発刊・体裁・価格
発刊 2013年10月18日 定価 49,500円 (税込(消費税10%))
体裁 B5判 220ページ ISBN 978-4-86502-044-1 →詳細、申込方法はこちらを参照
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本書のポイント
☆ワクチン開発の現状と関連規制の今後の動向とは
☆非臨床・臨床試験・製造・市販後調査の考え方や注意点について
☆多数のワクチン開発事例を掲載
●ワクチン開発の日本の現状と開発の推移とは
●予防接種制度の制度改正のポイントと関連動向のポイント
●国内外の非臨床安全性試験のガイドライン・試験方法・評価の考え方について
●臨床試験のガイドライン・試験プロセス・試験評価・統計解析のポイントと動向
●市販後調査における関連規制と安全性情報の収集とモニタリングの注意点
●製造における外来性感染性因子の混入の留意点、原材料の品質管理の注意点とは
●アジュバントの開発の現状・作用機序・安全性および選定のポイント
●ワクチンの開発事例(がん・アルツハイマー病・エイズ・アレルギー、経鼻・経口・経皮ワクチン)
●日米におけるワクチン行政の違いと今後について
執筆者一覧(敬称略)
●杉本 俊二郎(グラクソ・スミスクライン(株))
●石毛 雅之(厚生労働省)
●下村 和裕(第一三共(株))
●松尾 富士男(スタットコム(株))
●藤田 賢太郎(国立感染症研究所)
●加藤 篤(国立感染症研究所)
●宮崎 真(MSD(株))
●長崎 透(MSD(株))
●黒石 奈保(MSD(株))
●村上 恭子(MSD(株))
●瀬谷 司(北海道大学)
●山田 亮(久留米大学)
●和田 尚(大阪大学大学院)
●中山 睿一(川崎医療福祉大学)
●松本 信英(順天堂大学大学院)
●本井 ゆみ子(順天堂大学大学院)
●服部 信孝(順天堂大学大学院)
●田平 武(順天堂大学大学院)
●俣野 哲朗(東京大学)
●植松 智(東京大学)
●水野 大(武蔵野大学)
●白川 利朗(神戸大学)
●廣部 祥子(大阪大学大学院)
●岡部 直貴(大阪大学大学院)
●中川 晋作(大阪大学大学院)
●三瀬 勝利(国立医薬品食品衛生研究所)
目次
第1章 ワクチン開発の現状と今後の動向
1.日本の現状
2.ワクチン開発の推移
3.次世代ワクチン研究開発プロジェクト
4.ワクチン開発の要素技術
4.1 アジュバント
4.2 接種方法
第2章 予防接種制度~制度改正と今後の動向~
1.予防接種法の改正の経緯
1.1 予防接種の始まりと予防接種法の成立
1.2 昭和51年改正
1.3 平成以降の予防接種制度
2.改正法の背景
3.改正の概要
3.1 予防接種基本計画
3.2 定期接種の追加
3.3 副反応報告制度
3.4 評価・検討組織の枠組み
3.5 定期接種の費用負担
4.今後の予防接種行政の在り方
4.1 予防接種・ワクチン分科会の役割
4.2 これから議論すべき論点
第3章 ワクチンの非臨床安全性試験のポイント
1.非臨床安全性試験ガイドラインの動向
1.1 海外の非臨床安全性試験ガイドライン
1.2 日本の非臨床安全性試験ガイドライン
1.3 アジュバンドに関するガイドライン
2.非臨床安全性試験における評価のポイント
2.1 GLP
2.2 動物
2.3 被験物質
2.4 投与経路
2.5 試験方法
2.5.1 急性毒性試験
2.5.2 反復投与毒性試験
2.5.3 生殖発生毒性試験
2.5.4 遺伝毒性試験
2.5.5 がん原性試験
2.5.6 局所刺激性試験
2.5.7 安全性薬理試験
2.5.8 トキコキネティクス
2.5.9 幼若動物を用いた毒性試験
2.6 その他の注意すべき点
2.6.1 混合ワクチン
2.6.2 製造工程変更
3.非臨床免疫原性試験について
第4章 ワクチンの臨床試験の評価について
1.関連ガイドラインについて
1.1 感染症予防ワクチンの臨床試験ガイドライン
1.2 ワクチンと一般的医薬品との相違点
2.ワクチン臨床評価プロセスとポイント
