著者
東京都市大学 環境学部 客員教授
株式会社日立製作所 国際標準化推進室 主管技師長 工学博士
市川 芳明 著
1979年 東京大学工学部機械工学科卒業。入社後、原子力の保全技術及びロボティクス分野の研究に従事。1995年より環境保全分野のソリューションビジネスを立ち上げ、その後本社にて、グローバルな環境戦略を担当。東京工業大学、お茶の水女子大学、筑波大学等の非常勤講師を歴任。
IEC(国際電気標準会議) TC111(環境規格)前国際議長、IEC ACEA(環境諮問委員会)日本代表、ISO TC268/S(スマートコミュニティインフラ)国際議長、ISO TC207(環境マネジメント)エキスパート、ISO14006(エコデザインマネジメント)エキスパート、ISO14067(カーボンフットプリント)エキスパート、CENELEC(欧州電気標準委員会)オブザーバー、JISC(日本工業標準調査会)委員。工学博士、技術士(情報工学)。
≪専門≫ 国際標準化、環境科学、システム工学
≪受賞≫
平成10年 環境賞優良賞(環境調査センタ/ 日刊工業新聞社)
平成15年 実践貢献賞( 環境経営学会)
平成16年 優秀論文賞(産業環境管理協会)
平成18年 EcoDesign2006 優秀論文賞
平成19年 IEC 1906 Award
平成20年 Electronics Goes Green 2008 Award
≪著書≫
環境ISO 攻略読本(中央法規出版)、環境影響評価入門(日経BP 社)
環境適合設計の実際(オーム社)、PRTR の実務ノウハウ( オーム社)
新たな規制をビジネスチャンスに変える環境経営戦略(中央法規出版)
EuP 指令とエコデザインマネジメント入門(産環協)
REACH 対応実務の手引き(中央法規出版)
環境配慮設計(エコデザイン)の要求事項(規格協会)
≪WEB 連載≫
日経ビジネスオンライン「世界標準化戦争」
第一法規 WES「製品環境規制とグローバルスタンダード」
発刊・体裁・価格
発刊 2018年11月15日 定価 33,000円 (税込(消費税10%))
体裁 B5判 231ページ ISBN 978-4-86502-160-8 →詳細、申込方法はこちらを参照
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■著者より
欧州RoHS指令が改正され,2011年7月1日にRoHS 2(2011/65/EU)が公布された。
本改正は2013年1月から施行されたが,都度改正が行われており,各条項を理解する必要がある。
加えて,最も重要なポイントとしてRoHS2以降、CEマーキング指令になったこと, CEマーキング指令としての適合性検証と必要書類の準備などが急務となっている。
そこで本書では,まず欧州委員会のガイダンス文書の内容等も踏まえ,逐条解説を行う。次に,CEマーキング対応および,適合性検証の要である整合規格を徹底解説する。
整合規格EN50581の要求事項,さらに参照規格として引用されている禁止物質の測定法IEC62321の要点, IEC62474(材料宣言)の内容をわかりやすく解説する。
また、本書は2018年5月改訂までの内容を掲載している。
■こんなことが理解できます
★RoHS2指令条項、EN50581、IEC62321、IEC62474を正しく理解しましょう。
★CEマーキングへの対応方法とは?
・RoHS2指令と旧RoHSとの違い
・RoHS2指令独自の条項の正確な理解
・CEマーキングへの対応方法
・整合規格EN50581の要求事項
・順整合規格IEC 62321,IEC 62474の内容の理解
・日本企業としての対処方法の留意点とポイント
目次
※本書は「2012年発刊 改正RoHS指令および整合規格の徹底理解 書籍」に2018年5月迄の改訂を加筆したものとなります。
第1章 欧州RoHS指令そして改定法(RoHS2)の重大な影響
1. RoHS1指令の概要
2. RoHS改定の要点
第2章 RoHS指令改訂の新旧対照
1. 適用範囲
2. 定義
3. 予防
4. 科学的・技術的進歩の適応
5. 制限物質の見直し(Review)
6. CEマーキング関係の義務条項
7. 欧州委員会の手続き
8. 罰則
9. 見直し
10. その他の条項
11. 対象機器のカテゴリー
第3章 RoHS2 主要条項の逐条解説と欧州委員会のFAQによる解釈
1. 序文
2. 第1条 対象事項
3. 第2 条 範囲
3.1 第1項、2項および3項
3.2 第4項
4. 第4条 予防
4.1 第1項
4.2 第2項
4.3 第3項および4項
4.4 第5項および6項
5. 第5条(付属書への科学的・技術的進歩の適応)
5.1 第1項
5.2 第2項
5.3 第3項~第7項
6. 第6 条 付属書II の制限物質リスト見直しおよび修正
6.1 第1項
6.2 第2項と3項
7. 第7条(製造業者の義務)
8. 第8条 正規代理人の義務
9. 第9条 輸入業者の義務
10. 第10条 流通業者の義務
11. 第11 条 製造業者の義務が輸入業者および流通業者に適用される場合
12. 第12条 経済事業者の特定
13. 第13 条 EU 適合宣言
14. 第14条 CEマーキングの一般原則
15. 第15条 CE マーキング貼付のための規則および条件
16. 第16条 見做し適合
17. 第17条 整合規格への正式な異議申し立て
18. 第18条 EU 市場に投入された電気電子機器のマーケット監視および管理
19. 第19条 委員会
20. 第20条 委任の実行
21. 第21条 委任の撤廃
22. 第22条 委任された法行為に対する異議申立
23. 第23条 罰則
24. 第24条 見直し
25. 第25条 国内法化
26. 第26条 撤廃
27. 第27条 発効
28. 第28条 宛先
第4章 CEマーキング指令になると何が変わるか?
