技術・研究開発セミナー・技術書籍なら情報機構

粉砕の実務 書籍 情報機構

粉砕の実務


著者

東北大学 名誉教授 工学博士 齋藤 文良 氏


略歴:1970 年山形大学工化学工学科卒業
   1972年同大学大学院工研究科修士課程化学工学専攻修了、1972年山形大学助手(工)
   以後、東北大学助手(選研)、横浜国立大学講師(工)、助教授(工)を経て1991年東北大学教授
   2012年同大学を定年退職、同年4月より東北大学名誉教授
   その間、1987〜88年、英国、University of Birmingham博士研究員
   2001年フランス、Ecole des Mines d'Albi 客員教授、2005〜2010年東北大学多元研所長

現職:早稲田大学(創造理工学研究科)非常勤講師、
   福島県立テクノアカデミー郡山(職業能力開発短期大学校)非常勤講師

研究業績:研究論文:287編、解説・資料:170編、著書:27編、国際会議報告論文:88編、特許:73編

受賞歴:化学工学協会賞(現論文賞、1984)、資源素材学会論文賞(1999)
    APCChE Outstanding Paper Award(2004)、ホソカワ粉体工学振興財団KONA賞(2008)
    化学工学会粒子流体プロセス部会フロンティア賞(2010)、日本鉄鋼協会ギマラエス賞(2010)
    日本学術振興会平成21年度特別研究員等審査会専門委員(書面審査)
    「規範となる審査意見を付した専門委員」表彰(2010)
    チェコ化学工学会(CHISA)名誉会員(2012, 世界で25人目、アジア初)
    化学工学会創立75周年功労賞(2012)

学協会活動:粉体工学会員、資源素材学会会員、国際メカノケミストリー協会(IMA)会員、日本粉体工業技術協会理事
      ホソカワ粉体工学振興財団評議員、粉体工学情報センター理事

著者によるメカノケミカル詳解書籍も取り扱い中!
  「粉砕によるメカノケミカル効果の原理と実務〜材料合成および分解・回収への適用展開〜」2020年9月発刊

発刊・体裁・価格

発刊  2017年3月27日  定価  42,900円(税込(消費税10%))
体裁  B5判 270ページ  ISBN 978-4-86502-125-7   →詳細、申込方法はこちらを参照

→書籍を購入された方へ(アンケートのお願い)
→PDFパンフレットを見る

粉砕の実務 書籍

本書籍申し込みはこちらから → 

本書のポイント

基礎からノウハウ・トラブル対策・シミュレーション・メカノケミカル効果まで
1冊で完全網羅! 粉体処理に携わる方必携の一冊!


★粉砕の基礎をわかりやすく解説!
なぜ物は壊れるのか?破壊・強度の基礎他
粒子の強度・硬度や粒子径まで粉砕の基盤となる基礎技術をしっかり理解

★効果的な粉砕を行うための実務ノウハウ伝授!
粉砕のしやすさ・しにくさ、粒子径分布のノウハウから
各種粉砕機の特徴説明や選び方、効率向上の手法など実務に必須の知識が満載
粉砕機のエネルギー効率改善についても言及

★ミル内のシミュレーションと粉砕現象について詳説!
DEMによる媒体運動のシミュレーションは?
ミル内のボール運動と粉砕現象の関連は? ミル構造の最適化は?
媒体運動のエネルギーとメカノケミカル効果の関係は!

★充実のトラブルシューティング!
湿度の影響、凝集の対策、粒子径分布測定結果の注意点や粉塵爆発、静電気、
コンタミネーション等各種トラブルの詳細と防止策を提示

★メカノケミカル効果を具体例を多数用いて詳解!
粉砕による固体の活性化・固体結晶の無定形化・相転移といった技術の基本から
材料合成・樹脂の分解・資源活用等各種目的に応じた内容を豊富に掲載!

