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発刊・体裁・価格
発刊 2024年10月末予定 定価 60,500円 (税込(消費税10%))
体裁 B5判 約200ページ ISBN 978-4-86502-276-6 →詳細、申込方法はこちらを参照
本書のポイント
☆バイオリアクター実利用のための培養装置・培養プロセスを検討・学習する上での最適書籍
★物質生産、医療応用、薬品生成、エネルギー生産、AI制御等、活用事例も多数掲載
〇目的に合わせた各培養方法の考え方と培養装置の選定と留意すべきポイント
〇大量培養の培養理論と留意点
・回分・流加・連続培養の速度論と特徴
・流加培養の実際の課題とメリット
・灌流培養の実例と考え方
〇最新バイオリアクター技術の開発課題
・微細藻類培養におけるフォトバイオリアクター開発の現状と課題
・生物処理におけるメンブレンバイオリアクター(MBR)開発
・創薬・薬剤スクリーニングにおけるラジカルフロー型バイオリアクター
〇産業応用におけるバイオリアクター関連技術のポイント
・スケールアップにおける留意点とトラブル対応
・気泡における消泡対応と関連装置利用の課題
・医薬製造設備基準における洗浄(CIP)と滅菌(SIP)の品質管理におけるポイント
〇バイオリアクター関連技術開発の最新事例
・ビッグデータ・AI等を活用したバイオリアクターにおける培養制御の課題と現状
・バイオ医薬品製造における連続生産への応用における検討課題
・バイオリアクターを利用した物質生産および金属資源化への技術開発動向
・排水処理における硫化物除去のための新リアクター開発動向
・電力生産のためのバイオ燃料電池リアクターの現在
・培養微生物を傷つけない低せん断バイオリアクター装置開発におけるTaylor渦の利用
執筆者一覧(敬称略)
松岡 浩(帝京科学大学)
片倉 啓雄(関西大学)
坂口 勝久(東京都市大学)
竹下 毅(京都大学/東京大学)
河野 重行(東京大学)
長岡 裕(東京都市大学)
鈴木 来(明治大学)
相澤 守(明治大学)
長森 英二(大阪工業大学)
川瀬 義矩(東洋大学)
竹園 恵(新潟工科大学)
上根 祐(キリンエンジニアリング(株))
河合 哲志((株)ちとせ研究所)
富岡 優介(メルク(株))
伊藤 隆夫(メルク(株))
山本 兼由(法政大学)
星野 真里(法政大学大学院)
河合 秀樹(室蘭工業大学)
櫻井 明彦(福井大学)
小野寺 崇((国研)国立環境研究所)
中川 朋恵((地独)東京都立産業技術研究センター)
月精 智子((地独)東京都立産業技術研究センター)
武田 康太((国研)産業技術総合研究所)
五十嵐 圭日子(東京大学)
中村 暢文(東京農工大学)
山本 浩司(同志社大学)
目次
第1章 培養装置の種類と特長
1. 培養装置に要求される主な性能
1.1 pH のコントロール
1.2 十分な酸素供給能
1.3 スケールアップの容易さ
2. 培養方法
2.1 培養操作
2.1.1 回分培養
2.1.2 流加培養
2.1.3 ケモスタット
2.1.4 灌流培養
2.2 固体培養
2.3 固定化培養
3. 培養装置
3.1 通気撹拌槽
3.2 気泡塔
3.3 流動層
3.4 充填層
3.5 動物細胞培養で使われる培養装置
3.6 植物細胞培養で使われる培養装置
第2章 大量培養でも利用される培養のプロセスとその応用
第1節 回分・流加・連続培養
1. 比増殖速度とMonod の経験式
2. 回分・流加・連続培養の速度式
3. 回分・流加・連続培養の特徴と使い分け
4. 流加培養の理論と実際
4.1 指数流加培養の理論式
4.2 パラメーターの設定
4.2.1 初発液量V 0 と初発細胞濃度X 0
4.2.2 目標の比増殖速度μ* と細胞収率Y X/S
4.2.3 流加培地の基質濃度S F
4.3 流速の調整
4.4 指数流加培養における留意点
4.4.1 制限基質以外の栄養素の枯渇
4.4.2 利用されなかった培地成分の蓄積
4.4.3 pH と温度
5. 流加培養のメリット
5.1 酵母の好気発
5.2 大腸菌の好気発酵とその抑制
5.3 乳酸菌の好気流加培養
6. 製パン用酵母の工業的な好気流加培養
6.1 比増殖速度による酵母の代謝の変化
6.2 生産コスト低減のための戦略
6.3 RQ 制御
6.4 アルコール制御
