発刊・体裁・価格
発刊 2020年5月27日 定価 59,400円 (税込(消費税10%))
体裁 B5判 248ページ ISBN 978-4-86502-189-9 →詳細、申込方法はこちらを参照
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本書のポイント
人工知能の知財戦略から契約のポイント、XAI、AI品質保証までAIのビジネス展開に必須の情報が凝縮!
★ますます隆盛となる人工知能ビジネス。勝つためには何をすればよいのか?
AIビジネスへの参入方法から知財戦略、法規制、失敗しないための実務まで
時代を生き抜くポイントを完全網羅!AI関連業務を考える方必携の1冊!
★AI/ データの利用に関する契約ガイドライン等
国が整備を進める基盤のポイントや関連法規制の最新動向を詳説!
★AIビジネスを保護する法規制とは?オープン・クローズ戦略等
AI知財戦略の勘所を掲載!効果的な特許検索とは?
明細書・クレームの具体例とは?AIスタートアップの知財戦略とは?
損をしない契約のテクニックとは?
特許による権利の守り方や海外のビジネス動向・出願戦略も詳細に掲載
★AIをビジネスに導入するためには何をすればよいのか?
社内体制の構築方法、必要な人材要件、トラブルを回避する仕組みづくりから
AIの説明方法・品質保証まで、スムーズなAIビジネスに向けた知識を取得
★自動車・医療/ヘルスケア・モノづくり製造現場 各分野の事例も掲載
具体例を見てAIビジネスの進め方をイメージしよう
執筆者一覧(敬称略)
〇西村あさひ法律事務所 福岡 真之介
〇磯野国際特許商標事務所 町田 能章
〇知財コンサルタント&アナリスト 菅田 正夫
〇株式会社国際電気通信基礎技術研究所 酒井 將行
〇河野特許事務所 河野 英仁
〇テクノスデータサイエンス・エンジニアリング株式会社 秋元 崇
〇渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 松下 外
〇株式会社モルフォAIソリューションズ 神田 武
〇大阪大学 原 聡
〇株式会社日立製作所 小川 秀人
〇真英法律事務所 堀川 正顕
〇インテル株式会社 野辺 継男
〇株式会社マクニカ 楠 貴弘
目次
第1章 国が整備を進めるAI基盤
第1節 AI/ データの利用に関する契約ガイドラインのポイント
1.AI/ データの利用に関する契約ガイドライン作成の経緯
2.AI・データの利用に関する契約ガイドライン作成の概要
2.1 AI ガイドラインが対象とするAI 技術
3.AI ソフトウェア開発の特徴
3.1 従来のソフトウェア開発と比較した場合のAI ソフトウェア開発の特性
3.1.1 学習済みモデルの内容・性能等が契約締結時に不明瞭な場合が多いこと
3.1.2 学習済みモデルの内容・性能等がデータに依存する
3.1.3 ノウハウの重要性が特に高いこと
3.1.4 生成物に更なる再利用の需要が存在すること
3.1.5 探索的なアプローチが採用されやすいこと
3.2 学習済みモデルの特性を理解することの重要性
4.AI ソフトウェア開発で問題になる点
5.探索的段階型の開発方式
6.AI ソフトウェア開発契約に関する法律と交渉のポイント
6.1 権利関係・利用条件に関する規定
6.1.1 生データ
6.1.2 学習用データセット
6.1.3 学習用プログラム
6.1.4 学習済みモデル
6.1.5 推論プログラム
6.1.6 学習済みパラメータ
6.1.7 ノウハウ
6.2 責任分配に関する規定
7.AI ソフトウェア開発のモデル契約
7.1 本モデル契約の特徴
7.2 各モデル契約
7.2.1 アセスメント段階:秘密保持契約書
7.2.2 PoC 段階:導入検証契約書
7.2.3 開発段階:ソフトウェア開発契約書
第2節 AIに関連する法律と法改正
1.平成30 年著作権法改正
1.1 著作権法30 条の4 の規定
2.平成30 年不正競争防止法改正
2.1 限定提供データが創設された背景
2.2 限定提供データの定義
2.2.1 限定提供性(「業として特定の者に提供」)
2.2.2 電磁的管理性(「特定の者に提供する情報として電磁的方法・・・・・・により・・・・・・蓄積され、及び管理されている」)
2.2.3 相当蓄積性
2.2.4 技術上又は営業上の情報「( 秘密として管理されているものを除く。)」
2.3 限定提供データに係る不正競争行為
2.4 営業秘密に係る不正競争行為との相違点
2.5 限定提供データに係る不正競争行為に対する措置
第2章 AIビジネスの知財戦略
第1節 AI ビジネスを保護可能な知財制度について
1.AI ビジネスの概要
2.AI ビジネスを保護可能な知的財産権の種類
2.1 特許権による保護の可能性
2.1.1 生データ、学習用データセットの発明該当性
2.1.2 機械学習アルゴリズムの発明該当性
2.1.3 学習済みモデルの発明該当性
2.1.4 AI システムの保護