目次


→掲載見本

第1章 固体の破壊

1.固体を粉砕する力
 1.1 力
 1.2 力で物を壊す
 1.3 力の作用過程での変形
 1.4 原子の結合と弾性
 1.5 力の評価〜応力と強度
2.何故、物は壊れるのか?
 2.1 物が壊れるパターン〜分離・せん断
 2.2 破断のプロセス
3.破壊の開始と破壊した後の状態
 3.1 固体の破壊は最も弱いところから
 3.2 原子・分子レベルまで粉砕できない理由
4.原子の結合と原子間相互作用力
5.実測強度と理想的強度の違い
6.曲げ力による破壊
7.ガラスの破壊
8.ガラスの破壊機構〜グリフィス理論
9.Orowanの考えと破壊靭性

Appendix-1 理想的強度の導出
Appendix-2 クラック内包材料の強度式


第2章 粒子強度に及ぼす操作因子と硬度

1.粒子圧縮負荷における荷重- 変位(応力- ひずみ)線図
2.ヤング率とポアソン比
 2.1 ヤング率
 2.2 ポアソン比
3. 粒子の強度
 3.1 実測強度の定義
  3.1.1 単軸引張試験
  3.1.2 単軸圧縮試験
  3.1.3 圧裂強度
  3.1.4 球圧壊強度
  3.1.5 せん断強度
 3.2 強度に及ぼす操作因子
  3.2.1 強度の寸法効果
  3.2.2 強度に及ぼす水分の影響
  3.2.3 強度に及ぼす荷重速度の影響
 3.3 単粒子破砕に要するエネルギーの粒子径による変化
 3.4 展延性材料(粒子)の耐力
 3.5 微粒子領域の圧縮における弾性から塑性への遷移
4. 硬度
 4.1 モース硬度
 4.2 ビッカース硬度とヌープ硬度
  4.2.1 ビッカース硬度
  4.2.2 ヌープ硬度
  4.2.3 ブリネル硬度
  4.2.4 ロックウェル硬度
  4.2.5 ショア硬度
  4.2.6 各硬度間の換算
5.単粒子破砕産物の形状と代表粒子径の表示
 5.1 破砕産物の形状
 5.2 不規則形状(非球形)粒子の代表粒子径
 5.3 直径が数mm以上の粒子の破砕片の代表粒子径


第3章 粉砕技術と効果的処理

1.固体の粉砕とその目的
2.粉砕産物の粒子径分布
 2.1 平均粒子径
 2.2 粒子径分布の表示
  2.2.1 正規分布
  2.2.2 対数正規分布
  2.2.3 Gaudin-Schumann分布
  2.2.4 Rosin-Rammler分布
  2.2.5 Gilverryの分布式
  2.2.6 Gaudin-Meloyの分布式
  2.2.7 Klimpel-Austinの分布式
  2.2.8 Gaudin-Meloy-Harrisの分布式
3.粉体の代表粒子径
4.粉砕に要する仕事量(エネルギー法則)
 4.1 Rittinger則
 4.2 Kick則
 4.3 Bond則
 4.4 田中の比表面積限界説
5.粉砕のしやすさ、し難さの指標
 5.1 ハードグローブ(Hard-grobe)粉砕性指数
 5.2 ボンド(Bond)の粉砕仕事指数(work index、Wi)
6.粉砕産物粒子径分布の時間変化(粉砕速度論)
 6.1 任意の粒子径の経時変化
 6.2 比表面積の経時変化
7.各種粉砕機とその選択
 7.1 粉砕機の分類
 7.2 各種粉砕機とその特徴
  7.2.1 粗砕機(圧縮型)
  7.2.2 粗砕・中砕機(せん断型)
  7.2.3 粗砕・中砕機(圧縮・せん断型)
  7.2.4 微粉砕機(衝撃式)(Impact crusher)
  7.2.5 容器回転型ミル(Tumbling mill)
    a)転動ミル b) 振動ミル c) 遊星ミル d)媒体撹拌ミル e)タワーミル
  7.2.6 気流式粉砕機(ジェットミル)
  7.2.7 石臼ミル
  7.2.8 自生粉砕機(Autogenous mill)
8.粉砕効率向上
 8.1 乾式粉砕
 8.2 湿式粉砕
 8.3 回分式(開回路)と連続式(閉回路)粉砕
 8.4 粉砕助剤
9.湿式粉砕におけるスラリーの安定性
10.粉砕限界
11.粉砕の4条件