2.1 第Ⅰ相試験段階での留意点
2.2 第Ⅱ相での留意点
2.3 第Ⅲ相試験段階での留意点
2.4 第Ⅰ相試験と第Ⅱ相試験の用量反応
2.5 日本脳炎ワクチンの用量設定(事例)
2.6 ワクチンの有害事象の調査方法
3.ワクチンの統計解析の留意点
3.1 抗体価分布評価
3.2 幾何平均抗体価(geometric mean titer/concentration)
3.3 幾何平均増加倍数
3.4 抗体応答率
3.5 ワクチン臨床評価における基本的な統計解析法
3.6 例数設計
4.ワクチン臨床評価方法の比較的新しい話題
4.1 発症予防効果
4.1.1 発症予防と免疫原性
4.1.2 発症予防と免疫原性の相関に関する新しい枠組み
4.2 発症予防と免疫学的閾値
4.3 免疫原性数学モデルを用いた抗体推移予測
4.3.1 抗体持続の推定に関する数学モデルの変遷
(1)初期の数学モデル
(2)一般線型混合モデルを用いた抗体持続の推定
4.3.2 一般線型混合モデルの3つの利点
4.3.3 一般線型混合モデルの応用例
4.3.4 ワクチンガイドラインにおける数学モデルの役割
4.4 患者自身を対象とする症例集積法によるワクチン安全性評価(SCCS法)
第5章 ワクチン製造における品質管理の基本的考え方とポイント
1.外来性感染性因子の混入について
2.原材料の管理
2.1 シードウィルス・細菌等の管理
2.2 細胞基材の管理
2.3 生物由来材料の管理
3.製造管理及び中間体、原薬、最終製品の品質管理
3.1 製造の頑健性と品質の恒常性
3.2 不純物の管理
3.3 品質管理試験について
第6章 ワクチンの市販後リスクマネジメント;ビジランス活動を中心に
1.ワクチンの特徴
2.ワクチンの市販後安全性監視活動にかかわる法律等の動向
2.1 予防接種の総合的な推進を図る為の計画の策定(予防接種法第3条)
2.2 定期接種の対象疾病の追加(予防接種法第2条)
2.3 副反応報告制度の法定化(予防接種法第12条)
2.4 評価・検討組織への付議(予防接種法第24条)
3.市販後安全性情報の収集とモニタリング
3.1 製造販売後調査(EPPV)
3.2 使用成績調査
3.3 自発報告(予防接種後副反応報告)
3.3.1 定期の要望接種・臨時の予防接種
3.3.2 任意の予防接種
4.シグナルの特定と検証
4.1 情報の不均一性
4.2 報告バイアス
4.2.1 報告制度
4.2.2 ワクチン接種者層の背景
4.2.3 接種スケジュール
4.3 モニタリングデータ解釈の留意点
4.3.1 背景発生率との比較
4.3.2 他ワクチンとの比較
5.リスク最小化活動
5.1 クニとの連携(予診票など)
5.2 接種希望者へのアプローチ
5.3 副反応の情報提供
第7章 ワクチンにおけるアジュバント
1.アジュバントについて
2.アジュバントの作用機序と安全性
2.1 TLR
2.2 RLR
3.アジュバントの開発と現状
3.1 TLR2/4(MyD88)アジュバント
3.1.1 BCG-CWS
3.1.2 Lipoprotein
3.2 TLR3/4(TICAM-1)アジュバント
3.2.1 MPLA
3.2.2 PolyI:C
3.3 TLR7/9(MyD88)アジュバント
3.4 Alum,Motanide(鉱油)
4.アジュバント選定のポイント
第8章 ワクチン製剤の開発および剤型の開発事例
第1節 がんワクチン
【1】 がんペプチドワクチン
1.がん免疫療法の変遷
2.T細胞によるがん抗原の認識
3.ペプチドワクチン
4.テーラーメイドがんペプチドワクチン
4.1 前立腺がんに対する臨床成績
4.2 その他のがんに対する臨床成績
5.ヘルパーエピトープ含有ペプチドワクチン
6.カクテルワクチン
7.ハイブリッドワクチン
8.国内外における開発状況
【2】 がんワクチン-タンパクと長鎖ペプチド-
1.腫瘍抗原とがんワクチン
2.NY-ESO-1抗原を用いたがんワクチン
2.1 NY-ESO-1 抗原
