発刊・体裁・価格
発刊 2023年6月27日 定価 59,400円 (税込(消費税10%))
体裁 B5判 234ページ ISBN 978-4-86502-248-3 →詳細、申込方法はこちらを参照
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本書のポイント
エネルギー価格高騰と脱炭素対応に備え、自社の負担を減らすために・・・。
●コンプレッサー・ボイラー・空調・冷蔵庫など、エネルギー消費が特に多い設備から、
乾燥・粉砕・塗装など特定の工程での省エネ対応まで幅広く紹介!
●なるべく初期投資を抑える方法は?、設備更新の判断基準は?
既存設備を活かす省エネの形とは?、生産の品質確保と省エネの両立のためには?
エクセルギー解析を用いた新たなアプローチもご紹介!
●環境法と今後企業に求められる対策をしっかり把握!
カーボンクレジット/非化石証書など、脱炭素手法に関する制度と法務を解説
●自社のエネルギー消費量を把握し、脱炭素/省エネ活動をどう進めるべきか?
電力量データの収集と分析ポイント、製品別カーボンフットプリントの算出方法、
経営層と担当者に求められる認識、社内の体制整備はどうすべきか?
執筆者一覧(敬称略)
・田熊康秀(オルガノ(株))
・長谷川和三(Hasegawa Compressor Consulting Office)
・山岸孝司(ES(株))
・市橋弘茂(ダイナエアー(株))
・江原誠((株)前川製作所)
・武田紗知((株)カルモア)
・鈴木冴佳((株)ササクラ)
・神谷宗克(SPIRAL LOGIC LIMITED)
・菅原壯浩(SPIRAL LOGIC LIMITED)
・石井利博(アシザワ・ファインテック(株))
・星山貫一(環境工学研究所)
・立元雄治(静岡大学)
・井上義之(ホソカワミクロン(株))
・田端真之介(日本ファシリティ・ソリューション(株))
・武田彰夫((株)MIC武田技術士事務所)
・野沢定雄(NPO法人栃木県環境カウンセラー協会)
・石川照人(理研ビタミン(株))
・本田圭(長島・大野・常松法律事務所)
・藤本祐太郎(長島・大野・常松法律事務所)
・宮城栄司(長島・大野・常松法律事務所)
・岩佐茂夫(IWASA)
・坂井忠志(日本空調サービス(株))
・山崎研二((株)NTTデータ)
・福持裕之((株)NTTデータ)
目次
第1章 製造工程/設備管理における省エネ/脱炭素化対応例と提言
第1節 製造工程入口での対応
第1項 水処理技術による工場設備の省エネ対応
1. 水冷式冷凍機の冷却水処理による省エネ
1.1 スケール・スライムによるLTD 上昇
1.2 冷却水処理剤の最適な選定
1.3 デジタル技術を用いた冷却水処理による省エネ対応
1.3.1 従来のスライム障害対応の問題点
1.3.2 LTD 常時監視とAI による冷却水処理薬品の自動最適注入制御
2.RO 膜水処理設備のファウリング抑制による省エネ
2.1 RO 膜水処理設備
2.2 RO 膜水処理設備の省エネポイントと従来対策の問題点
2.3 ファウリング状態の常時監視と薬品注入自動制御による省エネ対応
2.3.1 RO 膜水処理薬品シリーズ(新スライムコントロール剤)
2.3.2 ファウリング管理と薬品注入制御
第2節 エネルギー消費が特に多い設備での対応
第1項 空気圧縮機及び圧縮空気の省エネ
1. 空気圧縮機の種類と特徴
1.1 給油式圧縮機の長所と課題
1.2 オイルフリー
2. エアコンプレッサー設備の省エネ
2.1 空気源の省エネ
2.1.1 圧縮機の大型化による省エネ
2.1.2 運転圧力を下げる省エネ
2.1.3 制御による省エネ
2.1.4 吸入温度を下げる省エネ
2.1.5 モータの効率
2.1.6 熱回収
2.2 圧縮空気使用側での省エネ
2.2.1 エアブロー
2.2.2 エア漏れ対策