第4章 ミル内媒体運動のシミュレーションと粉砕現象

1.離散(個別)要素法(DEM)モデルと媒体運動の解析
2.DEM によるミル内媒体運動のシミュレーション
3.媒体運動シミュレーション結果に及ぼす粉体共存の影響
4.粉体共存下でのDEM シミュレーションによるミル内ボール運動と粉砕現象
 4.1 実験情報
 4.2 粉体共存下でのDEM シミュレーション
 4.3 粉砕実験結果とDEM によるCS 結果の融合
 4.4 遊星ミルの公転と自転の回転方向による媒体運動の違い
 4.5 媒体撹拌ミル構造の最適化
 4.6 大型チューブミルのライナー形状の粉砕効果
5.媒体運動とメカノケミカル反応
 5.1 固相反応に及ぼすボール(媒体)運動エネルギー
 5.2 ポリ塩化ビニルの分解反応に及ぼすボール運動エネルギー
 5.3 タルクの粉砕による無定形化とボール衝突運動エネルギー
 5.4 廃蛍光管のMC 処理によるY 回収に及ぼすボール衝突運動エネルギー


第5章 粉砕機の省動力とトラブル・シューティング

1.世界における粉砕エネルギー量と効率改善の必要性
2.粉砕機のエネルギー効率
3.粉砕機の省動力化
 3.1 媒体撹拌型ミルの場合
 3.2 ジェットミルの場合
 3.3 分級器内蔵ミルの場合
 3.4 原料の材料特性を考慮した粉砕機
4.粉砕におけるトラブル・シューティング
 4.1 粉砕原料ならびに産物の環境(特に、湿度)による影響
 4.2 粉砕における凝集と対策
 4.3 粉砕産物の粒子径分布測定結果の解釈と注意点
  4.3.1 測定上の注意点
  4.3.2 測定原理の観点での注意点
  4.3.3 測定結果の解釈での注意点
 4.4 装置の洗浄
 4.5 微粉の酸化・発火とその防止
  4.5.1 微粉の場合
  4.5.2 堆積した粗粒粉体の発火条件
 4.6 粉塵爆発とその防止策
 4.7 石炭粉塵(炭塵)爆発の要因と防止策
  4.7.1 着火源の完全除去
  4.7.2 炭塵の飛散・堆積の防止
  4.7.3 雰囲気内酸素濃度の低減
  4.7.4 貯炭内部の検温
  4.7.5 防塵・防爆機器の採用
  4.7.6 保安教育・監督指導・管理の徹底
  4.7.7 バグフィルタでの炭塵爆発防止と爆圧放散口
 4.8 静電気障害
 4.9 振動と安全性・対策
 4.10 ミル運転に伴う摩耗粉混入(コンタミネーション)とその抑止策


第6章 メカノケミカル効果とその利用

1.粉砕による固体の活性化(メカノケミカル効果)
2.粉砕による固体結晶の無定形化と相転移
3.材料合成
 3.1 複数の酸化物やフッ化物の粉砕による複合酸化物・フッ化物のメカノケミカル合成
 3.2 ナノ粒子の合成
  3.2.1 金属ナノ粒子
  3.2.2 酸化物ナノ粒子
  3.2.3 複合酸化物ナノ粒子
  3.2.4 硫化物ナノ粒子
 3.3 層状鉱物と2 水石膏からの水硬性物質の合成〜水分子の移動
 3.4 湿式粉砕による水和物合成〜ケイ酸カルシウム水和
4.樹脂の分解
 4.1 ハロゲン含有樹脂・有機物のメカノケミカル(MC)室温分解(脱ハロゲン)
 4.2 ポリ塩化ビニル(PVC)のMC 室温分解
  4.2.1 酸性添加剤を使用した場合
  4.2.2 アルカリ添加剤の場合
 4.3 トリクロロベンゼン(TCB)、モノクロルビフェニル(BP-Cl)のMC 脱塩素
  4.3.1 TCBのCaO によるMC 分解
  4.3.2 モノクロルビフェニル(BP-Cl) のCaO あるいはCa(OH)2 によるMC 分解
5.構造に水素を持たない樹脂・有機物のMC 分解
 5.1 ポリテトラフルオルエチレン(PTFE)のMC 分解
 5.2 ヘキサブロムベンゼン(HBB)のMC 分解
6.資源処理
 6.1 活性粉体のアルカリ溶液中での反応〜カオリナイトからゼオライト合成
 6.2 タルクからのMg、Siの非加熱抽出
 6.3 メカノケミカル反応を利用した有価物生成・回収〜硫酸塩から炭酸塩の生成
7.リサイクル
 7.1 ITO スクラップからのIn 回収
 7.2 3波長型廃蛍光管からのレアアース回収
 7.3 重油燃焼媒(EP Dust)からのバナジウム回収
 7.4 バイオマスからの高純度水素製造

あとがきにかえて〜最近の粉砕分野での議論〜

本書籍申し込みはこちらから → 

ページトップへ