著者(敬称略)
旭硝子株式会社 工学博士 岡部 正明
【ご専門】
化学物質に関するリスクコミュニケーション
環境リスクマネジメント
【ご経歴】
1983年 旭硝子株式会社入社
2002年 英国レスター大学MBA
2006年 英国スタッフォードシャー大学大学院環境学修士
2007年 技術士(環境部門)
2008年 技術士(総合技術監理部門)
2009年 横浜国立大学環境情報学府 博士(工学)
現在 旭硝子株式会社経営企画本部SDGs推進部プロフェッショナル
発刊・体裁・価格
発刊 2018年5月15日 定価 41,800円 (税込(消費税10%))
体裁 B5判 263ページ ISBN 978-4-86502-149-3 →詳細、申込方法はこちらを参照
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著者より
2009年1月に欧州連合(EU)でCLP規制(Regulation on Classification, Labelling and Packaging of substances and mixtures)が発効した。CLP規制とは、欧州における化学品の分類、表示及び包装に関する規制である。欧州域内では、ラベルおよびSDSについてCLP規制に記載内容を合わせる必要がある。本書は、2017 年7 月発行のCLP 規則のガイダンス(Guidance on labelling and packaging in accordance with Regulation (EC) No 1272/2008)第3 版に対応している。これはCLP、 規則の物質と混合物の分類は8 次ATP(技術的及び科学的進歩への適合:adaptation to technical and scientific progress)を反映しており、基本的にGHS 改定5 版に合わせている。
本書では、ラベルおよびSDSについての基本的な知識がある方を対象とし、CLP規則に準拠したGHSの分類及びラベルおよびSDSの作成について解説する。
今回は、8次ATPの後に発表されたCLP規則の第9次改訂および第10次改訂のポイントについても触れた。また国内では、JIS Z 7253:2012がラベルおよびSDSを統合したものとして2012年3月に発行されているが、このJISとの相違についても触れている。
本書が読者の皆様にとって、CLP規則に準じたラベルおよびSDSの理解に少しでも役に立てば幸甚である。
こんなことが理解出来ます!
★CLP規則の要求事項、ラベルおよびSDS作成のポイントとは?
★GHS・JISとの比較・差異とは?
★CLP規則の概要・内容、定義、分類、区分
★CLP規則に則したラベルおよびSDS作成のポイント
★CLP第9次改訂および第10次改訂のポイント
★混合物の分類についての「つなぎの原則」の理解
★JIS Z 7253:2012との比較
目次
第1章 CLP規則とは
1. CLP規則の概要
2. REACHとの関係
3. CLP規制本文の内容
3.1 CLP規則の前文とその解説
3.2 CLP規則の本文の内容
Ⅰ. 一般的事項
Ⅱ. 危険有害性分類
Ⅲ. 表示書式による危険有害性伝達
Ⅳ. 包装
Ⅴ. 物質の分類と表示の調和と表示のインベントリー
Ⅵ. 所管と執行
Ⅶ. 共通事項と最終条項
3.3 CLP規則附属書Ⅰ~Ⅶの内容
4. CLP規則のATP 68
・9次ATP
・10次ATP
第2章 CLP規則で使用される言葉の定義
1. 危険有害性クラス
2. 危険有害性区分
3. 危険有害性絵表示
4. 注意喚起語
5. 危険有害性説明
6. 注意書き
7. 物質
8. 混合物
9. 成形品
10. 成形品の生産者
11. ポリマー
12. モノマー
13. 登録者
14. 製造
15. 製造者
16. 輸入
17. 輸入者
18. 販売
19. 川下使用者
20. 流通業者
21. 中間体
22. 単離されない中間体
23. 欧州化学品庁
24. 権限当局
25. 使用
26. 供給者
27. 合金
28. UN RTDG
29. 通知者
30. 科学的研究開発
31. カットオフ値
32. 濃度限界
33. 区別
34. Mファクター
35. 包装
36. 包装材
37. 中間包装材
第3章 CLPによる分類
1. 火薬類
2. 可燃性/引火性ガス
3. 可燃性/引火性エアゾール
4. 支燃性/酸化性ガス
5. 高圧ガス
6. 引火性液体
7. 可燃性固体
8. 自己反応性物質
9. 自然発火性液体
10. 自然発火性固体
11. 自己発熱性化学品
12. 水反応可燃性化学品
13. 酸化性液体
14. 酸化性固体の定義
15. 有機過酸化物の定義
16. 金属腐食性物質
17. 急性毒性
18. 皮膚腐食性/刺激性
19. 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
20. 呼吸器感作性または皮膚感作性
21. 生殖細胞変異原生
22. 発がん性
23. 生殖毒性
24. 特定標的臓器毒性/全身毒性(単回暴露)
25. 特定標的臓器毒性/全身毒性(反復暴露)
26. 吸引性呼吸器有害性
27. 水生環境有害性
28. オゾン層破壊
第4章 CLP規則に対応したラベル・SDS作成のポイント
1. CLP規則とGHSの分類区分の違い
2. 引火性液体
3. 急性毒性
4. 皮膚腐食性/刺激性
5. 眼に対する重篤な損傷/眼刺激性
6. 吸引性呼吸器有害性
7. 水生環境急性有害性
8. オゾン層に対する有害性
9. CLP対応SDSとGHS対応SDSの注意点
10. CLP規則のカットオフ値
11. 新規にSDSの作成が必要になるもの
12. 危険有害性説明
13. 注意書き
14. EU独自の危険有害性(ハザードクラス)
15. 補足ラベル要素
16. 包装等に関する特別規則
第5章 つなぎの原則
1. つなぎの原則
2. 希釈1
3. 希釈2
4. 製造バッチ
5. 毒性の高い混合物の濃縮
6. ひとつの毒性区分内での内挿
7. 本質的に類似した混合物
8. エアゾール
第6章 混合物のSDS作成演習(GHS分類)
1. 急性毒性(解説)
2. 皮膚腐食性/刺激性(解説)
3. 引火性液体(演習)
4. 急性毒性(経口)(演習)
5. 急性毒性(吸入)
6. 皮膚毒性(演習)
7. 眼に対する重篤な損傷性/刺激性(演習)
8. その他の有害性(演習)
第7章 混合物のSDS作成演習解答例(GHS分類)
1. 引火性液体
2. 急性毒性
3. 皮膚腐食性/刺激性
4. 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
5. その他有害性
6. 解説
第8章 参考1 JIS Z7253(ラベル)について
1. 危険有害性を表す絵表示
2. 注意喚起語
3. 危険有害性情報
4. 注意書き
5. 化学品の名称
6. 供給者を特定する情報
第9章 参考2 JIS Z7253(ラベル)について
1. 化学物質等及び会社情報
2. 危険有害性の要約
3. 組成及び成分情報
4. 応急措置
5. 火災時の措置
6. 漏出時の措置
7. 取扱い及び保管上の注意
8. ばく露防止措置及び保護措置
9. 物理的及び化学的性質
10. 安定性及び反応性
11. 有害性情報
12. 環境影響情報
13. 廃棄上の注意
14. 輸送上の注意
15. 適用法令
16. その他の情報
参考文献