験方法と結果
1.1 実験方法
1.2 密度測定結果(一次ミリ波焼成処理のみ)
1.3 熱伝導率測定結果(一次ミリ波焼成処理のみ)
1.4 ポストHIP焼成後の相対密度と熱伝導率
第9項 高放熱絶縁樹脂基板の開発とその応用について
第10項 LED放熱へ向けたモリブデン複合材料開発
1. S-CMCとは
2. LEDの構造
3. S-CMC材によるLEDの放熱
第11項 パワーモジュール応用へ向けた熱伝導性シートの開発
1. パワーモジュールにおける放熱技術の重要性
2. 絶縁シートの高放熱化技術
3. 高熱伝導絶縁シート適用によるパワーモジュールの進化
4. 今後のパワーモジュール開発における高熱伝導有機材料の展望
第12項 車載電子製品実装における放熱材料
1. 車載エレクトロニクスの概要
2. 車載エレクトロニクスの導入分野
2.1 環境対応
2.2 安全対策
2.3 快適・利便
3. 車載エレクトロニクス製品の基本構成とその放熱、耐熱実装技術
3.1 センサに求められる熱設計
3.2 アクチュエータ制御製品の放熱設計事例
3.3 ECUの事例と実装技術
①高耐熱ICパッケージ
②高放熱構造(パワーIC実装)
③基板の放熱性向上
④部品のレイアウト最適化
3.3.1 高耐熱ICパッケージ
3.3.2 高放熱構造(パワーIC実装)
3.3.3 基板の放熱性向上
4. 実装放熱技術を支える材料
4.1 高放熱基板におけるエポキシ樹脂材料
4.2 樹脂封止材料としての高耐熱、高放熱エポキシ樹脂材料
4.3 回路基板上の発熱部品の放熱性向上を実現するシリコン系放熱材料
4.3.1 高放熱シリコン接着剤
4.3.2 高放熱シリコン材料(TIM)
5. 車載エレクトロニクスの放熱材料への要求特性
5.1 高放熱性
5.2 電気特性
5.3 高信頼性
5.4 低汚染性
5.5 密着性
5.6 価格
第2節 スーパーエンプラ・新材料と高熱伝導性
第1項 LCPの特徴と高熱伝導化、応用について
1. LCPを用いた熱対策
1.1 LCPの高熱伝導グレード
1.1.1 高熱伝導性
1.1.2 熱拡散の面内均一性
1.1.3 高強度、高耐電圧(高絶縁破壊電圧)
1.1.4 高熱伝導グレードを適用した用途
1.2 可溶性LCPを用いた高放熱性を有する金属ベース基板
1.2.1 可溶性LCPの配向・結晶化と熱伝導性
1.2.2 可溶性LCPを用いたアルミベース基板
1.2.3 可溶性LCPアルミベース基板の用途展開
第2項 高伝熱性ポリ乳酸複合材の開発と電子機器への応用
1. ポリ乳酸中での炭素繊維の架橋化による高伝熱化
2. 新規ポリ乳酸複合材の熱伝導性への炭素繊維のサイズの影響
3. 強度・耐熱性の改善効果
4. 実用的な製造・成形(射出)技術の開発
5. まとめと今後の展望