第2節 組織工学における灌流培養技術
1. 生体模倣システム(Microphysiological system: MPS)
2. 再生医療・組織工学
3. 細胞シート治療
4. 細胞シートの生体内移植
5. 細胞シート血管網への灌流培養
第3章 産業利用されているバイオリアクターの概要
第1節 フォトバイオリアクター
1. 極初期段階の歴史的PBR
2. PBR の2 つの基本的なアプローチ
3. PBR と微細藻類による炭素固定能力
3.1 微細藻類種の選択
3.2 薄層光バイオリアクター
4. 閉鎖型あるいは半閉鎖型PBR
4.1 多彩な種類と用途
4.2 チューブ式PBR
4.3 商業生産へのスケールアップ
5. レースウェイポンドと排水処理
6. バイオフィルム式PBR の将来性と課題
第2節 メンブレンバイオリアクター(MBR)
1. メンブレンバイオリアクター(MBR)の概要
2. 膜ユニットの設置方法によるMBR の分類
3. MBR で使用される膜および膜ユニット
4. MBR において使用される各種生物処理法
5. MBR の一般的特徴
6. MBR における運転管理
7. MBR の関する研究課題
第3節 ラジアルフロー型バイオリアクターを活用した組織再生と薬剤スクリーニングへの展開
1. 組織工学にもとづく再生医療および創薬分野でのバイオリアクターの役割
1.1 組織再生における足場材料とバイオリアクターの関わり合い
1.2 創薬分野におけるバイオリアクターの役割
2. ラジアルフロー型バイオリアクター(RFB)による細胞培養とそのメリット
3. ラジアルフロー型バイオリアクターを活用した硬組織再生(骨再生)
4. ラジアルフロー型バイオリアクターを活用した軟組織再生(肝組織再生)と薬剤スクリーニングの可能性
第4章バイオリアクター利用上の留意点
1. フラスコと卓上型バイオリアクター(通気攪拌型培養槽)の違い
2. ジャーファメンターの適切な操作設計・制御に必要なパラメーターとその計算法
3. ジャーファメンターを用いた一般的な培養制御・操作
4. バイオものづくり人材の育成・開発支援拠点「大阪工業大学バイオものづくりラボ」
第5章バイオリアクターの産業利用における関連技術ポイント
第1節 撹拌槽型バイオリアクターにおけるスケールアップの重要指標と留意点
1. スケールアップにおける重要な指標とパラメーター
2. スケールアップにおけるトラブル
3. CFD(Computational Fluid Dynamics: 数値流体力学)による流動解析の利用
第2節 バイオリアクターにおける消泡技術
1. 泡沫の発生
2. 消泡剤と消泡装置
2.1 消泡剤
2.2 消泡装置
2.2.1 インペラー型消泡装置
2.2.2 コニカル型消泡装置
2.2.3 回転円板型消泡装置
2.2.4 剪断型消泡装置
3. 消泡装置を利用する際のポイント
3.1 消泡装置の設置
3.2 泡沫破壊の難易
3.3 消泡装置による泡沫破壊限界
3.4 撹拌軸に取り付けた消泡装置の消泡性能の改善
第3節 「 バイオリアクターも含めたバイオ医薬製造設備の洗浄(CIP)と滅菌(SIP)の考え方」
1. 洗浄とは
1.1 CIP(Cleaning In Place(定置洗浄))
1.2 COP(Cleaning Out of Place(定置外洗浄))
1.3 CIP システム
1.3.1 CIP システムの構築
1.3.2 CIP の方法
1.3.3 管理項目とモニタリング計器
2. 滅菌とは
2.1 SIP(Steam In Place(定置滅菌))
2.2 オートクレーブ
2.3 SIP システム
2.3.1 SIP システムの構築
2.3.2 SIP の方法
2.3.3 管理項目とモニタリング計器
3. 機器構成と仕様
3.1 サニタリー機器と配管
3.2 洗浄・滅菌性向上のための留意点
4. 適格性評価(バリデーション)
4.1 設計時適格性評価(DQ)
4.2 設備据付時適格性評価(IQ)
4.3 運転時適格性評価(OQ)
4.3.1 CIP システムの適格性評価
4.3.2 SIP システムの適格性評価
4.4 洗浄バリデーション
5. その他留意事項
5.1 排水
5.2 メンテナンス
5.3 シングルユース設備
第6章データ駆動型によるバイオリアクター制御の現状と課題
