発刊・体裁・価格
発刊 2017年9月25日 定価 66,000円 (税込(消費税10%))
体裁 B5判 318ページ ISBN 978-4-86502-139-4 →詳細、申込方法はこちらを参照
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本書のポイント
コーティング・塗布に必携の一冊!
★塗料・塗装機器・自動車・分析評価等各分野のメーカー技術者から
塗装を知り尽くしたベテラン技術者まで、
幅広い執筆陣が塗装・塗膜のポイントを詳解★
「塗料」「塗布」「乾燥」各工程からみる塗装のポイントがわかる
塗料の設計・構成と塗膜の関係は?塗料の添加剤の特徴と使い方は?乾燥時の欠陥はなぜ起こるのか?
均一塗布・均一乾燥のポイントは?塗布膜乾燥のメカニズム、乾燥装置の取り扱いから実務まで細かく解説!
良い塗膜を作るために必須の物性制御について詳説
付着性・密着性を向上するには?膜厚制御の方法は?塗装の粘弾性制御、レオロジーの活用法は?
各種塗装法の特徴・違いと塗装機器の取り扱いを各メーカ―技術者がそれぞれ解説
スプレー塗装、ダイ塗布、ロールコータ、カーテンコータ…
各種塗装の利点とは?それぞれに起こるトラブルとは?塗装機器の仕組みと取り扱いとは?
塗膜分析・塗膜評価・シミュレーションについてもよくわかる
塗膜の組成分析・密着性評価から各種耐候性試験の概要、劣化評価まで詳説!評価機器の最新動向も掲載
塗布・乾燥シミュレーションの基礎知識から3Dプリントシミュレーションまで徹底理解!
充実のトラブルシューティングを掲載
硬化不良や密着不良の対策は?ハジキやタレ、ムラなどの塗装トラブル対策から
フクレ・ワレ・剥がれなどの劣化対策までしっかり理解!現場での欠陥対応の進め方にも言及
化学物質法規制対応や自動車塗装の問題など注目の実務ポイントをおさえる
重ね塗りのポイントは?塗装における静電気の防止と活用は?
執筆者一覧(敬称略)
●元職業能力開発総合大学校 坪田 実
●(株)ケミカル 桐原 修
●共栄社化学(株) 衣川 雅之
●旭サナック(株) 加藤 雅宏
●ノードソン(株) 竹原 秀麿
●(株)IHIフォイトペーパーテクノロジー 石塚 克己
●アネスト岩田(株) 諸星 敦之
●日本ペイントホールディングス(株) 井賀 充香
●日本ガイシ(株) 近藤 良夫
●(有)かきとう 田中 丈之
●(株)日産アーク 石川 大輔
●(株)日産アーク 清水 悟史
●日産自動車(株) 渡邉 健太郎
●(株)東洋精機 小林 幸一
●アドバンスソフト(株) 杉中 隆史
●アドバンスソフト(株) 湊 明彦
●アネスト岩田(株) 住谷 祐樹
●BASFジャパン(株) 上栗 善政
●(株)アースクリーンテクノ 田村 吉宣
●ダイハツ工業(株) 神澤 啓彰
●日本塗料工業会 渡辺 健児
●ステンレスペイント(株) 長尾 五郎
目次
第1章 塗装の基礎
第1節 塗装のKey point
1.塗料の流動性
1.1 ずり速度とずり応力
1.2 塗装作業性と塗料の降伏値・T.I. 値
1.3 仕上がり外観と流動性- レベリング、たれ現象
2.表面張力とは
2.1 固体の表面張力
2.2 ヘコミとハジキの話
2.2.1 ヘコミ、ハジキとは
2.2.2 ハジキの防止法
2.3 対流とは
2.3.1 対流の起きる条件
2.3.2 対流が原因となる欠陥と対策
第2節 付着性
1.付着力の発生
1.1 くっつく力とは
1.2 分子間力- van der Waals 力、水素結合力
2.実用の付着強さと評価・試験法
2.1 プルオフ法
2.2 ゴバン目(碁盤目) 試験
2.3 切削法
2.4 超音波振動法
3.付着性に及ぼす要因とその影響
