発刊・体裁・価格
発刊 2023年6月23日 定価 62,700円 (税込(消費税10%))
体裁 B5判 269ページ ISBN 978-4-86502-249-0
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本書のポイント
本当に触っているみたい!? 触覚を再現する技術 ハプティクス
研究変遷から可能性まで 多様な大学・企業の研究者が寄稿
様々な考え方を網羅的に理解でき今後の活用のヒントになる一冊!
★触覚の基礎から触覚計測、触覚センサの詳細等触覚の可視化技術徹底解説
★振動・電気刺激・超音波などの手法ごと/硬軟・凹凸・温冷などの再現触覚ごと
両方の観点から多角的に触覚フィードバックの仕組みを理解
★ハプティックインターフェースの効果的な設計は?各種アクチュエータの技術は?
ハプティックデバイスの動向をしっかり押さえる
★注目の空中ハプティクス技術を詳説。技術を理解し今後の可能性と課題を探る!
★触覚と錯覚の関係(クロスモーダル効果)・触覚の標準化等周辺の重要技術にも言及
★ディスプレイ・XR/VR/メタバース・医療・教育・自動車…裾野広がる応用展開を解説
執筆者一覧(敬称略)
〇東京大学 篠田 裕之
〇東京大学 吉元 俊輔
〇電気通信大学 下条 誠
〇神戸大学 永野 光
〇埼玉大学 高崎 正也
〇慶應義塾大学 三木 則尚
〇筑波大学 矢野 博明
〇麗澤大学/名古屋大学 大岡 昌博
〇Tianma Japan株式会社 竹内 伸
〇日本放送協会 半田 拓也
〇名古屋工業大学 田中 由浩
〇奈良女子大学 佐藤 克成
〇株式会社資生堂 荒井 観
〇横浜国立大学 岡嶋 克典
〇立命館大学 安藤 潤人
〇新潟大学 寒川 雅之
〇立命館大学 野間 春生
〇日本電気株式会社 大林 勇人
〇帝人株式会社 山田 順子
〇帝人フロンティア株式会社 北村 恵一
〇千葉大学 折田 純久
〇凸版印刷株式会社 荻野 孝士
〇日産自動車株式会社 五十嵐 智貴
目次
第1章 触覚フィードバック技術のこれまでと今後の可能性
1.ハプティクス
2.ハプティクス研究の変遷
3.触覚フィードバックの可能性
3.1 人間側からの意志伝達
3.2 動作の誘導
3.3 周囲の状況を体感する
3.4 ユニバーサルメディア
3.5 体験の再現と共有
4.ハプティクスの技術課題
5.ハプティクスの新しい可能性
6.ハプティクスを活用するために
第2章 触覚を可視化する技術~触覚の理解と各種触覚センサ~
第1節 触覚の正確な理解 触覚の計測・評価・定量化の基礎技術
1.触覚情報計測の概要
1.1 計測の目的と応用
1.2 触覚特性に基づく目標性能と技術的課題
2.触覚理解のための計測手法
2.1 触覚刺激の計測手法
2.2 生体応答の解析
2.3 感覚の定量化手法
2.3.1 心理物理学的測定法
2.3.2 評定法
3.触覚情報計測システムの開発事例
3.1 製品事例
3.2 新技術の動向
3.2.1 トモグラフィ型接触圧力分布センサ
3.2.2 爪画像からの触対象の弾性率推定
第2節 触覚センサの原理と動向
1.触覚の特徴
1.1 確定的感覚( 接触による確認)
1.2 能動的感覚( 見えないものの検出)
1.3 情動的感覚( 心への伝達)
2.触覚センサの概要
2.1 分類
2.2 検出機能
2.3 求められる特性
2.4 触覚の問題点
2.5 触覚・近接覚・すべり覚の役割
3.触覚センサの動作原理
3.1 触覚センサの基本構成
3.2 検出素子へのアクセス方式
3.3 力の検出方式
4.触覚センサの開発例
4.1 感圧導電ゴムマトリクス電極型触覚
4.2 感圧導電ゴムCoP 型触覚
4.3 接触抵抗値変化型触覚