1. CEマーキングとニューアプローチ
2. 標準の重要性
3. モジュールAと技術文書
3.1 コンプライアンス業務の流れ
3.2 モジュールというもの
3.3 技術文書
4. 適合宣言
第5章 整合規格 EN 50581
1. 整合規格に関わる国際標準機関と欧州標準機関
2. RoHS2整合規格の開発を依頼するMandate 499
3. EN 50581の要求事項
3.1 文書の構成
3.2 序文と適用範囲の内容
3.3 定義
3.4 箇条4.1 と4.2の要求事項
3.5 箇条4.3における4.3.1の要求事項
3.6 箇条4.3における4.3.2項の要求事項
3.7 箇条4.3における4.3.3項の要求事項
3.8 箇条4.3における4.3.4項の要求事項
3.9 箇条4.3における4.3.5項の要求事項
第6章 試験アプローチのための引用整合規格IEC 62321
1. 規格で用いられる様々な測定方法
1.1 AAS(原子吸光分析)とCV-AAS(還元気化原子吸光光度法)
1.2 ICP-OES(ICP原子発光分析)
1.3 ICP-MS(ICP質量分析)
1.4 GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析)
1.5 CV-AFS(冷蒸気原子蛍光分析)
1.6 XRF(蛍光X線分析)
2. 現在のIEC 62321初版
2.1 IEC 62321初版の全体構成
2.2 試験方法の概要
3. IEC 62321改訂作業
4. 金属表面コーティング中の六価クロムの問題
第7章 エビデンスアプローチのための参照規格IEC 62474
1. IEC 62474の概要
1.1 IEC 62474の生まれた背景
1.2 IEC 62474の構成とデータベースプロジェクトの関係
2. 本規格の目的と適用範囲
3. 基本概念
3.1 物質と物質群
3.2 材料/材料クラス
4. 基本データへの要求事項
4.1 データ構成
4.2 基本データ要求(箇条4.2)
5. 追加データへの要求事項
5.1 データ構成
5.2 データ要求(箇条4.3)
6. その他の要求事項
7. IEC DB 62474と物質等の採録基準
7.1 対象物質/物質群
7.2 その他の採録事項
8. 材料宣言の記載事例
8.1 追加データを含めた記載例
8.2 基本データのみの記載例
9. IEC DB 62474の実際
第8章 日本企業のためのQ&A集
<質問1>
「技術文書のエビデンスのところで、分析データを必ずしも使う必要はないということですが、使用する場合、EN 50581では試験方法の規格IEC 62321を使いなさいと規定しており、たとえば、CDレベルのフタル酸エステルの測定規格の発行が、法律の施行スケジュールに間に合わない場合、どのような対応を取ったらよいのでしょうか?」
<質問2>
「同じ測定の質問です。試料が容易に測定できる場合には、サプライヤーに測定をお願いして、結果を出してもらっています。その際、いままでは特に測定方法を規定しておりませんでしたが、今後はIEC 62431を指定すべきでしょうか?」
<質問3>
「サプライヤーからの不使用証明書があればRoHS2の適合宣言は可能ですか?」
<質問4>
「何万点ものパーツから構成される製品もあります。そのような製品では、あやしいパーツのみを検証することでよいのでしょうか?」
<質問5>
「Placing on the marketの定義は「輸入の時点」もしくは「欧州現地法人の在庫からの出荷時」のどちらでしょうか?」
<質問6>
「技術文書に記載する内容についてどのレベルまで詳細に記載すべきでしょうか。例えば、電子基板に印をつける油性ペンなども記載すべきでしょうか?」
<質問7>
「国内で運用されているJAMP(ChemSHERPA)などの化学物質調査データや様式などは「技術文書」の一部として位置づけ可能なのでしょうか?」
<質問8>
「弊社は業務用の食品製造ロボットを製造販売しております。一般家庭での使用は意図しておらず、飲食店やスーパーなどでの使用を意図しています。この製品はRoHS2の適用範囲になりますか?」
<質問9>
「例えばモーターなどは部品単体としてCEマーキングの必要はありますか?」
<質問10>
「カテゴリーの適用日以前でもCEマーキングしてよいものでしょうか?」
<質問11>
「いままでは任意のマークでRoHS適合ができました。これからは、CEマークを付けないと適合という表現はできないのでしょうか?」
<質問12>
「ラボ用の遠心分離機はどのカテゴリーでしょうか?」
<質問13>
「技術文書として保持するデータは電子データでよいか、それとも紙媒体であることが必要ですか?」
<質問14>
「現在EMC指令と低電圧指令の適合宣言書を製品に添付しています。RoHS2の適合宣言書は、現在の適合宣言書に追加すればよいのでしょうか、あるいはRoHS2専用の適合宣言書がいるのでしょうか?」
<質問15>
「整合規格として正式に官報公示されていない規格の番号を、適合宣言書に記載してもよいのでしょうか?」
<質問16>
「製品カテゴリーは適合宣言書に記載するのでしょうか、それとも技術文書に記載するのでしょうか?」
<質問17>
「適合性根拠試料(分析データ、サプライヤー宣言など)は現在日本語ですが、全てを英文にしなくてはいけないのでしょうか?」
付 録 RoHS2全文和訳