3. 夏場の応急対策(夏場のエア不足対策)
3.1 吸入フイルタエレメントの清浄または交換
3.2 吸入温度を下げる
3.3 インタクーラの清掃
3.3.1 ターボ圧縮機の場合
3.3.2 ドライスクリューの場合
3.4 本体の清掃(ターボ圧縮機)
3.5 吐出圧力を下げる
3.6 冷凍式ドライヤの露点を上げる
第2項 ボイラーにおける省エネ対策事例と検証方法
1. ボイラーにおける省エネ手法について
1.1 定期的な点検項目
1.2 蒸気供給側(ボイラー)の対策
1.2.1 空気比の改善
1.2.2 排ガス温度の改善
1.2.3 ボイラー水ブローの調整
1.2.4 負荷変動および排熱回収の措置など
1.2.5 蒸気圧力の見直し、蒸気圧の利用
1.2.6 蒸気ドレンの回収
1.2.7 蒸気配管断熱の強化
2. 省エネ対策の事例と検証方法
2.1 事例-1:空気比の改善
2.2 事例-2:蒸気ドレンの回収
2.3 事例-3:蒸気配管断熱の強化
3. 今後の脱炭素社会に向けて
第3項 空調設備における省エネ・CO2 削減対策
1. 液式デシカント空調方式の概要
2. 液式デシカント空調方式の装置構成と特徴
2.1 除湿時の機器構成
2.2 加湿時の装置構成
2.3 液式デシカント加湿システムの特徴
2.4 液体調湿剤について
2.5 調湿部のモジュール化(LDM)
3. 液式デシカント加湿のエネルギー性能評価とCO2 削減効果
3.1 試算条件
3.2 試算結果
第4項 冷凍冷蔵庫の省エネルギー対策とCO2排出量削減
1.現在ある設備の保守点検の強化
1.1 膨張弁の調整
1.1 圧縮機
1.2 冷却器とその周辺機器
1.3 凝縮器と冷却塔
1.4 庫内ダクトと制御用温度計
1.5 リリーフ弁
1.6 外壁と防熱
1.7 除霜(デフロスト)
1.8 フロアーヒーター
1.9 扉とエアーカーテン
2.機器をリニューアルする
2.1 冷却器と圧縮機のバランス
2.2 自然冷媒とフロン系ガス
2.3 遠方監視システム
第3節 製造工程出口での対応
第1項 臭気対策における省エネルギー化の進め方
1. 省エネルギーを意識した臭気対策の手順
1.1 発生源の特定
1.2 対策方法の検討
1.2.1 臭気の発生の抑制
1.2.2 新しい脱臭装置の導入
1.2.3 既設の脱臭装置の見直し
2. 主な脱臭装置の特徴と環境負荷
2.1 吸着方式
2.2 燃焼方式
2.3 脱臭装置の比較
3. 省エネルギー化を目指した脱臭装置の運用
第2項 蒸発濃縮による排水処理の省エネ化技術
1. 蒸発濃縮装置とは
1.1 装置概要
1.2 利用用途
2. 省エネルギー化への取り組み
2.1 MVR の概要とエネルギー収支
2.2 エネルギー性の比較
3. 当社の省エネルギー技術
3.1 水平管式蒸発器
3.2 自社開発の蒸気圧縮機
第4節 特定の工程における省エネ対応
第1項 プラスチック射出成形工場でできる脱炭素化への提案
~成形機の加熱筒の断熱構造と金型の断熱構造による熱漏れ防止
1. 断熱バレル
1.1 射出成形工程の熱漏れ= エネルギーの無駄
1.2 加熱筒ヒーターからの熱漏れの測定
1.3 加熱筒の切断による熱漏れ防止対策
1.4 断熱バレルの効果
1.5 実際の成形時の省エネ効果
1.6 日本のプラスチック射出成形業界への提言
2. 金型断熱構造「TamaGON」
2.1 新しい金型断熱構造「TamaGON」の登場
2.2 金型から成形機への熱漏れ 3つのルート
2.2.1 金型取付板 → 断熱板 → プラテン
2.2.2 取付ボルト → プラテン
2.2.3 ロケートリング → プラテン
2.3 「TamaGON」の構造
2.3.1 金型取付板に付ける断熱パーツ
2.3.2 金型取付ボルトの断熱化
2.3.3 ロケートリングの断熱化
2.4 「TamaGON」の効果 金型温度80℃の場合
