発刊・体裁・価格
発刊 2022年7月14日 定価 61,600円(税込(消費税10%))
体裁 B5判 253ページ ISBN 978-4-86502-237-7 →詳細、申込方法はこちらを参照
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本書のポイント
★燃料・燃焼分野を直撃する環境対応の強化。
既存内燃機関を活かし二酸化炭素の削減を目指すには?
★CO2削減に寄与する燃料について各分野の解説を丸ごと1冊にまとめた決定版!
EVに移行すれば解決…というほど環境対応は甘くない!様々な観点からCO2削減を考えるべき時代、
環境にやさしい燃料とは何があり、実用化への道はどうなっているのか?
航空・船舶・自動車・発電各業界側/燃料側の視点それぞれから燃料の環境対応を徹底解説!
水素:水素の製造・コスト・開発動向は?クリーンエネルギーを水素化して活用するには?水素は燃料としてどう活用される?
アンモニア:アンモニアの物性は?水素との混合燃料の特性は?内燃機関内での挙動は?
合成燃料:CO2を利用することでカーボンニュートラルを目指す合成燃料/efuel
メタネーションからFT合成、DME合成等、各製造技術と課題、可能性を示唆!
バイオ燃料:藻類やバイオガス等の技術進化も進み再注目のバイオ燃料。その二酸化炭素削減効果と動向とは?
執筆者一覧(敬称略)
○東京工業大学 加藤之貴
○東洋エンジニアリング(株) 寺井聡
○(公財)日本海事センター 森本清二郎
○(公財)日本海事センター 坂本尚繁
○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 石倉拓史
○電源開発(株) 野口嘉一
○(国研)産業技術総合研究所 小熊光晴
○信州大学/(株)X-Scientia 古山通久
○東京電力ホールディングス(株) 矢田部隆志
○(一財)エネルギー総合工学研究所 石本祐樹
○岐阜大学 神原信志
○香川大学 奥村幸彦
○群馬大学 ゴンザレスファン
○群馬大学 荒木幹也
○群馬総合カレッジ 太田工科専門学校 志賀聖一
○IAV(株) 渡辺武志
○(株)INPEX 若山樹
○成蹊大学 里川重夫
○千代田化工建設(株) 細野恭生
○(国研)産業技術総合研究所 坂西欣也
○Daigasエナジー(株)大隅省二郎
○宮崎大学/(株)ラビリンチュラ 松田綾子
○宮崎大学/(株)ラビリンチュラ 林雅弘
○東京都市大学 高津淑人
目次
第1章 今後の燃料の動向とカーボンニュートラル燃料
第1節 脱炭素への機運とカーボンニュートラル燃料への注目の高まり
1.カーボンニュートラル社会実現の必要性
2.カーボンニュートラル燃料
3.カーボンニュートラル燃料の価値
4.COをハブとしたカーボンリサイクル
5.カーボンニュートラル燃料の今後の展開
第2節 各業界ごとの燃料事情
第1項 航空
1.航空分野のCO2 排出量と排出削減取組みについて
2.持続可能な航空燃料(SAF) 製造技術と燃料規格について
3.CORSIA ( 国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム) のメカニズムについて
4.SAF 導入へ向けた取組み
第2項 国際海運の温室効果ガス削減対策と代替燃料に関する動向
1.国際海運の温室効果ガス削減対策に関する動向
1.1 国際海運の温室効果ガス排出量
1.2 国際海運の温室効果ガス削減対策
1.2.1 導入又は合意済みの対策
1.2.2 検討中の対策
2.国際海運の代替燃料に関する動向
2.1 代替燃料のオプション
2.2 代替燃料の導入に関する動向
2.2.1 代替燃料の導入に向けた方針
2.2.2 代替燃料の導入に向けた開発・実証事業
第3項 自動車
1.世界を取り巻くカーボンニュートラルの動向
1.1 気候変動対策が迫る自動車づくりの変革
1.2 各国のカーボンニュートラル目標
2.自動車業界におけるカーボンニュートラル対応動向
2.1 完成車メーカーの動き
2.1.1 カーボンニュートラル達成目標と電動車へのシフト
2.1.2 既存のエンジン技術を活かしたカーボンニュートラルへの取り組み