4.4 半導体センサアレイ型触覚
4.5 静電容量型触覚(iCub skin)
4.6 切り貼り実装型触覚
4.7 光導波板型触覚
4.8 ゲル変形画像計測型触覚(Gelsight など)
4.9 空気弾性膜型触覚(Soft-bubble など)
4.10 導電性流体インピーダンス検出型触覚(BioTac)
4.11 磁場 変化検出型触覚(Uskin)
4.12 その他
5.すべり覚センサの動作原理と開発例
5.1 すべりとはどのようにして発生するか
5.2 すべりの検出方式
6.すべり覚センサの開発例
6.1 表面パターン変化検出型すべり覚
6.2 振動検出型すべり覚
6.3 接線/ 法線力検出型すべり覚
6.4 接触画像判別型すべり覚
6.5 周波数成分検出型すべり覚
6.6 その他
7.近接覚センサの動作原理
7.1 概要
7.2 近接の検出方式
8.近接覚センサの開発例
8.1 フォトリフレクタアレイ型近接覚
8.2 フォトリフレクタ型触・近接覚
8.3 静電容量( 電界) 型近接覚
8.4 光(TOF) 型近接覚( 深度カメラ)
9.新製法& 新材料の利用
9.1 E-skin
9.2 E-textile
第3章 触覚を再現する技術
第1節 触覚の再現手法の基礎
第1項 機械的振動刺激を用いた触覚再現
1.刺激提示部位の検討
1.1 環境設置型
1.2 装着型
2.刺激提示アクチュエータの検討
3.振動刺激による多様な触覚再現の研究例
3.1 粗さ感
3.2 摩擦感
3.3 硬軟感
第2項 吸引圧刺激を用いた触覚再現
1.指先装着型触覚ディスプレイに求められる仕様
1.1 小型・軽量
1.2 時間的・空間的解像度
2.指先装着型吸引触覚ディスプレイ
3.指先装着型吸引触覚ディスプレイを用いた硬軟感提示の例
第3項 固体表面の超音波振動を利用した皮膚感覚提示
1.超音波振動とその励振方法
2.超音波振動を用いた皮膚感覚提示
3.スクイーズ膜効果による皮膚感覚消去
第4項 電気刺激・熱刺激での再現
1.電気式触覚ディスプレイ
2.静電触覚ディスプレイ
3.冷温感ディスプレイ
4.提示すべき触覚とは―触覚の定量化
第2節 ハプティックデバイス最新動向
第1項 ハプティックインターフェースの効果的な設計
1.バーチャル空間と実空間の接続関係に基づくハプティックインタフェース
2.ハプティックインタフェースの実現方式
3.ハードウエア設計
4.ソフトウエア設計
5.その他の検討事項
第2項 各種アクチュエータとハプティクス
1.アクチュエータに求められる仕様
1.1 触覚のセンシング能力
1.2 深部感覚のセンシング能力
2.メカニカルベースのハプティックデバイス
2.1 ハプティックデバイスとは
2.2 シリアルリンク機構
2.3 パラレルリンク機構
3.触覚ディスプレイ
4.その他の原理のハプティックデバイス
第3項 触覚技術の普及と簡易触覚デバイス
1.触覚デバイス普及の困難性
2.VR技術の普及
3.VRの隆盛になぞらえた触覚技術普及のためのステップ
4.簡易触覚デバイス
4.1 TECHTILE toolkit
4.2 簡易型TECHTILEデバイスと牽引力錯覚への適用
4.3 SPIDAR-mouse
4.4 Hapkit
4.5 力触覚デバイスの自作
5.普及している触覚デバイスの利用
5.1 iPhone
5.2 プレイステーション5コントローラー
第3節 触覚ごとの再現技術
第1項 硬さ・柔らかさの表現
1.硬さ・やわらかさの知覚
2.硬さ・やわらかさの表現方法
3.今後の展望
第2項 ざらつき・滑らかさ・凹凸の表現
1.ヒトの粗さの知覚メカニズム
2.ミクロ粗さの再現
2.1 提示技術概要
2.2 振動刺激の生成