3.1 被塗面の性状(材質、面の粗さ、洗浄の良否など)
3.2 塗料成分
3.3 塗膜の内部応力
3.4 環境(特に水分の影響)
第2章 塗る前に考える~材料から見る塗膜テクニック~
第1節 塗料の設計・構成と塗膜の関係
1.塗料の種類と分類
1.1 見て(視覚)わかること
1.2 嗅いで(嗅覚)わかること
1.3 分析してわかること(分析しないとわからない)
1.3.1 塗料の分析
1.3.2 塗膜の分析
2.塗装方法からの塗料選定
2.1 エア霧化スプレー塗装
2.2 静電スプレー塗装
3.造膜過程からの塗料選定
3.1 常温・室温硬化
3.2 強制乾燥硬化
3.3 焼き付け硬化
3.4 UV硬化・電子線硬化
4.良い塗膜とは・塗膜特性
4.1 基材との密着性と外観
4.2 1次物性
4.3 2次物性
5.ポリウレタン塗料を例に
5.1 良いポリウレタン塗膜とは
5.2 原料選定と塗料・塗膜設計
6.まとめと機能性付与の現状
第2節 添加剤の特徴と使い方(レベリング剤・消泡剤)
1.レベリング剤(ハジキ防止剤・湿潤剤) について
1.1 アルキル系レベリング剤(ハジキ防止剤・湿潤剤)
1.2 フッ素、あるいはシリコーン系レベリング剤(ハジキ防止剤・湿潤剤)
2.消泡剤(ワキ防止剤) について
第3章 「塗る」工程を考える~各種塗装法と機器、塗装プロセス制御~
第1節 各種塗装機器の役割と技術動向
1.各種塗装方法
1.1 エアスプレー塗装
1.2 エアレススプレー塗装
1.3 ローラー塗装
1.4 流し塗り(シャワーコート)
1.5 ディッピング塗装
1.6 電着塗装
1.7 液体静電塗装
1.8 粉体静電塗装
2.スプレー塗装方法と他の塗装方法の違い
3.スプレー塗装の変遷について
4.VOC 規制とスプレー塗装
5.塗着効率100% を目指して(環境に優しい塗装へ)
6.塗着効率を向上させるための最新塗装機器の紹介
6.1 エア静電ハンドガン
6.2 回転霧化静電ガン
6.3 色替え機構付二液塗装機
7.各塗装現場での塗着効率の向上策
第2節 コーティング方法による性能の違い及びコーティング機器の取り扱い
第1項 スロットダイ塗工
1.スロットダイ塗工の主な用途
2.スロットダイの利点
2.1 幅方向の塗工膜厚の均一性
2.2 閉鎖型工程
2.3 経済性の向上
2.4 柔軟な調整機構
3.塗工の最適化必要事項
4.ダイの仕様・用途
4.1 高精度塗工用「リップ固定式ダイ」
4.2 多品種対応型「リップ可動式ダイ」
第2項 ロールコータ・カーテンコータ
1.コータの分類から見たロールコータとカーテンコータの位置
2.ロールコータについて
2.1 特徴
2.2 構成と塗工量の調節
2.2.1 機械的構成
2.2.2 ロールの回転方向およびロール表面の加工から見た分類
2.3 ロールコータの一例の詳細
2.3.1 トランスファーロールコータ(TRC)が日本で実用化されるまで
2.3.2 構成
2.3.3 塗工量の調節
2.3.4 塗工欠陥
3.カーテンコータについて
3.1 特徴
3.2 形式
3.3 構成と塗工量の調節
3.4 カーテンコータの一例の詳細
3.4.1 日本で開発されたカーテンコータ(DFコータ)
3.4.2 コータの構成
3.4.3 他のコータとの違い
3.4.4 トラブル
3.4.5 今後のカーテンコータ
第3項 スプレー塗布
1.スプレーガンの種類
2.各スプレーガンの特徴
2.1 エアースプレーガン
2.2 エアレススプレーガン
2.3 マルチ(エアミックス) スプレーガン
2.4 回転霧化スプレーガン
2.5 静電スプレーガン
2.6 ハンド(手動) スプレーガン
2.7 自動スプレーガン
3.エアースプレーガンの構造