2.5 「TamaGON」の導入手順
2.6 「TamaGON」に期待できる稼働率の向上と捨て打ちの減少
2.7 金型の断熱まとめ
第2項 微粒子生成における粉砕操作のエネルギー効率向上
1. ビーズミルの特徴
2. 乾式ビーズミル
3. 湿式ビーズミル
4.エコ粉砕
第3項 ウイスキー製造工程毎の環境保全と省エネ対策
1. ウイスキー製造に関する概略説明
2. ウイスキーの製造工程
3. 製造工程毎の環境保全状況と省エネ対策
第4項 材料乾燥工程における省エネルギー対策
1. 乾燥に必要な熱量と乾燥機の熱効率の計算
2. 乾燥前の省エネルギーの検討
2.1 脱水操作
2.2 熱源確保
3. 乾燥機の選択による省エネルギーの検討
4. 乾燥操作時の省エネルギー対策
4.1 乾燥機の省エネルギーの留意点
4.2 排熱風の熱量削減・ヒートポンプ
第5項 粉砕機・乾燥機のエネルギ効率向上および運転最適化による省エネルギ化
1. 粉砕機
1.1 粉砕機の省エネルギ化の基本
1.2 分級機内蔵衝撃型微粉砕機
2. 乾燥機
2.1 乾燥機の省エネルギ化
2.2 ドライマイスタ(DMR)過熱蒸気閉回路システムとは何か
3. IIoT を用いた最適化運転支援による省エネルギ化
第6項 自動車塗装工程における排熱回収システム導入を中心とした省エネルギーへの取組み
1.取組みの背景・経緯
2.取り組みの基本方針
2.1 基本方針① 配管からの放熱ロス削減
2.2 基本方針② ヒートポンプを活用した排熱回収
2.3 基本方針③ 安定供給と省エネの両立
3.新エネルギーセンター棟の概要
4.システム導入後の省エネルギー効果
4.1 システム導入による省エネ効果
4.2 運用改善による省エネ効果
4.3 省エネ効果まとめ
4.4 省エネ大賞の受賞
第2章 省エネへの新しいアプローチと現場の実状に即した対応方法
第1節 エネルギー・エクセルギー解析を用いた新たなアプローチ事例
1. エネルギーの基本法則とエクセルギー
1.1 省エネルギーの変革の必要性
1.2 従来法の原理的な問題点
1.3 エクセルギー
2. エネルギーとエクセルギーの違い
2.1 お湯の混合
2.2 エクセルギーの計算
2.3 ベクトル図による解釈
2.4 エネルギーロスの認識
2.5 エネルギーロスの削減
2.6 エネルギー効率の評価に基づくエネルギープロセスの改善
2.7 エクセルギー理論の汎用性
3. エクセルギーの定義(理論の解説)
3.1 エクセルギーの定義式
3.2 お湯の混合現象の数式表現
3.3 物量バランスとエネルギーバランス
4. エネルギー・エクセルギー解析法の適用事例(ボイラーシステム)
4.1 解析対象のボイラーシステムの概要
4.1.1 プロセスの全体像
4.1.2 ボイラー内部のメカニズム
4.2 ボイラーシステムの問題点の把握
4.2.1 エクセルギーの伝達過程
4.2.2 エクセルギーの消費
4.2.3 ボイラー本体のエネルギーバランス
4.3 解決策の検討
4.3.1 問題点の解決方法
4.4 省エネルギー施策の決定
4.4.1 エネルギー削減効果
4.4.2 ドレン系の施策
5. エネルギー・エクセルギー解析法の適用事例(空調システム)
5.1 空調システム解析の概要
5.1.1 オフィス空調システムのエネルギープロセス
5.1.2 提案施策の概要
5.2 ターボ冷凍機の解析
5.2.1 操業状況の把握
5.2.2 問題点の把握
5.2.3 解決策の検討
5.2.4 省エネルギー施策の提案
5.2.5 施策の効果
5.3 空調機と空調負荷の解析
第2節 設備投資に頼らない既存設備を活かした省エネ取組
1. 効率的に省エネを推進するためのポイント
1.1 推進体制で成果が変わる。(責任者と実務担当者の役割が重要)
1.1.1 省エネ推進チームの責任者は、専門知識よりも企画力・実行力を優先して選ぶのがよい