2.3 皮膚振動の観点からの考察
3.マクロ粗さ・凹凸の再現
3.1 提示技術概要
3.2 凹凸知覚メカニズムの多様性
4.粗さ知覚の発展および個人差
第3項 温感・冷感の表現
1.温冷感覚の知覚特性
1.1 温冷感覚受容器
1.2 基礎的な知覚特性
1.2.1 知覚感度
1.2.2 空間特性
1.2.3 時間特性
1.3 多感覚相互作用
1.3.1 温冷感覚と触覚の相互作用
1.3.2 温冷感覚と視覚の相互作用
1.3.3 温冷感覚と触覚による水分感
2.温冷感覚の提示技術
2.1 温冷感覚の提示技術
2.1.1 接触式
2.1.2 非接触式
2.1.3 皮膚温度を変化させない手法
2.2 温度の計測手法
2.3 温冷感覚提示の実例
2.3.1 時間応答性と装置の大きさの改善
2.3.2 温冷の拡張提示
第4節 空中ハプティクス技術の概要と可能性
1.万能性のある触感再現
2.空中超音波による触感再現
3.空中超音波触覚提示の現状
3.1 空中での力分布の再現
3.2 人間の知覚特性の解明と活用
3.3 圧覚の再現
3.4 温冷覚の提示
3.5 VR 物体を把持する感覚の再現
4.可能性と課題
第4章 触覚周辺の技術と課題
第1節 触覚のクロスモーダル効果とその応用
1.日常の経験に沿ったクロスモーダル効果
2.日常の経験に反するクロスモーダル現象
3.視触覚による身体感覚の変調
4.触覚のクロスモーダル活用
5.体性感覚へと広がるクロスモーダル活用
第2節 触覚の標準化の課題
1.ヒトの感覚
2.感覚の標準
3.メディアにおける標準化
第5章 ハプティクス活用事例と提案
第1節 メディアとハプティクス
1.メディア × ハプティクス の可能性
2.メディアにおけるハプティックインターフェース
3.今後の展望
第2節 VR
1.VRにおける触覚
2.触覚提示
3.これからのVR
第3節 メタバース・XR
1.「ハプティクス」の定義
1.1 ハプティクスとは
1.2 メタバースを含むXR の定義と構成要素
1.3 本節における「ハプティクス」の位置づけ及び用法
2.現時点における「ハプティクス」の概観
2.1 「入力」で用いられる「ハプティクス」
2.2 「出力」で用いられる「ハプティクス」
2.2.1 ハードウェア
2.2.2 方式含むソフトウェア
3.「ハプティクス」の社会やビジネスにおける活用
3.1 現時点(2023 年) の状況
3.2 今後の展望
第4節 ハプティクスウェア
1.布状二次元通信シートの開発
1.1 布状二次元通信シート
1.2 二次元通信ウェアの開発
2.ハードウェアとソフトウェア
2.1 ハードウェア
2.2 インタフェース
2.3 ソフトウェア
2.4 ユーザアプリケーションの実装
3.今後の展望
第5節 ハプティクス技術の医療分野への応用
1.ロボット支援手術
2.医学教育と研修
3.リハビリテーション
4.プロセスティクスおよびオーソティックス
5.医療診断
6.歯科治療
7.眼科手術
8.ウェアラブルデバイス
9.3D プリンティングとの連携
10.ウェアラブルロボット
11.画像診断の支援
第6節 遠隔地の仮想体験・教育プログラムへの応用
1.遠隔体験 ~ リモートによる遠隔地の仮想体験
1.1 遠隔体験とは
1.2 遠隔体験を実現するためのポイント
2.遠隔体験とハプティクス
2.1 ハプティクスによる体験情報の強化
2.2 ハプティクスによる一体感の醸成
第7節 自動車とハプティクス
1.自動車への静電式スイッチ採用の課題と採用事例
2.自動車における振動アンサーバックスイッチの採用
2.1 静電式のアンサーバック振動特性
2.2 感圧式のアンサーバック振動特性
3.振動アンサーバックによる振動音の課題