4.エアースプレーガンの取り扱い方法
5.エアースプレーガンの取扱上の注意
第3節 塗装と粘弾性制御
1.塗装プロセスを制御することの重要性
2.粘弾性測定の基礎
3.ローラー塗装における粘弾性制御
3.1 塗装感の制御
3.2 塗料飛散の抑制
3.3 たれの抑制とレベリングとの両立
第4章 「乾かす」工程のポイント~乾燥のメカニズムと留意点~
第1節 塗布膜乾燥の分類とメカニズム、装置の取り扱い
1.塗布膜乾燥の概要
2.乾燥方式の分類
3.乾燥のメカニズム
4.乾燥炉の概要
5.従来の赤外線加熱
6.波長選択型の赤外線乾燥プロセス
7.まとめと今後の乾燥プロセス
第2節 塗料乾燥の実態
1.溶剤の蒸発
2.塗膜乾燥の実務
2.1 欠陥とは
2.2 欠陥の生じる原因
第5章 「塗った後」のことを考える~塗膜の品質評価と塗膜分析~
第1節 塗装の組成分析と密着性評価法
1.密着性評価
1.1 4PB法
1.2 DCB法
2.塗装の組成分析
2.1 イメージングIR
2.2 ラマンマッピング分析
2.3 Nano-IR分析
第2節 塗膜の耐候性・劣化に関する評価
1.塗膜の耐候性評価
1.1 自然暴露試験
1.2 促進暴露試験
1.2.1 自然暴露促進試験
1.2.2 促進耐候性試験
2.その他の塗膜劣化評価
2.1 水分に対する耐性評価
2.1.1 耐水性
2.1.2 耐湿性
2.2 熱に対する耐性評価
2.2.1 耐熱性
2.2.2 耐熱サイクル性
2.3 各種薬品に対する耐性評価
2.3.1 耐酸性
2.3.2 耐アルカリ性
3.劣化現象の計測
3.1 変退色
3.2 光沢低下
3.3 割れ
3.4 剥がれ
3.5 膨れ
第3節 評価機器の最新動向
1.従来の評価装置
1.1 試験用分散機
1.2 鉛筆引掻塗膜型試験機
1.3 ロータリーアブレージョンテスタ
1.4 シートインパクトテスタ
2.最新の評価装置
2.1 キュアテスタ
2.1.1 測定原理
2.1.2 測定例
2.2 キュアログラフ
2.2.1 測定原理
2.2.2 測定例
第6章 塗布シミュレーションの方法
第1節 塗布のシミュレーション
1.基礎式
2.自由表面の表現方法
3.塗布シミュレーションの例
3.1 2次元スロットダイ塗布シミュレーション
3.2 乾燥による溶媒蒸発を含めた2 次元スロットダイ塗布シミュレーション
3.3 3次元塗布シミュレーション
第2節 乾燥のシミュレーション
1.必要性
2.塗布膜乾燥解析
3.機能性粒子分布解析
4.液滴乾燥解析
第3節 3Dペイントシミュレータの特徴と将来展望
1.3D ペイントシミュレータの概要
2.特徴
3.システム構成
3.1 3D映像
3.2 リアルとバーチャルの相互作用
3.3 パターンデータ
4.機能
4.1 スプレーパターンデータベースによる、パターン作成機能
4.2 塗膜の表示
4.3 リプレイ機能
4.4 評価表の出力機能
5.今後の展望
5.1 ムラ表現とつきまわり効果
5.2 塗装ロボットのティーチング
5.3 流体解析ソフトとの連動と波及
第7章 各種トラブルシューティングと押さえるべきポイント
第1節 塗装トラブルの原因と対策
1.ハジキ・ヘコ
2.ゆず肌
3.ブツ
4.ワキ
5.タレ
6.しわ
7.ツヤビケ
8.透け
9.研ぎ目
10.ムラ
11.硬化不良
12.密着不良
第2節 外部環境が品質に及ぼす影響
1.欠陥現象の発生
1.1 フクレ、ブリスター
1.2 ワレ
2.コーティング膜劣化の劣化要因
2.1 外的要因
2.1.1 光( 紫外線)
2.1.2 酸素
2.1.3 温度
2.1.4 水分
2.2 内的要因
2.3 耐候性劣化度早期予測試験法
第3節 付着性の向上対策、はがれ事例から見る原因と対策とは?