2.1.3 自社工場の見直し
2.1.4 自動車部品サプライヤーへの具体的な要請
2.2 自動車部品サプライヤーにおけるカーボンニュートラルの動き
2.2.1 カーボンニュートラル目標
2.2.2 技術イノベーションへの取り組み
2.2.3 自社の取り組みを新規事業としてサービス化
2.2.4 自社工場の見直し
3.生き残りをかけて求められる変革の覚悟
第4項 発電分野におけるCO2 削減に向けた代替燃料の動向について
1.発電分野の現況
1.1 世界の現況
1.2 日本の現況
2.エネルギートランジションの重要性
3.2050 年カーボン二ュートラルに向けた水素・アンモニア燃料の政策的位置づけ
4.水素・アンモニア燃料
4.1 水素・アンモニアとCCS
4.2 主な水素キャリア
4.3 水素・アンモニア燃料の燃焼特性
5.石炭火力でのアンモニア混焼
5.1 当社のNEDO「アンモニア混焼火力発電技術研究開発・実証事業」の概要
6.水素・アンモニア燃料によるCO2 フリー発電技術の開発状況
7.今後の水素・アンモニア発電の導入に向けた課題と方策
第3節 内燃機関から見たカーボンニュートラル燃料
1.燃料と内燃機関
2.内燃機関における二酸化炭素削減の考え方
3.「CO2を用いた燃料製造技術開発」プロジェクト
第2章 水素等製造技術の発達
第1節 カーボンニュートラル実現に向けた水素の役割と低コストグリーン水素の可能性
1.カーボンニュートラル時代の水素
1.1 カーボンニュートラル時代のエネルギー
1.2 最終消費から見たカーボンニュートラル実現の選択肢
1.3 カーボンニュートラル時代の水素製造
1.4 水素のバリューチェーン
1.5 世界の水素政策の現状
2.カーボンニュートラル燃料と水素
2.1 輸送・貯蔵密度から見た水素とそのキャリア
2.2 各種エネルギーキャリア
3.低コスト水素製造
3.1 水素ステーションでの販売原価からみた水素のコスト要求
3.2 化石資源からの大規模水素製造
3.3 再生可能エネルギーからの低コスト水素の可能性
3.4 副産物を活用した低コスト水素製造の実証
第2節 再生可能エネルギーからの水素等製造と電化
1.水素利用と電化による地球温暖化対策
2.電気の一次エネルギー化と水素利用( 間接電化)
3.熱エネルギーの脱炭素化
4.生産工程のプロセス改革
5.Power to Gas
第3節 再生可能エネルギー等を輸送・貯蔵するエネルギーキャリア
1.再生可能エネルギー等を輸送・貯蔵するエネルギーキャリアの特徴と役割
2.エネルギーキャリアの特徴、最近の技術開発、プロジェクト等の動向
2.1 液化水素
2.2 有機ハイドライド
2.3 アンモニア
2.4 エネルギーキャリアのコスト
3.エネルギーキャリアの今後の展望
第3章 燃料としての水素・アンモニアの可能性
第1節 アンモニアの可能性
第1項 内燃機関用燃料としての水素/アンモニア混合燃料の提案
1.アンモニアの物性
2.アンモニアの触媒熱分解による水素の生成
3.窒素酸化物の生成
第2項 内燃機関( ガスエンジン) でのH2/NH3 燃料の燃焼特性
1.概要
2.エンジン及び実験方法
3.添加可能なNH3/H2 燃料割合
4.排気ガス特性
5.NOx濃度の低減方法
第3項 アンモニアを用いた火花点火機関の性能評価
1.実験装置及び火花点火機関の運転条件
2.筒内圧力
3.図示平均有効圧力変動係数
4.正味平均有効圧力及び正味熱効率
5.排ガス成分
第2節 水素燃料の可能性
1.水素の物性と内燃機関
2.水素を内燃機関用燃料として使用することへの課題とその対応
2.1 エンジンの出力密度
2.1.1 モデルベース開発適用例
2.2 異常燃焼
2.3 排ガス中のエミッション
2.3.1 NOx の生成と対応
2.3.2 PM の生成と対応
2.4 燃料の搭載方法
2.4.1 CGH2 ( 高圧ガスとして貯蔵)
2.4.2 LH2 ( 液体水素)
2.4.3 CcH2 ( 低温圧縮水素)
2.4.4 水素貯蔵方法の選定
3.経済的視点(LCA の観点) から観た水素燃料の可能性
第4章 二酸化炭素を利用する合成燃料の動向
第1節 e-fuel の戦略
1.なぜ今、e-fuel なのか?