2.2 NY-ESO-1短鎖エピトープペプチドを用いたがんワクチン療法
2.3 NY-ESO-1短鎖エピトープペプチドワクチンの問題点
3.NY-ESO-1タンパクを用いたがんワクチン
3.1 NY-ESO-1全長タンパクによる免疫
3.2 CHP-NY-ESO-1がんワクチン
4.MAGE-A3タンパクがんワクチン
5.複合(重複)長鎖ペプチドワクチン (overlapping long peptide vaccine)
5.1 長鎖ペプチドによるトレランスの回避と免疫応答の誘導
5.2 ヘルパーT細胞のエピトープペプチド
5.3 APCによる複合長鎖ペプチドの抗原提示
5.4 サブドミナントエピトープに対する免疫応答の誘導
5.5 HPV16複合長鎖ペプチドワクチン
6.NY-ESO-1複合長鎖ペプチドワクチン
6.1 CHP-NY-ESO-1投与患者におけるエピトープ解析
6.2 NY-ESO-1長鎖ペプチドを用いたがんワクチン臨床試験
第2節 アルツハイマー病ワクチン開発の現状
1.アミロイドカスケード仮説
2.Aβワクチン療法のはじまり
3.ワクチン療法の奏功メカニズム
3.1 ミクログリアによるAβ貪食促進
3.2 Aβの分解促進・凝集阻害
3.3 シンク(引き抜き)仮説
4.ヒトでの臨床試験の失敗
5.今後のワクチン療法戦略
5.1 ワクチン投与時期
5.2 標的の妥当性
5.3 ワクチンの安全性
5.4 抗体を利用した受動免疫
5.5 タウを標的としたワクチンの開発
第3節 エイズワクチン開発について
1.HIV感染動向
2.エイズワクチン開発研究の流れ
2.1 抗体誘導ワクチン
2.2 T細胞誘導ワクチン
2.2.1 T細胞誘導ワクチンデリバリーシステム最適化
2.2.2 T細胞誘導ワクチン抗原最適化
3.センダイウィルスベクターエイズワクチン
3.1 SeVベクターを用いた抗原発現系
3.2 サルエイズモデルにおける有効性
3.3 SeVベクターワクチンの特徴
3.3.1 複製方ウィルスベクター
3.3.2 SeVに対する抗体反応
3.3.3 粘膜粘液誘導
4.今後に向けて
第4節 アレルギーワクチン
1.アレルギー反応のメカニズム
2.アレルギーの一般的な治療
3.アレルギーワクチンの開発
第5節 経鼻ワクチン
1.上気道における粘膜免疫
2.経鼻インフルエンザワクチンの現状
3.抗原デリバリーを利用した経鼻ワクチンの開発
4.生体内因子である肺サーファクタントを用いた、経鼻ワクチン接種法の開発
5.経粘膜感染症予防以外の分野へ応用される経鼻ワクチン
第6節 経口ワクチン
1.ビフィズス菌をプラットフォームとした次世代経口ワクチン
2.抗原表層発現ビフィズス菌
3.腸チフス経口ワクチンの開発
3.1 腸チフス
3.2 サルモネラ由来普らジェリン表層発現経口ワクチン
3.3 動物実験モデル
3.4 動物実験の結果
4.今後の展開
4.1 A型インフルエンザ・ユニバーサル経口ワクチンの開発
4.2 慢性C型肝炎経口治療ワクチンの開発
4.3 製剤化
第7節 経皮ワクチン
1.ワクチンの投与部位としての皮膚
2.経皮ワクチンデリバリー技術の発展
2.1 エレクトロポーション
2.2 Jet injector
3.粘着性およびガーゼパッチを用いた経皮ワクチン
3.1 親水性ゲルパッチを用いた経皮ワクチンの開発
3.2 親水性ゲルパッチを用いた経皮ワクチンの臨床研究
3.3 親水性ゲルパッチの実用化に向けた今後の課題
4.マイクロニードルを用いた経皮ワクチン
4.1 各種マイクロニードルデバイスの開発
4.2 皮膚内溶解型マイクロニードルを用いた経皮ワクチンの開発
4.3 皮膚内溶解型マイクロニードルの臨床研究
第9章 ワクチンにおける関連制度と今後の動向について
1.日本はワクチン後進国を脱却しただろうか
2.日本版ACIPの設立が緊急の課題である
2.1 日本の審査システム
2.2 米国では予防接種政策を実質的に決定する組織が活動している
2.3 厚生科学審議会・予防接種部会は日本版ACIPの役割を果たしてきたか?