1.付着性の向上対策について
付着性の向上に関するQ&A
Q1 金属の表面処理作業の工程/
Q2 リン酸亜鉛処理とリン酸鉄処理の違い
Q3 ガラスに対する付着性を向上させる方法
2.塗膜のはく離事例-水道鋼管用ポリエチレン(PE)内面コートのはく離
2.1 事件の概要
2.2 鋼管のPE被覆作業と工程
2.3 PE粉体と被膜の物性について
2.3.1 PE粉体の溶融粘度
2.3.2 PE粉体と被膜の熱的特性
2.3.3 体積収縮と内部応力について
2.3.4気体透過性と吸水率
2.4 プライマーの必要性について
2.5 鑑定実験について
2.5.1 試験体について
2.5.2 内部応力の影響について
2.5.3 結果の評価について
2.6 鑑定実験からわかったこと
2.6.1 ブラスト材の種類の影響
2.6.2 プライマー有無の影響
第4節 割れ、重ね塗りのポイントとは?
割れ・重ね塗りのQ&A
Q1 割れの原因の図解
Q2 2層塗膜での割れの再現
Q3 割れ目塗料の設計のポイント
Q4 割れ目サイズの意味
他
第5節 塗装における静電気の防止・有効活用とは?
1.静電気とは何か
1.1 静電気の発生
1.2 静電気の漏洩・流失
1.3 接触・摩擦・剥離以外の帯電方法
2.静電気を防止するには
2.1 発生を抑制する
2.2 静電気を漏洩・流出させる
2.3 静電気を中和・放電させる
3.静電気の有効活用
3.1 静電気力
3.2 静電塗装
第6節 現場で行うトラブル対応とは?
1.トラブルシューティングとは?
2.概論
3.区分
4.対応ステップ
5.対策の進め方
5.1 困っている状況の見える化
5.2 困っている状況を共有し、全員参加で改善スタート
5.3 品質の見える化
5.4 見える化ツールの活用による現象の見える化
5.4.1 不具合現象の見える化:マイクロスコープ
5.4.2 ホコリの見える化:HID ライト
5.4.3 落下塵の見える化:粘着シート
5.5 原因の考察
5.6 対策と振り返り
6.具体的事例
6.1 困っている状況の見える化
6.2 困っている状況を共有
6.3 品質の見える化
6.4 見える化ツールの活用
6.5 原因の考察
6.6 対策と振り返り
6.7 改善の結果
第7節 塗料・塗膜に関わる法規制の概要
1.国際的な化学物質管理の動向
2.GHS 関連について
3.化学物質管理に関する国内法令
3.1 化学物資審査規制法(化審法)
3.2 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)
3.3 労働安全衛生法(安衛法または労安法)
3.4 毒物及び劇物取締法(毒劇法)
3.5 消防法
3.6 水質汚濁防止法
3.7 廃棄物の処理および清掃に関する法律(廃掃法)
3.8 悪臭防止法
3.9 土壌汚染対策法
4.自主的な取り組み
4.1 コーティング・ケア
4.2 塗料・塗装からのVOC 排出抑制
4.3 室内環境改善のためのホルムアルデヒドの自主管理
第8節 自動車用塗料・塗装の問題
1.塗料製造時の問題
2.塗料納入時の問題
3.塗装から硬化乾燥工程の問題
4.自動車塗装の耐久性に関する問題
4.1 変退色に関する不具合
4.2 塗膜のサーマルクラック
4.3 塗膜のワレ・ハガレ
4.4 酸性雨による不具合