2.e-fuel のメリット
3.e-fuel の課題
4.e-fuel の将来展望
第2節 メタネーション
1.メタネーションのシステム
1.1 メタネーションの基礎
1.2 メタネーションの触媒
1.3 メタネーションの反応器
2.メタネーションの国内外動向
2.1 METIメタネーション推進官民協議会
2.2 国内動向
2.3 国外動向
3.INPEXにおけるメタネーションの技術開発
3.1 NEDO-CO2有効利用可能性調査事業
3.2 NEDO-CO2有効利用技術開発事業
3.3 NEDO-CO2排出削減・有効利用実用化技術開発事業
3.4 将来展望
第3節 FT 合成法によるCO2 からの液体燃料合成
1.エネルギー密度の比較
2.FT合成技術
2.1 技術の概要
2.2 生成物と生成機構
2.3 触媒と反応
2.4 製造プロセス
3.CO2からの液体燃料合成法
3.1 自然エネルギーを利用したFT合成
3.2 逆水性ガスシフト反応
3.3 CO2直接FT合成触媒
第4節 CO2 原料メタノール/DME 合成による液体燃料製造
1.CO2 原料MeOH/DME のポテンシャル
1.1 既存MeOH/DME マーケット
1.2 原料に基づくMeOH の分類
1.3 CO2 原料MeOH 類のポテンシャル
1.4 含酸素系合成液体燃料の可能性
2.MeOH の合成法
2.1 既存のMeOH 合成
2.2 CO2 原料MeOH 合成
2.2.1 直接MeOH 合成反応と触媒
2.2.2 MeOH 合成技術スキーム
2.2.3 反応器及び分離回収システム
2.3 開発状況
3.DME の合成法
3.1 既存のDME 合成
3.2 CO2 原料DME 合成
4.MeOH/DME からの合成液体燃料製造
4.1 MTG ガソリン
4.2 DMC( ジメチルカーボネート)
4.3 OME( ポリオキシメチレンジメチルエーテル類)
4.4 EtOH( エタノール)
4.5 MeFo( 蟻酸メチル)
5.CO2 削減と経済性
6.CO2 削減への影響と今後の展開
第5章 二酸化炭素を削減するバイオ燃料の動向
第1節 バイオ燃料のCO2 削減効果と動向
1.ガソリン代替拡大に向けた非食用バイオマスからのバイオエタノール製造
2.バイオディーゼル燃料の現状と新展開
第2節 バイオガスの燃料利用と将来展望
1.バイオガスとは:原料、製造技術と組成の関係
2.バイオガス製造技術
2.1 固形有機物からのバイオガス製造:メタン発酵
2.1.1 湿式メタン発酵
2.1.2 乾式メタン発酵
2.1.3 オンサイト型メタン発酵
2.1.4 将来技術:バイオメタネーション
2.2 排水からのバイオガス製造:UASB
3.バイオガスの用途と将来展望
3.1 ボイラ
3.2 バイオガスCGS(コージェネレーションシステム)
3.3 天然ガス自動車
3.4 都市ガス導管への注入
3.5 水素への変換
4.バイオガス精製技術
4.1 脱硫( 硫化水素除去)
4.2 シロキサン除去
4.3 CO2 除去( メタン濃縮):水精製、PSA、膜、ハイブリッド型
4.4 微量成分の除去( 酸素、窒素)
5.バイオガス貯蔵技術
5.1 メンブレン式
5.2 有水式
5.3 高圧ボンベ
5.4 吸着貯蔵
第3節 藻類によるバイオ燃料製造
1.藻類バイオ燃料生産の問題点
1.1 独立栄養か従属栄養か
1.2 太陽光による光合成には日周サイクルがある
1.3 増殖が進むにつれ光合成効率が落ちる
1.4 培養液中の炭素源濃度が低い
1.5 汎用の培養槽が使いにくい
1.6 抽出残渣の問題
1.7 従属栄養培養のデメリット
2.従属栄養藻類によるバイオ燃料生産という視点
2.1 海洋微生物ラビリンチュラ
2.2 ラビリンチュラによるバイオ燃料生産
第4節 バイオディーゼル燃料の現状と今後
1.原料植物油
2.脂肪酸エステル系のバイオディーゼル燃料
3.炭化水素系のバイオディーゼル燃料