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書籍 高分子添加剤(劣化防止剤)【改訂版】―基礎・配合設計・外観不良対策―

高分子添加剤(劣化防止剤)【改訂版】

―基礎・配合設計・外観不良対策を初心者にもわかりやすく解説―


早期割引

【早期割引にて申し込み受付中】27,500円(税込(消費税10%)) 2024年9月25日まで

本書のポイント

○長年、企業で添加剤を扱ってきたエキスパートである八児氏のノウハウを、初心者の方にもわかりやすく再編集!
○劣化と劣化防止の基礎理論から劣化防止剤の配合設計の考え方および熱酸化/光酸化/押出工程の劣化防止事例、変色などの外観不良の原因と対策まで。

著者

八児 真一 氏(樹脂添加剤コンサルタント)

【著者紹介】

■学歴:
1973年 九州工業大学 工学部 工業化学専攻 修士課程修了

■職歴:
1973年 住友化学工業株式会社(現 住友化学株式会社)入社
1996年 共同薬品株式会社 出向
※40年以上樹脂添加剤一筋!

■ご専門および得意な分野・研究
樹脂添加剤(主に酸化防止剤、光安定剤)

■ご受賞歴
1991年 近畿化学協会 化学技術賞 Sumilizer GM、GS 関連

発刊・体裁・価格

発刊  2024年8月末予定  定価  30,800円 (税込(消費税10%))
体裁  B5判 約108ページ  ISBN 978-4-86502-275-9   →詳細、申込方法はこちらを参照

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  • 対象:前作書籍「高分子添加剤(安定剤)―劣化・安定化メカニズムから、実践的な配合事例・トラブル対策まで―」
     (2017年11月情報機構発刊/35,200円(税込・消費税10%))をお持ちの方
  • 割引額:本作を【24,640円(税込・消費税10%)】で購入可(定価2割引)
  • 割引適用条件:申し込みフォーム備考欄に「2017年 高分子添加剤(安定剤) 購入済」と記載
  • ※注意点:早期割引などの他の割引との併用はできません。また書店は対象外となります。

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    発刊にあたって

     2017年11月に「高分子添加剤(安定剤)」を出版しましたが、今回その改訂版である「高分子添加剤(劣化防止剤)」を出版することにしました。
     以前は仮説と検証など難しい理論的な内容が各所に数多くあり全体としてわかりにくかったと反省し、今回は「わかりやすさをモットー」に初心者を対象に見直し編集しました。
     本書は「第1部 高分子の劣化と劣化防止の基礎理論」、「第2部 劣化防止剤の配合設計の基本」、「第3部 劣化防止剤の配合設計の事例」、「第4部 外観不良の原因と対策」、「第5部 仮説と検証実験」、「第6部 世界の代表的な劣化防止剤の開発史」の全6部から構成されています。

    わかりやすさの幾つかを紹介しますと、

    (1) まずタイトルを「高分子添加剤(安定剤)」から「高分子添加剤(劣化防止剤)」に変更しました。
    学会や業界では普通に高分子の劣化と安定化と言いますが、初心者にとっては安定化は何のことかわかりにくい面があります。安定化が劣化防止の意味で使われているのであれば、「高分子添加剤(劣化防止剤)」とした方がわかりやすいためそうしました。

    (2) 以前は「第2部」、「第3部」、「第4部」をまとめて「第2部 応用編(実用)」としましたが、今回の方がわかりやすいと考えます。初心者にとって、最終的には今抱えている課題に対して配合設計で解決を図ろうとすることになるので、第2部の劣化防止剤の配合設計の基本的考え方と第3部の劣化防止剤の配合設計の事例から理論的でより効率的な実験手法がより理解でき役に立つと考えます。

    (3) 課題解決には「第3部」が大いに参考になると思います。今回は同時に理論的に考えられる色々な処方(単独系、併用系)の性能評価結果を先に紹介し、その結果を読み解き配合設計の基本が理解できるように工夫しました。

    (4) 初心者が簡単に劣化防止剤の配合設計する上で必ずしも必要でなかった難しい理論解析は切り離して「第5部 仮説と検証実験」にまとめました。何故そうなるか? と理論的に興味のある方は是非「第5部」をご活用頂きたいと願っています。

    (5) 「第4部 外観不良の原因と対策」も第1章 変色トラブルと第2章 押出成形や射出成形の劣化事例と劣化対策に絞ってみました。

    (6) 最後の第6部で世界の代表的な劣化防止剤の開発史を整理してみましたが、初心者の方は目的に応じてどんな劣化防止剤を選んで検討すれば良いかの参考になればと思います。

     今回は「わかりやすさをモットー」に初心者でも理解しやすいように編集し直したので、きっとこの改訂版がお役に立てるものと願っております。

    八児 真一

    目次 ※「---」の後の数字はページ数です。

    <第1部> 高分子の劣化と劣化防止の基礎理論

    第1章 高分子の劣化 --- 3
     1. 劣化因子と劣化現象 --- 3
     2. 劣化機構 --- 4
      2.1 自動酸化機構(熱酸化劣化機構) --- 4
      2.2 光酸化劣化機構 --- 7