1. 培養制御に必要なデータ
1.1 培養データ収集の課題と対策
1.2 培養データの質の課題と対応策
1.3 ビックデータの活用に求められる基盤
2. AI モデルの種類
3. データ駆動のバイオ生産への活用法と現状
3.1 培養状態の予測
3.2 培養状態の最適化
4. 今後の課題
第7章 バイオリアクターを用いた技術開発事例
第1節 バイオリアクターを利用したバイオ医薬品の製造における留意点
1. 品質リスクに基づいた培養工程の適切な管理戦略の構築
1.1 培養工程のリスク分析と工程開発
1.2 培養工程におけるデザインスペース
2. バイオ医薬品連続生産の品質管理におけるモニタリング
2.1 バイオ医薬品の連続生産プロセス
2.2 連続生産でのプロセスモニタリングと品質管理
2.3 連続生産におけるリアルタイムの管理を目的とした測定技術の考慮事項
2.4 多変量モデル構築の手法と測定技術のバリデーションについて
2.5 連続製造工程でのPAT 技術とその検討事例
第2節 大腸菌ゲノムの細胞内リライティング技術開発とバイオリアクターによる金属資源化への応用
1. 大腸菌ゲノムデザインとゲノムリライティング
1.1 大腸菌のゲノムデザインとゲノリライティング
1.2 マーカー遺伝子レスのゲノム編集HoSeI 法
1.3 大腸菌のゲノムデザインとゲノリライティング
2. 大腸菌細胞内の金属
2.1 大腸菌細胞とゲノム
2.2 大腸菌細胞を構成する主な金属
2.3 大腸菌細胞に含有するパラジウムとその恒常性
3. 鉱物に変わるパラジウム原料としてのゲノムリライティング大腸菌
3.1 パラジウムの原料
3.2 パラジウムの含有量を向上させたゲノム編集大腸菌
3.3 超希薄パラジウム環境からのパラジウム濃縮
第3節 Taylor渦を利用した微生物が傷つきにくい低せん断力バイオリアクターの技術開発
1. バイオリアクターの設計
1.1 Taylor渦型バイオリアクター
2. 低アスペクト比TVFのカオス流動
2.1 TVFの発生と渦モードの分岐
2.2 バイオリアクターへの応用(混相流)
2.3 カオス流への遷移の可視化(単相流)
第4節 回転円板型バイオリアクターを用いた有用物質の生産
1. 回転円板型バイオリアクターの構造と特徴
2. 回転円板
2.1 微生物固定化担体としての円板素材
2.2 円板回転速度
3. 有用物質生産の具体例
3.1 ヒトヨタケによるペルオキシダーゼの生産
3.2 冬虫夏草によるコルジセピンの生産
第5節 バイオガスによる硫化物除去が可能な新たなバイオリアクターの開発
1. メタン発酵における阻害物
1.1 メタン発酵における阻害物
1.2 硫酸塩や硫化物が含まれる廃水
1.3 メタン生成活性に及ぼす硫化物の影響
1.4 硫化物の除去方法
2. 新たな嫌気性バイオリアクターの開発
2.1 硫化物除去が可能なリアクターのアイディア
2.2 リアクターの構造
3. 模擬排水を用いた処理試験の結果
3.1 ラボスケールリアクターの構造
3.2 実験条件
3.3 硫酸塩含有排水における試験結果
3.4 硫化物含有廃水における連続運転試験の結果
第6節 有用物質と電力の同時生産が可能なフロー型バイオマス処理システムの開発
1. バイオマス変換技術
1.1 バイオリアクターを用いた化学品への変換
1.2 バイオ燃料電池を用いたエネルギーへの変換
1.3 コージェネレーション
2. バイオマスから有用物質と電気エネルギーを同時生産
2.1 バイオ燃料電池リアクター(EBFC-reactor)
2.2 ペクチン(バイオマス)からガラクタル酸(有用物質)への酵素的変換
3. バイオ燃料電池リアクター(EBFC-reactor)の構築とその特性6)
3.1 EBFC-reactor の構築
3.2 電池/ リアクターとしての特性
3.3 展望と課題
第7節 細胞応答のモニタリングによる可変刺激型バイオリアクターの開発
1. メカニカルストレスを利用したバイオリアクター
2. 刺激の設定方法
2.1 プリセット型
2.2 モデル予測型
3. 細胞状態のモニタリング方法
3.1 蛍光レポーター遺伝子の作製
3.2 画像情報による遺伝子発現量の推定4. メカニカルストレスの制御方法
4.メカニカルストレスの制御方法
4.1 力学場の計算
4.2 培養領域全体の遺伝子発現量の推定
4.3 刺激制御のアルゴリズム