2.2 著作権、不正競争防止法( 営業秘密) による保護の可能性
2.2.1 AI ビジネスと著作権
2.2.2 AI ビジネスと不正競争防止法( 営業秘密)
2.3 まとめ
3.派生モデルと蒸留モデルに関する問題
3.1 派生モデル
3.2 蒸留
4.AI 創作物の保護の可能性
4.1 AI 創作物とは
4.2 AI が提案した化合物・医薬は特許されるか
第2節 知財戦略策定のポイント
1.AI関連発明に基づく特許出願
2.AI関連発明の特許出願方法
3.AI関連発明における,オープン・クローズ戦略
3.1 オープン・クローズ戦略に基づく特許出願
3.2 費用対効果までを意識した特許出願のあり方
4.AI関連発明の特許出願戦略 ~費用 v. 効果~
4.1 「AI関連発明を特許化するに必要な費用」という観点
4.2 「AI関連発明の知財戦略における効果」という観点
4.2.1 「出願までに,1年程度」と推察される場合
4.2.2 「出願までが,2~3年程度」と推察される場合
4.2.3 「出願時期は,5年後以降」と推察される場合
4.3 特許出願と社外秘ノウハウ
5.AI関連発明に関わる特許の検索方法
5.1 WIPO版:AI関連発明特許の検索式
5.2 日本特許庁版:AI関連発明特許の検索式
5.3 IPO版:AI関連発明特許の検索式
5.4 実務に役立つAI関連発明特許の検索式
5.4.1 特許分類候補
5.4.2 キーワード候補
5.4.3 注目出願人の技術紹介
6.AI関連発明特許の評価方法
第3節 AIに関する強い特許の作り方
1.何を保護対象としてクレーム・明細書を作成すべきか?
1.1 AI・IoT 技術とビジネス
1.2 何を、知的財産権による保護対象と考えるべきか?
2.「データ駆動型人工知能」に関連する技術の明細書・クレームの記載の検討
2.1 「学習済みモデル」のクレームについて
2.2 学習済みモデルの生成方法のクレームについて
2.3 「学習用データ」を保護するためのクレームについて
2.3.1 データ構造のクレーム
2.3.2 学習用データの生成方法のクレームについて
3.「データ駆動型人工知能」の明細書・クレームをいかに記載すべきか?
3.1 実施可能要件・サポート要件の充足のために
4.「データ駆動型人工知能」に関連する技術の明細書・クレームの具体例
4.1 具体例:「スマートゴルフレッスンシステム」
4.2 「スマートゴルフレッスンシステム」に対する明細書中の開示
4.3 「スマートゴルフレッスンシステム」の他の実施の形態
第4節 AIスタートアップと知財戦略
1.AI スタートアップと特許
2.AI スタートアップに必要な知財戦略
3.AI 特許事例
第3章 AIビジネスの導入検討と契約
第1節 AI新規導入の検討~ビジネス化すべきかの判断~
1.AI ビジネスを失敗させないための準備
1.1 AI を活用する目的とその達成方法を理解する
1.2 AI ビジネス導入のための活動と役割を知る
1.3 AI ビジネス推進組織の体制を構築する
1.4 AI 活用文化を醸成する
2.失敗せずに新規にAI を導入するための準備
2.1 長期的なAI 内製化の目標を設定する
2.2 AI で解決する業務課題を選定する
2.3 PoC の実施
3.AI ビジネスを発展させるために
第2節 「漏れのない契約・損をしない契約」とその実務
1.検討事項
2.業務分担
2.1 学習用データセットの生成
2.2 学習済みモデルの生成
3.費用負担
4.データの取り扱い
4.1 データの法的性質
4.2 データを契約上取り扱う際の視点
4.2.1 知的財産権の存否による違い
4.2.2 「帰属」について
4.2.3 データの利用条件の設定
4.3 事実上の保護の重要性
5.学習済みモデルの取扱い
5.1 学習済みモデルの特殊性
5.2 権利帰属
5.2.1 議論の対象が知的財産権の対象か
5.2.2 権利行使の必要性
5.2.3 権利行使の実効性
5.3 利用条件
第4章 AIビジネスを軌道に乗せるための必要実務
第1節 社内体制の構築
1.AI活用を推進するための組織設計
2.総合商社におけるDX専門組織
2.1 三菱商事 ― デジタル領域への参入をトップダウン型組織で推進
2.2 三井物産 ― アジャイル・ボトムアップでの事業開発で先行
2.3 住友商事 ― グループのDX活動を推進するための戦略的子会社を設立
2.4 DX組織に関するまとめ
2.4.1 AIプロジェクトの推進体制
2.4.2 専門人材の雇用形態
3.AIプロジェクトを推進するための人材要件
3.1 AI系人材の種類
3.2 従来のIT系人材と比較したAI系人材の特徴
3.3 高レベルAI系人材の人物像
第2節 AIを説明するための手法
1.機械学習における「説明」
1.1 「説明」とは何か
1.2 説明法を使う上での注意
1.3 説明法の使い方
2.可読なモデルによる説明
2.1 線形回帰モデル
2.2 線形分類モデル