    第2章 高分子の劣化防止 --- 10
     1. 劣化防止剤の種類 --- 10
     2. 劣化防止機構の全体像 --- 10
     3. 酸化防止剤(熱酸化劣化防止剤)の劣化防止機構の基本的考え方 --- 11
      3.1 フェノール系酸化防止剤(AO)の酸化劣化防止機構 --- 12
      3.2 アミン系酸化防止剤(AO)の劣化防止機構 --- 13
      3.3 リン系酸化防止剤(AO)の劣化防止機構 --- 14
      3.4 イオウ系酸化防止剤(AO)の劣化防止機構 --- 15
     4. 光劣化防止剤の光劣化防止機構の基本的考え方 --- 15
      4.1 紫外線吸収剤(UVA)の光劣化防止機構 --- 16
      4.2 Niクエンチャーの劣化防止機構 --- 19
      4.3 HALSの劣化防止機構 --- 20
     5. 金属不活性化剤の劣化防止機構 --- 22
     6. 熱劣化防止剤の熱劣化防止機構 --- 23
      6.1 熱劣化と熱酸化劣化 --- 23
      6.2 熱劣化防止剤(Sumilizer GM)の熱劣化防止機構 --- 24

    <第2部> 劣化防止剤の配合設計の基本

    第1章 劣化防止剤の配合設計の基本 --- 27
     1. 劣化防止剤の配合設計の留意点 --- 27
     2. 劣化防止剤の性能評価フロー --- 29
     3. 劣化防止剤の機能分類 --- 33
     4. 相乗作用と拮抗作用 --- 34

    <第3部> 劣化防止剤の配合設計の事例

    第1章 熱酸化劣化防止事例 --- 37
     1. フェノール系AO/イオウ系AOの相乗効果 --- 37
     2. 熱酸化劣化防止の配合設計の基本的考え方 --- 38

    第2章 光酸化劣化防止事例 --- 40
     1. UVA/HALSの相乗効果 --- 40
     2. HALS/イオウ系AOの拮抗作用 --- 41
     3. 光酸化劣化防止の配合設計の基本的考え方 --- 43

    第3章 押出工程の劣化防止事例 --- 44
     1. PP繰り返し押出試験 --- 44
     2. 押出工程の劣化防止の配合設計の基本的考え方 --- 46

    <第4部>外観不良の原因と対策

    第1章 変色トラブル --- 51
     1. 変色原因と対策の基本 --- 51
     2. 変色原因 --- 52
     3. 変色機構 --- 52
     4. 変色再現試験法 --- 54
     5. HALSの変色促進作用 --- 55
     6. HALSの変色促進機構 --- 56
     7. リン系AOの変色防止対策 --- 57
     8. リン系AOの変色防止機構 --- 59

    第2章 押出成形や射出成形の劣化事例と劣化対策 --- 60
     1. 押出成形の劣化事例と劣化対策 --- 60
     2. 射出成形の劣化事例と劣化対策 --- 62

    <第5部> 仮説と検証実験

    1. 自動酸化機構(熱酸化劣化機構)の仮説と検証実験 1975/Vol.25/NO.167
     1. はじめに --- 67
     2. 検証実験 --- 67
     3. 検証結果 --- 68

    2. フェノール系酸化防止剤のラジカル連鎖禁止機構の仮説と検証実験 住友化学誌 1975/Vol.25/NO.1 . 70
     1. はじめに --- 70
     2. 検証実験 --- 70
     3. 検証結果 --- 71

    3. Sumilizer GMの二官能安定化機構の仮説と検証実験 Polymer Degradation and Stability 22(1988)63-77.72
     1. はじめに --- 72
     2. 無酸素下の熱劣化防止性能の評価法の考案 --- 72
     3. 仮説 --- 74
     4. 検証方法 --- 75
     5. 検証結果 --- 76

    4. Sumilizer GMの変色機構の仮説と検証実験 Polymer Degradation and Stability 37(1992)107-11379
     1. はじめに --- 79
     2. 仮説 --- 79
     3. 検証実験 --- 79
     4. 検証結果 --- 81

    5. Sumilizer GMの変色性の改良のための分子設計の仮説と検証実験 Polymer Degradation and Stability 39(1993)317-32882
     1. はじめに --- 82
     2. 仮説 --- 82
     3. 検証実験 --- 82
     4. 検証結果 --- 83

    6. Sumilizer GMの熱劣化防止性能の向上のための分子設計 Polymer Degradation and Stability 39(1993)317-32884
     1. はじめに --- 84
     2. 熱劣化防止性能向上のための分子設計 --- 84

    7. Sumilizer GSがGMの熱劣化防止性能よりも優れる理由の仮説と検証実験 Polymer Degradation and Stability 39(1993)317-32886
     1. はじめに --- 86
     2. 仮説 --- 86
     3. 検証実験 --- 87
     4. 検証結果 --- 88

    8. 片ヒンダードフェノール系酸化防止剤のSumilizer GA-80とイオウ系酸化防止剤との熱酸化劣化防止の相乗効果が著しい理由の仮説と検証実験 Polymer Degradation and Stability 35(1992)105-11389
     1. はじめに --- 89
     2. 仮説 --- 89
     3. 検証実験 --- 92
     4. 検証結果 --- 93

    <第6部> 世界の代表的な劣化防止剤の開発史
     第1章 フェノール誘導体 --- 97
     第2章 クレゾール誘導体 --- 100
     第3章 キシレノール誘導体 --- 102
     第4章 HALS --- 103
     第5章 紫外線吸収剤(UVA) --- 105
     第6章 化審法登録新規酸化防止剤 --- 106
     第7章 まとめ --- 107

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