1.1.2 実務担当者の役割
1.2 省エネ対策のポイントを間違えるな
1.2.1 全体のエネルギー消費を把握すること
1.2.2 多面的に見た省エネ効果の試算をする
1.2.3 対策実施後の検証が、次の対策を後押しする
1.3 他社の事例を積極的に導入する
2. 効果の大きかった取組例
2.1 既存設備を活かした事例
2.2 ソフト面からの改善事例
第3節 食品工場における品質と省エネの両立
1.活動背景
2.品質に関わるエネルギーの成り立ち
3. 組織改革の実施
3.1 VE手法の取り込み
3.1.1 分科会の開催
3.1.2 品質管理部門との連携
3.1.3 教育の強化
3.2 管理者層の参画を促す仕組み作り
3.3 管理標準の活用
4. 組織改革によって生まれた省エネ事例
4.1 調味料容器すすぎ工程の省略
4.2 タンク及び付帯配管殺菌条件変更
4.3 粉体工場外調機制御変更
4.4 圧縮機供給及び使用条件の見直し
第3章 省エネ関連法と製造業における脱炭素に係る法務
1. 省エネ法の概要と近時の改正
1.1 省エネ法の概要
1.2 省エネ法の2022 年改正
1.2.1 非化石エネルギーを含むエネルギー全体の使用の合理化
1.2.2 非化石エネルギーへの転換の促進
1.2.3 電気の需要の最適化
2. 建築物省エネ法と近時の改正
2.1 建築物省エネ法の概要
2.1.1 規制措置の概要
2.1.2 誘導措置の概要
2.2 2022 年の建築物省エネ法の改正概要
3. 製造業における脱炭素手法と法務
3.1 使用電力の脱炭素化
3.1.1 脱炭素電力メニューの選択
3.1.2 非化石証書の購入
3.1.3 自家用再エネ発電設備・コーポレートPPA の導入
3.2 カーボン・クレジットの利用
第4章 エネルギー使用量の見える化と算定方法
第1節 電力量把握と具体的な施策の展開方法
1. 電力量削減の意義
2. 電力量の実際
3. 自社における電力量把握の流れ
3.1 電力系統図の整備
3.2 電力計の設置
3.3 電力量の実態把握
3.4 電力量の分析
4. 圧搾空気の省エネと電気料金
4.1 圧搾空気の原価を把握する
4.2 必要圧力・基準の明確化
4.3 エア漏れの排除
4.4 省エネ機器の活用
第2節 省エネ効率化に向けた電気の見える化とデータ活用方法
1. データの収集 ~無理なく身近なところから~
1.1 電力供給会社等のサービスの活用
2. データの活用手法 ~見える化・魅せる化・共感化~
2.1 見える化 ~効果的な改善活動への入口~
2.2 魅せる化 ~全社体制構築への最も重要なプロセス~
2.3 共感化 ~活動のスパイラルアップの原動力~
3.「電気の見える化」 ~原単位管理~
4.IoT 化推進のために ~まとめにかえて~
第3節 製品別カーボンフットプリントの算出及び可視化方法
1. 製品別CFP 可視化の先進的な取り組み
2. 製品別CFP 可視化における重要論点
2.1 目的の定義
2.2 バウンダリに対する考え方
2.3 算出ルールの整備
2.3.1 Scope1,2,3-3
2.3.2 Scope3-1
2.3.3 Scope3-4
2.3.4 Scope3-5
3. 製品別CFP 可視化の実行
3.1 排出原単位の整理
3.2 標準活動量情報の整理
3.3 活動量実績の整理
3.4 配賦情報の整理
3.5 排出原単位の計算実行
3.6 総排出量の計算実行
4. ソリューション導入の検討・推進
4.1 製品別CFP 算出を実現するソリューションの特性
4.2 導入プロジェクトの立ち上げ
4.3 プロジェクト推進のポイント
5. 情報資産のさらなる活用
第4節 省エネ取り組みの社内的意義とその評価方法
1. CO2削減の意義
2. 経営の理解の重要性
3. 原単位の導入
4. 省エネの重要性
5. 社内の体制整備