2.3 線形モデルの可読性
2.4 可読なモデルの限界
3.変数重要度による説明
3.1 変数重要度による説明
3.2 Permutation Importance
3.3 感度分析
4.関連事例による説明
4.1 関連事例による説明とは
4.2 距離・類似度
第3節 AIビジネスにおける品質保証
1.AIビジネスと品質保証
1.1 品質保証の必要性
1.2 AIの品質に関わる事例
1.3 ソフトウェアビジネスにおける品質保証
1.3.1 品質保証の定義
1.3.2 品質の定義
2.AIの技術的特性と品質
2.1 AI技術の概要
2.1.1 AI技術の分類
2.1.2 機械学習技術の概要
2.2 機械学習と品質
2.2.1 訓練データと仕様
2.2.2 モデルの理解性
2.2.3 モデルの精度評価
2.2.4 機械学習における不具合の影響
2.2.5 内挿と外挿
2.2.6 モデルの修正
2.2.7 モデルと運用環境
3.AIビジネスにおける品質
3.1 AIプロダクトの品質特性
3.1.1 AI搭載製品の製品品質
3.1.2 AIプロダクトに向けた品質モデルの拡張
4.AIビジネスにおける品質保証
4.1 品質保証の枠組み
4.1.1 品質保証において考慮すべき軸
4.1.2 品質保証の軸のバランス
4.2 品質管理のための手法
4.2.1 プロダクト品質の評価
4.2.2 プロセス品質の評価
5.品質に関する説明責任
5.1 国際的な議論のためのAI開発ガイドライン案
5.2 人工知能学会:人工知能学会倫理指針
5.3 European Commission : Ethics guidelines for trustworthy AI
第4節 AIビジネスで問題を起こさないための仕組みづくりと対応
1.AI ビジネスで発生する問題への誤った視点と留意点
1.1 倫理を軽視しないこと
1.2 倫理に萎縮しないこと
1.3 ガイドライン活用時の留意点
2.AI ビジネスで問題が発生した事例と問題が発生するポイント
2.1 プライバシーに関する問題
2.1.1 内定辞退率の提供に関する事例
2.1.2 初期設定で格付けスコアが算出されていた事例
2.2 FAT に関する問題
2.2.1 ソフトウェアによる再犯リスク予測に関する事例
2.2.2 AI を活用した人材採用システムの開発中止に関する事例
3.AI ビジネスで問題を起こさないための仕組み
3.1 プライバシーに関する問題を起こさないための仕組み
3.1.1 プライバシー・バイ・デザイン
3.1.2 プライバシーポリシーや利用規約
3.1.3 第三者との共有に関する留意事項
3.2 FAT に関する問題を起こさないための仕組み
3.2.1 企画・設計段階
3.2.2 開発段階
4.AI ビジネスで問題が発生した場合の対応
4.1 危機管理対応の初動
4.2 AI の判断に対する検証
4.3 救済措置、補償と賠償
5.更なる課題
第5章 国外におけるAIビジネス戦略
第1節 海外の状況
1.AI に関する論文及び起業状況
2.特許による分析
第2節 海外出願のノウハウ
1.米国におけるAI 発明の保護適格性
2.中国におけるAI 発明の保護適格性
3.欧州におけるAI 発明の保護適格性
第6章 アプリケーション別AI戦略事例
第1節 AI、IoTがもたらす自動運転の技術革新
1.自動運転に向けたクルマの変化 (Vehicle IoTの発達)
2.ディープラーニングによる自動運転実現の早期化
3.自動運転の開発は2つの異なる方向性で進められる
4.3次元地図の重要性とディープラーニング
5.モビリティの変化: MaaSへの発達とディープラーニング
6.自動車産業におけるその他のディープラーニングの利用
7.今後の技術課題
第2節 医療・ヘルスケア
1.医療・ヘルスケア領域におけるAI基盤関連技術の活用
2.医療・ヘルスケア領域におけるAI基盤関連技術の活用事例
3.AI基盤技術搭載医療機器:今後の展望
3.1 説明可能なAI(XAI:Explainable Artificial Intelligence)
3.2 「説明可能なAI」の医療診断への応用
3.2.1 日本電気の「説明可能なAI」への取り組み
3.2.2 富士通の「説明可能なAI」への取り組み
第3節 モノづくり・製造現場におけるAI活用の課題と取り組み
1.スマートファクトリーは競争力の源泉
2.スマートファクトリー実現へのステップ
2.1 現場の可視化 ~客観的な現状把握~
2.2 問題・課題の明確化 ~AI活用、その前に~
2.3 新たな付加価値の創出 ~工場を超えた全体最適~
3.製造現場におけるAI活用
3.1 異常検知
3.2 予兆検知
3.3 外観検査自動化
3.4 不良原因分析・歩留まり改善
3.5 最適化による品質向上
4.モノづくり×AIの実運用を成功させるカギ
4.1 AIモデルの精度監視
4.2 学習データ・AIモデルのバージョン管理
4.3 現場が受け入れやすいシステム